その考え、大損しています。 釣り初心者~中級者アングラーが陥りやすいワナとは?【トモ清水のガッ釣りソルト】
WEB連載「トモ清水のガッ釣りソルト」
第234回
『その考え、大損しています。
釣り初心者~中級者アングラーが陥りやすいワナとは?』
明けましておめでとうございます!
2025年がスタートしましたね。トモ清水です。ルアーニュースRの読者の皆さま、釣り納めはどうでしたか? もう初釣りはされましたか?
またこの時期は、今年の新製品発表に期待と色々ワクワクする季節でもありますよね。
さて、わたくしトモ清水の釣り納めは例年通り、メバル。そして初釣りはまだですが、この原稿を書いた後に、またメバル狙いで初釣りを済ませてくる予定です。
また気になる新製品は、アブガルシアもの! 今年も独自発想のリールが登場するのか!? どんな製品がリリースされるのか?今から期待しています。
昭和52年生まれ巳年、年男の自分にとって、2025年巳年は節目の年。ポジティブシンキングで、「今年は最高のいい年になるぞ~!」と、いつもながら前向きにとらえて、今年も去年以上に釣り場に出掛けようかな、と今から企んでます。初詣で超久しぶりに、おみくじで大吉を引きましたしね!
実家金沢での初詣では、能登方面を向いてお祈りの気持ちを捧げました。
能登半島地震、奥能登豪雨により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げます。
これまで、47都道府県、すべてで釣りしてきましたが、まだまだ行ったことのないフィールド、知らないポイントだらけ。またひさしぶりに海外遠征も行こうかな、と計画。
海外遠征は5年ぶりで、ラスト釣行は2020年の1月。横浜のフィッシングショーと大阪のフィッシングショーの合間にちょうど日本の真裏、ガイアナ共和国のアマゾン地帯に行ってました。
ニューヨーク経由で行ったのですが、羽田に戻ってきたら、ちょうど日本もコロナウイルス騒ぎでざわざわし始めたところ。その後まもなくニューヨークもブラジルも爆発的に感染者が増え、クローズ。あやうく日本に帰国出来ない状態になるところでしたね(汗)。
今年は今まで以上に人との出会いや自然に感謝する気持ちを持ち、また我々に課せられた使命は、後世に綺麗な釣り場を残し、限りある資源を無駄にしない、という信念を忘れずに、釣りの魅力を一人でも多くの方に伝えていきたいと思います。
ということで、皆さま、本年もよろしくお願いします!
「釣りプロ、トモさんの釣りを見てみたい」
「トモさんと一緒に釣りしたい!」「プロの釣りを間近で見てみたい!」と、大変ありがたいことに、そう仰ってくれる方がいます。
う~ん、私自身は釣りのプロの自覚がないし、自分は釣りはそんなに上手くない、と思っていますので、結構、回答が難しい質問だったりするのですが..。
トモ清水は釣りプロではない!?
まずプロの定義も色々あると思うのですが、トモ清水はロッド開発のプロであって、自分は釣りのプロではない、という認識を持っています。
釣りで飯を食っている、という点では釣りプロなのですが、トーナメンターは昔やっていたくらいで、今はメンターでも釣りのハウツーを教える講師でもありません。
まぁ、そんなことは今回のテーマとしてたいした問題のではないのですが、わたくしトモ清水は、ロッド開発者、設計者という立場として、今まで20年間以上、バスプロや各地の凄腕船長、プロアングラー、時には鮎の友釣り名手や埼玉のへらぶな釣り堀のオーナー、ローカルコアアングラーなど、数々の釣りウマな方達と一緒にフィールドテストを行い、間近に彼らの釣りを見てきました。
それが重要
その経験させていただいていることはホントに恵まれているし、ラッキーだと感じます。これが今回の本題のテーマに繋がります。
そこから「釣りが上手な人」のある共通点が見えてきます。
その共通点を理解し、意識して真似ることで必ず釣果アップ、釣りを楽しむ上で重要な部分が明確に。
さらに釣り初心者や中級者が釣りの進化を止めてしまう、陥りやすい思考、ワナと照らし合わせてみれば、きっと何かのヒントになると思います。
では、まずは「釣りが上手な人」、その共通点を見てみましょう。
釣りが上手い、魚をよく釣る人の特徴とは?
では早速、釣りウマな人の共通点をみていきましょう。
・釣りが大好き
・素直、謙虚
・初心を忘れていない
・トラブルが少ない(根掛かり、ライントラブルなど)
・釣りが丁寧
・無駄がない
・基本に忠実
・トリッキーなことはしない
・ラインメンディングが上手(糸フケコントロール、あまり糸を張り過ぎない)
・常に考える釣りを実戦
・常に「なぜ?」「どうして?」という風に、状況を把握しようと考えている。
・目的意識を持っている
・タックルバランスが完璧
・色々なジャンルの釣りを経験している
典型的な共通点に加え、その傾向がある的な共通点も挙げてみました。
もちろん、これに行きつくためには経験も必要でしょう。
たとえば「無駄がない」という点も、人一倍無駄や試行錯誤を繰り返したからこそ、無駄を省けるのであって、
けっして無駄がいけない、と言っているのではないことも、理解していきたいポイントです。
釣り初心者、中級者が陥りやすいパターン
釣りウマとは逆に、釣りを始めたばかりの初心者、中級者が陥りやすいパターン、考え、釣りの進化を止めてしまう思考とは?ワナとは?
ここで誤解を招かないように説明しますが、けっして釣り初心者や中級者を否定しているわけではありません。
むしろ自分の過去を振り返っても、初心者だったころが釣りに対して最もワクワクした気持ちや好奇心を持っていて、そう思うと逆にこれから釣りを始める人、ちょうど釣りが上手くなってきた中級者の方々を見ていると、ホント羨ましく思います!
ではここで陥りやすいパターンを知ることで、今後ももっと釣りが上手くなって、魚がもっと釣れるようになって、楽しみ続けることが可能になりますので、その傾向と注意点を見ていきましょう。
・釣り場に一番先に入った人が優先、という間違った解釈を持ってしまう
・他の釣りジャンルを楽しんでいる人達を見下してしまう
・これが一番の釣り方、など決めつけてしまう
・大きい魚を釣って、上手くなったと勘違い
・SNS等で、「その場所はどこですか?」と釣れるポイントを聞きがち
・周囲の人達とトラブル起こしがち
・釣れないのを道具のせいにする、言い訳しがち
・魚が居ないところで粘りがち
・釣り天狗、という言葉がある通り、大型魚を釣ったり、大漁な釣果だと勘違いをしがち
・釣果だけ求めて、近道を求め過ぎ
最初の「釣り場に一番先に入った人が優先、という間違った解釈を持ってしまう」ですが、それは大きな間違いです。たしかに人より頑張って先に良いポイントを確保した、というその気持ちは分かります。だからといって後から来た釣り人を排除する権利も、広範囲にキャストしてもいい、という優先が発生するわけでもありません。
釣りが上手い人、経験豊富な方ほど、「ここ良かったら投げてみてください」「ここ釣れますので粘ってみてください」と、場所を譲る余裕の持っています。だって他にも釣れるポイントや、釣果優先でないことを知っているのだから。
全部、説明すると長くなるので、最後に分かり易い例を1つ
4つ目の項目「大きい魚を釣って、上手くなったと勘違い」。
これについて、分かり易い顕著な例をひとつ挙げてみますね。
巨大なマグロ釣り。ある釣り初心者な人は、非常に高価なマグロ用タックルを購入し、ラッキーにも釣行を繰り返して、早い段階で100kgオーバーの超巨大マグロをルアーで釣りました。しかし、その人は、すぐにマグロ用タックルを売り、手放してしまいました。
なぜ?
釣れた時は嬉しくて、もちろん記念撮影に巨大マグロと一緒に撮影し、SNSで釣果をアップ!
すると、そのインパクトある写真で、経験のないほどの「いいね!」
コメントでは「凄い!」「釣り名人!」などの拍手喝采、誉め言葉の嵐。
マグロといえば王様、頂点の魚。釣りをしない一般の方にとっては、その釣果は釣り人以上にインパクトがあるわけで、超巨大マグロを釣ったアングラーはヒーローそのもの。よっ釣り名人!と賞賛されます。
最初に書きましたが、この超巨大マグロを釣った方は釣り初心者。ビギナーズラックという言葉があるように、釣りにおいても多いにありうる出来事。
でもそれが幸いか不幸か、本人にとっては分かりませんが、釣りの頂点に昇りつめた、釣りを極めた、と勘違いし、満足したのか、そのタックルを売り払って、釣りをやめてしまいました。
これは極端な例ですが、大きな魚を運よく釣れた場合は、謙虚さを忘れず、調子に乗らず、勘違いをしないようにするのが、長く楽しく釣りを続けるために必要だったりします。
釣れない、いろいろ試す、失敗する、こういった遠回りも大切なのです。
これは釣り以外にも当てはまることです。
発想の転換だけで釣果アップ!?
ここからは、以前にも連載で書いた内容です。
重複しますので予めご了承ください。見直してもきっと参考になると思いますので、読み直して頂けたら幸いです。
釣りの目的って人それぞれ。価値観もそれぞれ。海釣りの場合は、やはり「釣った魚を美味しく食べたい!」という目的の釣り人が多いのではないでしょうか。また釣れなくとも仕事帰りにちょっと遊べればいいかな、息抜きになればOK、という方もいるでしょう。価値観は人それぞれですが、やはりお魚が釣れたことに越したことはないと思います。
そこでいつもと違う発想に転換するだけで、今後の釣果が劇的にアップしますので、その転換方法、是非参考になれば幸いです。
その日の釣行で出た答えに対し「なぜ?」と問いかけをふやしてみてください。また釣りをしている時に、常に「なぜ?」を意識してみてください。
・なぜ釣れなかったのか?
・なぜ釣れたのか?
・なぜあそこのポイントで釣れたのか?
・なぜあの時間帯に釣れたのか?
・なぜショートバイトしかなかったのか?
・なぜバレてしまったのか?
・なぜ入れ食いになったのか?
・なぜルアーを変えたら釣れるようになったのか?
・なぜこの色は釣れるのか?
・なぜこのルアーは釣れるのか?
・なぜタックルを替えたら釣れたのか?
・なぜあの人は釣れているのか?
こうやって、自分に対し「なぜ?なぜ?」と繰り返すことによって釣りに「考える力」がつきます。
「どうして?」「どういった理由で?」「これなんで?」と自分たちが子供のころ、色々な物事に対し、興味や疑問を誰しもが持っていたと思います。子供は興味深の塊みたいなもので、どんどん成長していきます。ところが大人になると、すでに考える力をなくしているので、釣りで起こる出来事に対して深く追及もしなくなくなり、「なぜ?」という考えることをやめてしまう傾向があります。
はっきり言いますが、
これでは成長はほぼないでしょう。
やはり人間、考える生き物。
常に頭で意識し、考えることで釣りは簡単に上達し、結果釣果アップに繋がります。考察は非常に大切です。
釣れる人の特徴と釣れない人の特徴を挙げるならば、
それは考えるか考えていないか、の違いと言っても過言ではないかもしれませんね。
ボ~っと何となく釣りをするのではなく、考える癖をつけると今後、自然と釣果は伸びていきます。
「あの時はあ~やって釣れたから今度はあれを試してみよう」ってな感じで、次に繋がるわけですね。
また考えることは、実はルアーフィッシングの面白さの一つであって、ゲームプランを練ることで、よりワクワク感やドキドキ感も増し、次の釣行も待ち遠しくなるほど、釣り自体が楽しくなります。
釣りがウマい人は、好奇心が非常に高く、今までアレやコレや色々試してきています。
そのたくさんの失敗や経験をしたことで、無駄がなくなり、何が大切なのか、必要なのか、というのが見えているんですよね。
最後にまとめ
釣りウマの共通点と、逆の釣りの進化を止めてしまう思考と、両方を比較し、これまで以上に意識して釣りをすると、きっとこれまで以上に釣りが楽しくなるハズです。
そして、ここまで読んでくださった、あなた。
もうこの時点で大丈夫です。きっとこれから釣りが上手くなり、もっと魚と出会えるようになります。
このタイトルに興味を持って読んでいただいた。あなたの「釣りが上手くなりたい」「釣りが好きだ」という潜在意識があるのだから。
あと釣りは下手でもいいんです!
釣りは遊び。下手でも釣れなくても、思いっきりその時、その瞬間を楽しんだ人が一番、釣りが上手いのかもしれませんね。
私も常に釣り初心者。それほど釣りという遊びは、やればやるほど奥が深いのです。
トモ清水でした!
See you next time!
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