皆さんこんにちは!
日本一周釣り旅中、YouTube「突撃!ヨネスケの釣り旅ch【日本一周編】」の“ヨネスケ”です。今回初めてのルアーニュースRさんでお届けする内容はズバリ! メタルジグを中心に開発されている「PREDGE」(プレッジ)さんと共同で開発をさせていただいた、ショアジギング専用メタルジグ「クロスダガー」に関する最大の特長や、ジグ開発に至った経緯、開発期間の流れなどをガッツリお届け! 自身にとっても初のルアー開発で、何度も試行錯誤を繰り返し、2年間かけて仕上げた自信作になります。
2024年9月に発売され、全国の釣具店で現在も販売されていると思いますので、ぜひ今回の内容を読んでいただき、少しでも興味を持っていただければ幸いです。
ヨネスケ(Yonesuke) プロフィール
クロスダガー【PREDGE(プレッジ)】
PREDGE(プレッジ)公式「クロスダガー」詳細ページはこちら
クロスダガーに秘めた2つの大きな特長
「クロスダガー」の大きな特長は、フロント重心にすることでジグをビタ止めした際、なるべく水平に近い姿勢でステイできるようになっている点。
一瞬でも水平に近い姿勢で止まることで、意図的に食わせの間を発生させつつ、バイトチャンスを誘発させるイメージで開発しました。ジグを操作していて、バイトタイミングとして多いのは、少し力を抜いた時や動作を変えた時。この間を1回でも多く生み出し、青物に食ってもらおうということが最大のコンセプトです。
2つ目の特長は、フロント重心かつ水抜けのイイ形状。コレによって引き抵抗が大幅に軽減。シャクリ続けた際の疲労感を最大限抑えることに成功しました。脳筋的な発想ですが、これまで様々なアングラーを見てきた中で、結局釣る人はなんだかんだ、投げ続けているんですよね。腕のあるアングラーほど上手いタイミングで休憩している印象がありますが、とはいえ、魚が食うタイミングを人間が100%読むことは不可能。
特に疲労感を覚えやすいショアジギングにおいて、1投でも多く投げられる要素が釣果に直結するのではないか? という理由で引き抵抗を抑えました。ただ逆にいうと、真正面からの強烈な当て潮下では、潮を噛まないため使い辛いです。
こういう時は他のジグを使った方が良いと思います。このジグが最大限活きるのは、左右に緩く流れが効いている、または払い潮にジグを流すような状況ですね。
クロスダガーの開発理由
「クロスダガー」を開発した経緯はただ一つ“俺にとって理想かつ最強のジグを作りたかったから”。ショアジギング自体はYouTuberとして活動する以前、地元である関西で釣りをしていた時から10年以上続けてきました。当時は車を所持していなかったので、毎週末に終電で釣り場へ行き、寝袋を広げながら場所取りをする。
そんな生活を何年も続けていました。
大した腕はありませんでしたが、毎週ジグを放り投げるために電車で片道1時間以上かけて釣り場へ行っていました。何故ショアジギングにハマっていたのか? モチロン青物への憧れもありましたが、一番はジグを思いっきりブッ飛ばして、自分で全部操作して“ガツン!”という一連の流れにハマッていたから。
ここまで面白い釣りは無かったし、YouTubeをやっているなら、ショアジギングの面白さや世界観を広めたいし、自分のジグも作って世の中に出してみたい。
ただ、人様に買っていただけるジグを作るんだったら、本気で作って少しでも魚が釣れる、自分でも最高に良いと思えるモノを作りたい! という気持ちで作りました。
【開発期間2年】試行錯誤の繰り返し「開発中の流れ」
続いて、開発期間中の過程や試行錯誤についてお伝えしていきます。いやぁ、振り返ってみると本当に色々ありました(笑)。ルアーを作るにあたり、一番の壁に感じたのが“他と比べて1尾でも多く魚が釣れるルアーを作れるか”です。やっぱり、せっかく世の中に出すなら、1尾でも多く釣れるルアーを作りたい。
値段がメッチャ安いとか、ジグにリップをつけられるとか、明確に他社と比べて差別化ができていない限り、釣果で差を生み出すしかありません。この問題について、メチャクチャ悩みました。そもそも1尾でも多く魚が釣れるジグって何なのか? 全て状況次第なのでは? で、何度も現場に通い、悩みに悩んで出した結論。
「いや、無理じゃね?」
絶対に無理、というと語弊があります。
自分自身も様々なメーカー・モデルのジグを使う中で、明らかに釣れるジグ、釣れないジグで差が出ていました。ただコレは周囲の環境や魚の個体次第であろうし、自然相手が故にどこまでいっても“釣れるルアー”という厳密な再現性の検証が難しい。
「このルアー、メッチャ釣れるんです!」とメーカーサイドが言うていても、再現性が検証できないので、俺たちの意見の域を出ることはない。じゃあ、まずは道具として使ってもらいやすいようにしよう! となったのが最初の第一ステップ。
“道具として使ってもらいやすいルアー”というのは、誰でも使っていて気持ちイイかどうかの性能を高めていくということ。ショアジグなら、引き抵抗の軽減、遠投性能の増加…などが挙げられます。抵抗を少しでも軽減させた理由はここから来ています。ジグをフロント重心にしたのは、引き抵抗の軽減と、今までの経験から後方重心より、前方に重心があった方が明確に釣れるという実感があったから。
ショアジグの多くは飛距離を確保するため、中央〜後方重心のジグが多いです。一方、オフショアジグはフロント重心が一般的。それなら「フロント重心のショアジグを出せばええやん?」と思い、サンプルを作ってもらったのですが、大きな問題が…。
「メッチャ投げた時に回転する…そして、やっぱり飛ばない!」
オフショアジグを陸から投げても微妙なことが多いのはコレが理由。因みにショア用でも回転しまくって飛ばないジグもありました(笑)。実は「クロスダガー」はもう少し扁平な形状になる予定でしたが、飛行姿勢が悪すぎて急遽改良することになりました。
本来想定していた形状から大きく変えてもらい、いくつかサンプルを試した中で、水中の動きが変わらず、飛行姿勢の良いものをピックアップしました。全く回転しない訳ではないし、後方重心のジグに比べると飛距離は控えめです。ただ、フロント重心の中ではカナリの飛距離を実現できました。
飛行姿勢、フォール姿勢、アクション、引き抵抗。少なくとも自分の中では、完璧なジグが完成しました。どう考えても釣れるけど、モチロン実際の釣果は魚に聞いてみないと分からないよね!ということで、実釣を重ねました。結果、やはりこのジグは釣れる! ということが実証できましたが、一つ大きすぎる問題が発生します。
魚を釣って磯に上げて暴れると、ジグが真横に信じられないぐらい曲がる時がある。理想的なアクションを追求しすぎたゆえに、耐久性のことを全く考えていませんでした。他社のジグでも磯にぶつけたり魚を釣って曲がることは良くありますが、それにしたって曲がりすぎだろう。急遽「PREDGE」(プレッジ)の方と掛け合い、このままでは到底出せないので、一旦発売を延期してもらうことに。本当は形状ごと変えた方が良かったのかもしれませんが、耐久性以外は完璧なので、今更大幅な変更を加えたくない。チョットここは企業秘密なトコロもありますが、様々な方法を講じて、ジグの耐久性をアップさせることに成功しました!
これも何パターンかサンプルを試し、3回ほど失敗してしまいましたが、4回目にしてようやくある程度納得できる強度に。どうしても後端の細い部分が弱いため、魚を釣った際に曲がる場合があります。その際は手で戻していただければOKです。
と、いうことで数々の困難にブチ当たりながら、自分の理想をブレることなく押し通し、半ば無理やりですが形にすることができました。正直、ルアー開発を舐めていました…。でも、それだけ何度も何度も試行錯誤した分、少しでもイイものができたと思います。少しでも興味を持ってくださったら、一度店頭で見ていただけると嬉しいです。
ぜひ!お近くの釣具店でチェックしてみてください!
という訳で、今回は 「クロスダガー」の特長と開発過程を紹介しました。少しずつ様々な店舗様に置いていただいているので、ぜひお近くの釣具店様でチェックしてみてください! 発売されて間もないので、必ずしも置いていただいているとは限りません。
もし近隣の店舗様にない場合は、ぜひ店員さんに「欲しい!」と声をかけてみてください(笑)。今後も日本一周釣り旅を通して、様々な場所で「クロスダガー」を使った動画をアップしていきますので、気になった方はチェックしてみてください!