セッティングより、まずはタッチ&ゴーと巻き速度
タイラバを始める上での注意点は、「イキナリ応用を使わないのが基本ですかね」と古谷さん。最初に選ぶタイラバセッティングは、オーソドックスなものから。
水深100mちょいといったポイントで、ドテラ流しで狙った当日。
古谷さんが最初に選んだのは、紅牙ベイラバーフリーαヘッドTG(紅牙グリーン120g)でネクタイ(オレンジ)もノーマルなボリュームのストレート。これに吸い込みだけは重視するため、紅牙中井蟲(岩イソメレッド)をトレーラーとして付けた。
紅牙には、中井チューンなど細いネクタイであったりカーリーもあるが、最初からそれらを使用すると、「何が悪くて何がハマっているのか判断が付きにくい」のだと古谷さん。
タイラバセッティングより大事なことは…
・タッチ&ゴー
・安定したリトリーブ
・ヒットするリトリーブスピードおよびレンジを探す
を意識すること。そして、それでもダメなら、ネクタイをチェンジして打開策を見つけることが大事と話す。
リトリーブスピードの基準を決める
次にリトリーブスピードについて。まずは「基準を作ってしまうこと」と古谷さん。ノーマルなリトリーブスピードを決めてしまえば、それより速いか遅いかも決めやすい。
古谷さんが当日使用したリールは紅牙IC(100PL-RM)。カウンターには「巻上げスピード表示」がされる。これは、自分が巻いている速度が数値化される便利な機能。
この巻き上げ表示で「3」を基準に、リトリーブスピードを調整していくと言う。
ドラグテンションは800gくらいをベースに今回のようなドテラ流しの場合は幾分強めに締めてもよいとのこと。
竿を安定させて、ティップは若干曲げる
竿先がブレないように、一定したリズムで巻くことは基本。
また、ドテラ流しの場合は、「気持ちティップが反るような感じ、少し曲げた状態で巻くと、アタリが分かりやすいかもしれませんね」と話す。
ネクタイのカラー、王道3色は?
ネクタイは釣果に直結する部分だ。さまざまなカラーをローテーションしながら狙っていく。
「ネクタイ3色だけ選べって言われたらどうしますか」と質問したところ、古谷さんは「ど~~しても3色選べって言われたら、赤とオレンジとグリーンかな」と言う。
さまざまな地域でタイラバをしてきた古谷さんだが、全国的に見てもこの3色の組み合わせで何とかなることが多かったと話す。
重いタイラバに抵抗を持つなかれ
また、タイラバヘッドのウェイトだが、基本的には底が取れる範囲で軽いウェイトの方がアタリが出やすい傾向はあるという。
ただ、これに従ってドツボにハマらないよう注意が必要とも付け加えた。ドテラ流しの場合、潮や風の影響で船がかなり速く流される時がある。こんな時に軽すぎるウェイトを使うと、底取りが難しくなり、探れる回数も少なくなる。
特にビギナーであれば、無理に軽いウェイトを使うよりは、若干重くても確実に底が取れて正確なタッチ&ゴーにつながり、かつ攻める回数が多くなる方を選択した方がよいとのことだ。
TGヘッドの利点
一方で、タングステンヘッドのメリットも大きい。シルエットが小さくなる、フォールスピードが速くなるなど多くのメリットがあるが、古谷さんが最も大きなメリットだと感じているのは「正確なタッチ&ゴーへのつながりやすさ」だと話す。
非常に硬いタングステン素材はボトム感知能力に長け、タッチ&ゴーのしやすさにつながり、釣果にも結びつくと話す。
つまるところ、古谷さんが考えるタイラバは非常にシンプルで、まずはタッチ&ゴーやリトリーブスピードなど、基礎を一番大事にしている。これを確実にこなした上で、さまざまなオプションパーツの存在感が出てくる。そうした「基本」を誰もがやりやすい紅牙アイテムを、古谷さんは開発しているのであった。