今江克隆のルアーニュースクラブR 第961回「21年ぶり!ロクマルの聖地巡礼」の巻
水位変動とリザーバーでの釣りやすさの関係
それは毎日細かな増減水はするものの年中水位が安定している七色に比べ、池原は渇水では20m以上平気で減水し、梅雨の台風一発で一気にフル満水になるほど七色に比べ「水位激動」が遥かに激しいのである。
特に急激な増水はリザーバーにとってプラスになることは少なく、リザーバーは減水すればするほど釣り易いというのが自分の絶対自論である。
理由は…
- バスが安定水域に固まりやすくバス密度が濃縮されること
- ショア沿いギリギリをタイトに容易にルアーを通せること
- 複数の「立木群」の出現で立木にサスペンドするバスの位置も把握しやすいこと
- 濁りが入りやすくなること
一方で、急激に増水したリザーバーほど難しいものはない。
理由は減水時との真逆の理由であり、特に灌水植物や林が沈むほどの大増水になった場合は、当分その湖はパスした方が概ね賢い判断になることが多い。
今回の池原ダムは、その大増水後のタイミングで、増水前には30度近くあった水温も25~27度に降下。
各バックウォーター(以下:BW)でも水温25度前後と差異がほとんどなかった。
そのため真夏というのにBWとボディウォーターの水温差が少なく、適水温を求めBWにベイトが集結しないためバスもBWにほとんど見かけないという大誤算からロケは始まった。
ボートの真下に黒い影が!
今回は、リリース間近の池原ダム発「黒崎ペンシル・スラムドッグ」と、奇作迷作?「ブータスライダー」、両水面系高速スライダーの縛りロケだったが故に、昨年同時期なら朝でも31度あるという水温が25度前後と低下し、増水クリア化した今回の池原の状況は、高速トップ攻略にはかなり厳しい状況だった。
約1日半に亘って、全域のめぼしい場所を7割方この2種類で通したが、時折起こる20尾ぐらいのスクールボイルに遭遇した時のみ、その群れの若い斥候役的なバスがたまに釣れる程度の失敗ロケだった。
しかしながら、エレキで流しまくりながら広範囲をサーチしたおかげか、備後筋最上流から2箇所目ほどの急ベンドのやや緩やかなガレ場まで下ってきた際、ふとボートの真下に黒い影がステイしていることに気が付いた。
見ていないふりをしてそのまま何事もなかったかのように行き過ぎ、50mほど離れて沖にでて完全静止で気配を消した。
見た感じバスは岩場ではなく立木でもなく、ガレの比較的緩やかなバンクの3mボトム付近から岸方向を見ていたので、こいつはアフターのバスで、バンクの岸際を通過する何かか、土の崩れから落ちてくる何かを待っているように思えた。
夏の見えデカバスに投入するタックルとは? 次ページで紹介!