今江克隆のルアーニュースクラブR 第942回「スパインレス・ライトアクションロッド誕生」の巻
スパインレスの代表格「クロスファイア・スティード」が「ML」だった理由…
しかしながら、クロスファイアの中でも最もスパインレス代表格として苦労した「スティード」は今なお玄人プロからは極めて高い人気を博している。
ただ、このスティードにしても、当時の技術では「ML」の硬さを維持しなければ廃棄が50%を超えてしまいかねない難しさがあった。
自分が本当にスティードに求めたのはグラスに匹敵する撓りと粘りを持つ「究極のライトアクション巻きモノロッド」だった。
竿を柔らかくするだけなら簡単だが、撓って曲がって止まるロッドから、「しこり」であるスパインを排除するのは至難の技なのである。
スパインが強く出た柔らかい竿ほど実はイメージしたライン通り真っ直ぐ飛ばないものである。
その差はバックハンドのサークルキャストで、的に向かって全力で投げてみれば、その一投目に火を見るより明らかな軌道差になって現れる。
キャストの最上級者なら2投目からは頭でスパインのいたずらを読んで修正してくる能力がある人もいる。
それでも釣りの本番は、竿を持って1投目で決めなければチャンスは激減するのだ。
野池でのオカッパリロケでスーパースティードがハマった!
先週は久々に春の野池ロケに行ったが、奇しくもオカッパリでスーパースティードを使うとは当初は思ってはいなかった。
しかし、2日間ともNG寸前の大ピンチを救ったのはスーパースティードだった。
1ケ所目は水深70cmもない激浅なレイダウンだらけの、通せるならこのルート1ケ所と言う唯一の道に一発で決められた事で納得できるサイズのバスを手にできた。
2ケ所目は、枯れハス畑池。枯れたハスとハスの茎の間、通せるコースはまさに奥の細道。そこに一発で決められた時、取材完了のバスが水深50cmからモンドリ打って出てきてくれた。
そのレイダウンまみれのシャローから、そして枯れハスだらけのドシャローから、9lbライン、ライトアクションでバスを暴れさせずランディングに持ち込めるのもまた、スパインレスならではの無断回可変サスペンションのような、柔らかいのにプリのメスに無理な負荷を掛けないパワー相殺作用が発揮されているのだと思う。
2019年、スーパースティード、クロスファイア・スティードから7年の歳月を経て劇的進化したスパインレスロッドの真髄を、是非、体感してみてほしい。