今江克隆のルアーニュースクラブR 第947回「オカッパリ巻きシャッドの最新動向」の巻
オカッパリで「シャッドプラグ」が絶対である理由
足元の水深がほぼ1m未満の霞水系では、オカッパリからその中層より上を引くことは非常に難しい。
遠投すればするほど、沖でも1.5mあるかないかの激シャロー、手前に来るほど深く潜るプラグでは、バスがベイトを護岸壁を利用して逃げ場のない水面へ追い込むイメージが演出できない。
「ボトムを掻いた途端、ビッグバスは釣れなくなる」と、霞ヶ浦玄人筋では常識的に語られる話だが、事実、ワカサギやシラウオ、そしてイナッコ(ボラの稚魚)がボトムに張り付くことはまずない。
それだけに1m未満の中層より上、バスが超シャローでもルアーの下、即ちベイトの死角につけられる中層を平行に長くスイミングできるシャッドプラグは、最強の喰い上げベイトになる。
クリアウォーターと違って、超マッディな霞ヶ浦では、バス達は水面を破ってまで出ることには相当抵抗があるようで、トップウォーターやウェイキングベイトではなく、MAX50cm程度をハイピッチで平衡姿勢で通せるルアーこそが、地元オカロコ(オカッパリロコアングラー)の経験から強く要望するルアーだったのである。

関西で「ゲキアサシャッド」を巻くなら写真のようなアシ前や枯れハス畑が最高の活躍場。普通の巻きモノが底を掻きマクるような激浅中層をナチュラルに通すとモンドリング!
時に産卵で弱ったワカサギ、時に表層大好きシラウオ、イナッコ。
霞のビッグバス攻略に水面直下を回遊するこれらの「弱弱しいベイトの波動」を模せるルアーは、マッディーを理解すればするほど、絶対必需品なのである。
シャッドより劇的に飛んで波動もやや強く、クランクよりナチュラルな波動と弱い存在感、そして「潜らないのに良く動く」こと。そのシャッドとクランクの中間的観点から生まれたのが「ゲキアサシャッド」であり、このコンセプトは霞ヶ浦のみならず、全国規模のマッディ~ステインなフィールドでは通用する斬新な巻きシャッドコンセプトである。
それはまるで最近のトレンドである「ビッグベイトを繊細にフィネスリグのように扱う」ことと対照的に、「フィネスなプラグをビッグベイトのように視認しながら水面直下でアベンタ巻きする」と言う、真逆のテクニックが現代のハイテックニックとなっているのかもしれない。
ちなみに自分はボーターとしてゲキアサシャッド同様のコンセプトで作った「ixiシャッドtype-R」は、水深をボーターらしくMAX1mまでに設定し、ここに障害物回避性能を負荷させたものである。
今回のゲキアサゆずカップでもiXiシャッドは優勝こそ逃したものの8位に入賞、そして同日開催されていたWBS第2戦でもイマカツの柴崎プロが「ixiシャッドtype-R」と「ixiシャッドtype-3」だけで9位に入賞していたことを見ても、霞水系ではixiとゲキアサシャッドは今後も良きライバルとして定番化することは間違いないだろう。
難航に難航を極めている「ixiシャッド type-2」を今回、柴崎プロに数個託してきたので感想が楽しみである。

流石は大人気シャッドの「ixiシャッド type-R」。 販売累計数も驚愕の数字…ゆずカップでも8位入賞、同日開催のWBSでも9位入賞。 危うくゆずカップも制圧されかけでしたw