全容、明らかに! SMITH・ビンターン80S
2025年3月発売予定のビンターン80S。
スミスの公式サイトにもようやく製品紹介がアップされ、その全貌が明らかになった。
その開発に携わったのがスミスの池島竜一さんだ。

聞けば聞くほどに面白い(&自分の不勉強ぶりを痛感させられる)池島さんの話。そんな池島さんコダワリのビンターン80S。

頭部先端の平面はトゥイッチした瞬間にだけ水を掴む
ビンターンについては、これまで複数回にわたりルアーニュースRでも、その狙いやギミックをご紹介してきたが…。
そうだ!カラーについてはどうなんだろう!?
そんな疑問を再び池島さんに直撃してみたのである。
3月、遂に発売!
編集部(以下、編):ようやく発売になりますね!開発期間が長かったですね。
池島竜一さん(以下、池):開発期間が長かったのも事実ですが、おととしの12月にはスイムテストの合格が出ていたんです。ですので2024年の春に発売するつもりで生産工場にもその旨を伝えてはあったんですが、諸事情で遅れてしまい今年の発売になりました。新しいルアーを発売すると自分のところにも釣果報告が届いたりするんですが、それが今から楽しみなんです。
全8色、カラーの狙い
編:カラーは8色あるのですね。
池:今回は初回発売ということもあって、幅広い状況をカバーできる必要最低限のラインナップにしました。これでひとまずクリアーレイクからマッディーポンドまでカバー出来るようになっています。カラーに関してはまだまだ構想はありますので、再生産するタイミングがあれば新色として加えていきたいと思っています。
編:それぞれのカラーの狙いを教えてください!
01.クリアーワカサギ
池:これはもう完全にクリアーレイク用にラインナップしたカラーです。ホログラムなどの反射要素や派手なカラーといったアピール性の強い要素は一切使わず、水馴染みのいい透過系に仕上げたワカサギカラーです。
実を言うとこの手のカラーは人に対しての受けは良くないんですが(笑)それでもクリアーレイクではこの手のカラーは外せないですから。
02.BMホロワカサギ
池:BMと書いてあるカラーはバイトマーカーカラーなんです。皆さん良く視認性を上げるためにマーカーシールを背中に貼ったりするじゃないですか。それだったら最初から蛍光イエローを部分的に吹いておけば親切だよね、ってことでこうしてあります。サブサーフェスで使うルアーなのでルアーを目で追いながら操作すると楽しいんですよ。ルアーの位置もよくわかるし、バスがヒットしてくる瞬間も見えたりします。
基本的にはプレーンホログラムを貼ったワカサギカラーです。個人的にはジャークベイト系はキラキラ光るカラーが好きなので、多用する色です。
03.BMコイカザコ(鯉科雑魚)
池:BMホロワカサギ同様、これもバイトマーカーカラーです。ベイトフィッシュを模したナチュラルカラーなのですが視認性はバッチリです。
コイカザコってカタカナ表記すると何のこっちゃ?なんですが、鯉科の魚を中心として色々な種類の雑魚を表しているんです。ウグイ、ワタカ、ボラ、ハス、フナ、モツゴといった辺りですね。特に近年、亀山ダムではワタカが物凄く増えてきているんです。低地のフィールドでも鯉科の魚がベイトフィッシュとなっていますのでこの手のカラーを入れようと思いました。
それを表現するにあたってオリーブドラブやブラウンを背中に吹いてみたりもしたのですがどうにもしっくり来ない。鯉科の魚って水面上から見ると「グレー」っぽいんですよ。色々と調色しながらそれを表現できる色を探したのですがなかなか難しくて。そんな中、自分が一番フナに近いと思っているカラーがシャッドラップラパラのSDカラーなんですが、やっぱりこの背中の色だよなって。ビンターンの生産工場は海外なんですが、そこの塗装技術者宛にシャッドラップの現物を送って「何とかこのグレー風味を出せないか?」ってお願いしたんです。少しアレンジしていますが、良い色合いに仕上がったと思っています。
04.PKHパールチャート
池:ビッグベイトなどでもパールチャートって人気があるんですけれど、ビンターンでは頭部にピンクを加えてあります。というのも、チャートリュースってローライト時の視認性はピカイチなんですが、晴天時で水面が照り返すような時に見辛い事があるんです。じゃあそんな時に見やすい色って何?というと濃いピンクなんです。これはね、フライフィッシングのインジケーターで学んだことなんですけど間違いないです。
なのでPKHパールチャートは天候を選ばず見やすいパールチャートカラーなんですよ。
05.LGHマットチャート
池:ライムグリーンを頭部に吹いたマットチャートカラーです。あまり特別なことはないのですが、マッディーウォーターでの強さを考えたらこのカラーは絶対に外せません。
06.クラウン
池:スミスではラトリンログも輸入販売しているんですけど、もう圧倒的にクラウンカラーが売れる。それだけジャークベイトの世界というのはクラウン信者が多いんです。ビンターンでもシルバーベースのクラウンカラーとして変なアレンジを入れずに王道のクラウンで仕上げました。変にアレンジを入れるとね、信者の人達からクレーム出るんですよ(笑)。
07.クロキン
池:これもクラウンと同じ!変なアレンジを入れると怒られる色です(笑)。とにかくベーシックなクロキンオレンジベリー。これだけ長く支持される色って珍しいですよね、昨今ではアユカラーだって廃れてしまったのに。それだけ釣れるってことです。
08.シュリンプ
池:霞水系に通うアングラーにビンターンの動きを見てもらった際に、横方向に飛ぶ動きがバスに追われているエビの動きにそっくりだと言われたんです。自分も何度か霞ヶ浦水系のエビボイルというのは見てきましたが確かにそうだなと。なので1色だけ、シュリンプカラーを入れました。梅雨時のアシ際や護岸際などで使ってみたいカラーです。写真ではわかりにくいですが腹部にうっすらとグリーンパールを吹いてあるのが自分なりのこだわりです。
ビンターンは温故知新!?
池島さん曰く、一部の50代以上の人を除き、ほとんどのバスアングラーはビンターンを目新しいものとして感じてもらえるはずだとの事。バス用のリップレスジャークベイト、ハードルアー攻略の新たな一手として試してみてはいかが?
スミス公式「ビンターン80S」詳細ページはこちら
