伊東由樹のメガトレンド最前線「喰わない中層デカバスを釣る方法!」
伊東由樹(YUKI ITO ) プロフィール
バスはカバーを釣れ。でも、カバーに付いていないバスはどう釣る?
「ストラクチャー」に付くバスの攻略は、およそ1世紀をかけて解明されてきた。どんなアングラーもストラクチャーを探し、カバーを狙い、そこにいるバスを釣る。
しかし、こんなことを言うと夢も教科書もなくなってしまうが、実は多くの時間、バスはカバーにいないことが多いのだ。
特に典型的な日本のリザーバー地形における中層域では、ストラクチャーにコンタクトしていないバスたちが、1日の大半の時間を中層のレイライン下層、或はサーモクラインに沿って回遊するベイトのやや下層ラインをクルーズして過ごす時間が多くなる。
1日の中でフィーディングタイムとなった時にカバーに入り、そこで待機してベイトを狙うフィーダーと化す。そのタイミングでは、もちろんストラクチャーをきっちり攻めて結果を出すことが出来るし、それが普通のバスフィッシングだ。
問題は、ストラクチャーを離れ、次のフィーディングタイムまで、ゆったりと回遊して移動している最中だ。この時のバスは、サイズがデカくなるほどクチを使ってくれないものである。
開発者としても、問題のクルージングフィッシュをどうやって墜とすか?が、デザイニングの見せどころとなる。
ここでいうデザイニングとは、絵を描く能力や造形の能力ではなく、魚の習性を究明するバイオロジストとしての知見と、そうした知見と生態研究の成果をルアーというカタチで表現し、魚を食わせ、反応させるまでのプロセスをいう。
リザーバーの何もない中層を泳ぐ個体を振り向かせるルアーとは?
メガバス公式「i-BRAKE (アイ・ブレイク) 」詳細ページはこちら
問題のクルージングフィッシュを堕とすルアーとして形にしたのがi-BRAKE。
i-BRAKE(アイ・ブレイク)は、止めることで食わせるルアーだ。通常のスイムベイトは泳ぎ続けて誘う、泳ぐから食わせられるルアーだが、i-BRAKE(アイ・ブレイク)はそれとは真逆のコンセプト。
フィーディングの魚は、活きのいい餌を求めてアクティブとなるが、次の待機場(ストラクチャー)を求めて移動するバスは、フィーディング(捕食)のモードではないから、生き生きとした餌が目の前を通過してもバイトしないことが多い。
かといって遭遇した餌に感心が無いのではなく、いうならば、餌に関心はあるのだが、口をバックリと広げて吸引するほどの、「リキの入った食う動作に、渾身のエネルギーを使わない」、といった低稼働状態にある。
ちなみに、昔、「こうしたバスを人間に例えると、そうめんしか食えない状態だから、4インチのノーシンカーでも使って釣れ」といわれたこともあったが、バスとヒトは違う。もちろんノーシンカーワームでもアプローチ可能だが、魚のサイズが小さくなる。それに、もっと合理的で適切なアプローチがあることが、メガバスによって解明されている。
とりあえず見ればわかる。「止める」ことでバイト連発!! i-BRAKEの「ブレイクパワー」は新感覚の釣り。
以前にi-BRAKEを使った実釣動画ロケを行ったのだが、その時の動画がコレ。とにかく一度見てもらえればi-BRAKEのブレイクパワーをお分かりいただけるはず。
i-BRAKEの止めた瞬間に乱発する果敢なバイト!
i-BRAKE(アイ・ブレイク)の使い方は簡単だ。たた、使い方に一種のコツというかキモがある。そのキモとはスイムテールがテロテロとしなりをもってアクションする程度に「ゆっくり」引くこと。
ロケは、プロトーナメント戦でも有名な透明度の高いメジャーレイクで撮影を行っているため、追尾してくる魚のシルエットが目視できたわけでが、i-BRAKEをどう操作したのか?というと、追ってきたら(マッディウォーターでは、ある程度リトリーブして、チェイスしてきたと思ったら)止めてやるという作業を行っただけ。
まあ、キモといっても止めるだけ、リールを巻くのを途中でやめるだけというわけだ。
この「止めるタイミング」は、アングラーのセンスと直感、経験値がものをいうかもしれないから、それがキモといえるかもしれない。
とにかく止めた瞬間、i-BRAKE(アイ・ブレイク)は、アクションがブレイクして、「食わせのナチュラルリアクション」を誘発する。
ボディに装着する胸鰭(むなビレ)が独自のストッピングパワーを生み出し、連結ボディやテールアクションに作用して、バイトのナチュラルリアクションを引き起こす。
それは、「デッドリーベイトとして襲いたくなる姿勢変化」だったり、「水流波動の一瞬の乱れを発する」、「大きく軌道を逸らすことなく、捕食しやすい姿勢変化を引き起こす」など、自然発生的な要因がバイトへの反応行動を引き起こすのである。
使い方は、単純で「巻いて止めるだけ」だが、釣れる原理は、はっきりいって奥深く、動物行動学に基づく原理を解明することで、きわめて慎重にデザインされたものである。