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早くも名竿の気配漂ようインクス初の「フラッグシップ」を冠したモデル【放浪漫ヴェスパーダ645L】を語る

連載:加来 匠レオン「ライトゲームマニア」
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新製品総力特集2025

出会いが生んだ奇跡。

2000年台の初頭、ソリッドティップに極小径ガイドという当時としては異色な出立ちで登場し、それまでのライトソルトロッドの流れを完全に変えたロッドがあった。その名は「GRF-TR68ストレンジ」だ。

レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール

加来匠(かく たくみ) 中国&四国エリアをホームグラウンドとし、メバルやアジ、根魚全般の釣りを得意とする生粋のソルトライトリガー。レオンというのはネットでのハンドルネームとして使い始めたが、いつの間にか、ニックネームとして定着。ワインドダートやSWベイトフィネスなどを世に広めた張本人、新たなスタイルを常に模索中! 「大人の遊びを追求するフィッシングギアを提供する」ことを目的としたプライベートプロダクション「インクスレーベル」代表もつとめる。

ハードソリッドティップの幕開け

ストレンジの監修を務めさせて貰った私がこの企画で最も拘ったのは、“極軽量リグの取り回しと感度”だった。

それまで市場にリリースされていた様々なライトゲームロッドはルアーロッドとして成立してはいたものの、いずれも欧米のルアーフィッシングであるトラウトゲームやバスゲームの概念からなる”亜種”に過ぎなかった。つまり港湾部の小魚に対してきちんとマッチしてなかったのだ。具体的に言えば、極軽量リグの取り回しや感度に関することである。魚のバイトに対する”反響感度”だけでは無く、特に居食いや抜け当たりなど”荷重変化”に対するレスポンスの悪さに私は大いに不満を持っていたのだ。

延べ竿とルアーロッドの融合

このプロダクトに取り組んだ私が最初にイメージしたのは「延べ竿とルアーロッドの融合」。

延べ竿であれば水中の様々なニュアンスをきちんと感じ取れるが、ルアーロッドではこのレスポンスがほとんど得られない事を知っていたからだ。ならば延べ竿のソリッドティップをルアーロッドに融合すれば良いじゃないかと連想したわけだが、これが現在ライトゲームジャンルで主流ともなっている”ハードソリッドティップ”の幕開けとなったのだ。

何より大きかったのは、これを形にしたファクトリーであるブリーデン社との出会いだ。ソリッドティップの機能を最大限活かすために同社が採った手法は、当時“餌釣り用ガイド”でしかなかった極小ガイドを幾種類か組み合わせたガイドシステムだった。ほぼコロンブスの卵的な発想だが、同社ならではの知見と発想であり、また冒険心がなければ成し得なかった規格であろうし、今思えば実に金字塔的な企画だったのである。

新たなる出会い

ヴェスパーダは昨年2024年12月にリリースされた。手前味噌ではあるが、20年の時を超え、また私自身が大いに感動させられる素晴らしいライトゲームロッドを産み出すことができてしまった。

インクスレーベル公式「SXS-VP645L 放浪漫 VESPADA Moderate Fast」詳細ページはこちら

私が長年にわたって夢想し続けてきた、和と洋、伝統と先進の完全なる融合を果たせたのだ。
そしてこれもまた出会いあればこそ…なのである。ファクトリーは東京都内にある和竿工房・漁具メーカーとして長い歴史を持つ「櫻井釣り漁具」だ。そして当人が学生時代から私のファンであったと述べるロッドデザイナー「松永 啓」との出会いが大きかった。この両輪があればこそ夢想が現実となったのだ。

江戸前一尺五寸という和竿伝統の小継技術や綿糸巻きなどの意匠。そして松永啓デザインによる革新的な小継の分節構造を活かした美しいベンディングカーブとキャストウエイト毎に移動するトルクバンド設計により、まさに真のメイドインジャパンと言って良い高次元のプロダクトが現実のものとなった。

作り手が語る、INXロッドの過去、現在、未来

ロッドの特性や機能や実力というものは見ただけ触っただけでは到底伝わるものではない。自動車と同じく、様々なロケーションや環境下で使って初めて理解できるものである。

そしてその実力を発揮できるかどうかは実に使い手の技量に掛かっている事もまた事実だが、秘めた特性を知っていればこそ取り組み方も楽しみ方も見えてくるものだ。

レオン加来匠と松永啓が語るロッド考

出典:YouTube「INX tv」

松永の友人によるヴェスパーダインプレッション

【SXS-VP645L 放浪漫 VESPADA Moderate Fast】発売に寄せて

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