アンタレス。
それはさそり座の1等星で、また1998年の登場以来シマノベイトリールのフラッグシップとして君臨し続けるベイトリールの名でもある。
前回のリニューアルから6年の歳月を経て、2025年に登場する新しい「アンタレス」。このリールによって新たな歴史の1ページが刻まれることはどう考えても明白なのである。
アンタレス
品番 | ギア比 | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール 径(mm)/幅(mm) | 糸巻量ナイロン(lb-m) | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング数BB/ローラ― | 夢屋ハンドルノブタイプ | 夢屋ハンドルタイプ | 本体価格(円) |
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100MG RIGHT | 5.6 | 5 | 210 | 37/21 | 12-120, 14-100, 16-85, 20-70 | 65 | 42 | 11/1 | A | BH-1 | 68,500円 |
101MG LEFT | 5.6 | 5 | 210 | 37/21 | 12-120, 14-100, 16-85, 20-70 | 65 | 42 | 11/1 | A | BH-1 | 68,500円 |
100HG RIGHT | 7.4 | 5 | 215 | 37/21 | 12-120, 14-100, 16-85, 20-70 | 86 | 42 | 11/1 | A | BH-1 | 68,500円 |
101HG LEFT | 7.4 | 5 | 215 | 37/21 | 12-120, 14-100, 16-85, 20-70 | 86 | 42 | 11/1 | A | BH-1 | 68,500円 |
100XG RIGHT | 7.8 | 5 | 215 | 37/21 | 12-120, 14-100, 16-85, 20-70 | 91 | 45 | 11/1 | A | BH-1 | 68,500円 |
101XG LEFT | 7.8 | 5 | 215 | 37/21 | 12-120, 14-100, 16-85, 20-70 | 91 | 45 | 11/1 | A | BH-1 | 68,500円 |
さらに遠く、さらに快適に
ひとつひとつの要素がアップデート、飛び・巻き・操作性いずれもが向上したという今回のモデルチェンジ。その詳細をチェック。
今回のリニューアルで大きなポイントとなるのが「マグナムライトスプールIV」が搭載されたこと。
キャスト時のスプール振動を抑えるには、糸をバランスよく巻き取ることが重要。NEWアンタレスに採用された新開発の「マグナムライトスプールⅣ」は、スプール形状の逆テーパー化により糸巻き形状を矯正。1レイヤー目から規則的に糸を巻き取り、2レイヤー目、3レイヤー目と全体にバランスよく巻くことで、回転時のブレを低減。スプールの持つ回転性能を引き出し、優れたキャスティングパフォーマンスを演出。
また、マグナムライトスプールIVはシマノが誇る遠心ブレーキ「SVS∞(インフィニティ)」の特性を最大限活かせる専用設計となっており、キャストの後半までスムーズに弾道が伸びるよう設計値を探求。結果、ラインキャパシティ:ナイロン14lb-100m、径/幅:37/21mmという数字にたどり着いたという。
…スプールだけでなく。キャスト時のライン放出を妨げにくい新形状ラインガイド、ギア比ごとに最適化したウォームシャフトは、マグナムライトスプールⅣとともに糸巻き形状の矯正に寄与。
さらにサイレントチューン、S3Dスプールの効果が相まって、キャスト時のパワーロスを防ぎ、爽快かつ優れたキャストパフォーマンスを実現。
NEWアンタレスでは、“巻き上げ時の回転フィーリング”においてもさらなる上質さを追求。
密に噛み合い滑らかなフィーリングを実現するマイクロモジュールギア、負荷に強く軽快なリーリングを保持するXSHIPのほか、ベイトリールで初となるサイレントドライブの搭載、ドライブギア軸のベアリング3個支持など、数々のシマノテクノロジーにより、パワフルかつ安定した巻き上げ性能と快適な巻きごこちを実現。
続いては操作性。ボディデザインはパーミング性を追求し、そのなだらかなボディラインはパーミングした手にナチュラルにフィット。快適な操作性に貢献。
またクラッチのデザインも一新されており、高さ/角度/接触面積を見直し、スプールアクセス~クラッチ操作を快適に。キャスト時のラインとの干渉防止に必要なクリアランスも持たせてあるという。
インプレッション
NEWアンタレスをひとことで表現するなら、すべてにおいて「気持ちの良いリール」ですね。ひとつひとつの要素がアップデートされており、明らかな進化を感じることができます。すべてが融合した総合力の高さで、最高のポテンシャルを味わえるリールに仕上がっていますね。
アンタレスに搭載されている遠心ブレーキ・SVS∞は、どこまでも伸びていく気持ちよさが特徴ですが、その特性を最大限まで引き出すために、シマノは新たな最適スプール設計値を割り出しました。いわば、飛びの黄金律とでも言うべき値を見つけてしまった。さらには、あらゆる独自の機構を搭載することで、最高の伸びを身に付けることにも成功しているんです。
新型のマグナムライトスプールⅣは、ラインがスプールへ均等に巻かれることで、クリアで突き抜けるような飛びを実現しており、1投しただけでも、キャストフィールが明確に向上していることを実感できるはず。さらに、両軸リールで初採用となったサイレントドライブの効果で、もともと滑らかな巻きごこちが精密感を伴ってさらにスムーズになっています。最高峰ベイトリールの名に相応しい正常進化モデル、それがNEWアンタレスです。
出典:シマノ公式HP
僕にとってアンタレスは『どのリールよりもよく飛ぶ』、そういうイメージがあるんです。NEWアンタレスを実際に使ってみて一番印象的だったのは、やっばり「思いっきり飛ばしたくなる」ということでした。そして、このリールは僕にとって、なくてはならない存在になると思いました。
アメリカのトーナメントを戦っていくなかで、マキモノはカルカッタコンクエスト、ワーム系はメタニウムが中心になっていますが、その中でアンタレスの出番は、ちょっと重めのスピナーベイトだったり、ディープクランクを思いっきり遠投したい場面です。どのリールよりも遠投できるということは、どのリールよりもスピナーベイトを巻く距離を長く取れるし、ディープクランクを深みに潜らせることができるということ。つまり、どのリールよりも釣れるゾーンを広くとれるわけです。
3種類あるギア比の中で、僕が一番使うのは、5.6:1のMGモデルです。トルクがすごくあるので、大型のディープクランクでも難なく巻いてくることができます。
NEWアンタレスはラインの存在を感じさせず、ルアーだけを投げている感覚になるくらい、キャストフィーリングがスムーズです。なぜそういう感覚になるかというと、新採用のマグナムライトスプールⅣが、ラインをきれいに巻いていくるからなんですよね。それによって、ルアーがより遠くに飛んでいくんだと思います。
アンタレスの特徴である滑らかなフォルムは、高級感があるだけでなく、自然にホールドできるのがいいですね。ボディの出っ張りとか、ちょっとした引っかかりなどの違和感は、キャストのブレに繋がります。小さな部分に感じるかもしれないですけど、こういう要素が最終的に大きな釣果につながるんじゃないかと思っています。
出典:シマノ公式HP
まだ、進化する余地があったのか。
そんな声も聞こえてきそうなNEWアンタレス。触れば分かるであろうその快適性を一足先に全国のFショーでチェックしてみては。
シマノ(Shimano)