事実は小説よりも奇なり。
聞くよりも見るよりも、実際に触ってみて曲げてみて確かめることが、もっとも「何がどう違うのか、変わったのか」を感じることができ、そしてそれがフィッシングショーや展示会といったリアルの醍醐味でもある。
醍醐味といえば、アピアのフラッグシップにして大看板「Foojin’Z」、その6代目となる“6th Generation”。
このロッドもまた、筆を進めるほどに「実際に触ることで、その本当のスゴさがわかる」という記者泣かせなロッド。だからこそ、全国のFショーで、アピアギャラリーで、並んででも触ってみる価値のあるロッドだと思うのです。
Foojin’Z 6th Generation
全国の猛者に定評のある5代目Foojin’Z。さらにそれを凌ぐスペックに仕上がった…と、その話題をほしいままにしているFoojin’Z 6th Generation。
今なお、シーバスシーンにおいて人気を博す5代目Foojin’Zは、ロッドの革命とも称されるTORAYCA®第3世代カーボンのM40X、T1100Gを惜しげもなく採用したことで異次元の使用感となり、持つ者に「これ以上、仕上げようがない」と言わしめたロッド。
では「Foojin’Z 6th Generation」において、何が一番大きく変わったのかと言えば、もちろんブランクス。
…そのカーボン含有率は驚きの100%。そしてそのカーボンがただのカーボンではなく、TORAYCA®第3世代カーボンのM40X、T1100Gに加え、新たに高弾性率を維持しつつ強度を20%上げたという新素材「M46X」を投入。
つまり、6代目となるFoojin’Zはブランクスが全てTORAYCA第3世代カーボンのみの構成となっている…と。
その100%という数字が実現できたのは「X-FORCE100」というアピアオリジナルの“プリプレグ製法”を用いたことによるもの。実際に何がどう変わるのかというと。
・45°にクロスしたカーボン繊維を1枚のプリプレグで成型し捩れ強度アップ
・100%ピュアカーボンロッドにより振動伝達の向上に伴い、ティップブレの抑制と感度アップ
・製造段階の均一化により、製品ムラの排除に成功
はい。正直に申し上げてここまでのスペックのロッドを記者は他に知らず。だからこそ、実際にその手で確認してみてほしいと切に思う訳です。
もう一つ。ジョイント部分も特筆すべき点。
ジョイントには継部の突っ張りを解消するアピアが独自に開発したジョイントシステム「NANO JOINT」を踏襲。ジョイント部にNANO ALLOY技術を採用することで、限りなく1ピースに近いベンディングカーブに。また、全てのモデルでPut-in方式を採用し、「強度」「軽量化」「高バランス」に加え、「ベンディングカーブ」に至るまで印籠継を超えるパフォーマンスを実現。
また実釣時にジョイントが緩みにくいよう、1000分の2~5mmの超高精度研磨で仕上げられているとのこと。
…超高精度ゆえに“抜けにくい”という諸刃の剣の一面も。そのため、今回のシリーズから「ジョイントアシストシート」が新たに付属。この滑り止めシートをブランクスに巻き付けて使用すれば、ガイドなどを破損することなく抜きやすいと。
他にもブランクフィニッシュなど…もはやロッドに関する“ほとんど”の項目がアップデートされており、まさにフラッグシップの名にふさわしい1本に。
スペックとラインナップ
MODEL | ITEM | 全長 m (ft.) |
継数 (本) |
仕舞寸法 (cm) |
自重 (g) |
先径/元径 (mm) |
適合ルアー (g) |
適合ライン (PE) |
リールシート位置 (mm)※1 |
カーボン含有率 (%) |
本体価格(税別) (円) |
Foojin’Z 6th Generation |
SUPER SEVEN S77MH | (7’7″) | 2/並継 | 119.2 | 112 | 1.75/12.3 | 8-42 | #0.8-2 | 310 | 100 | ¥88,000 |
EVE-RUN S86ML | (8’6″) | 2/並継 | 133.2 | 128 | 1.6/12.1 | 3-28 | #0.6-1.5 | 335 | 100 | ¥89,000 | |
TIMELESS S88M | (8’8″) | 2/並継 | 135.7 | 132 | 1.6/12.5 | 6-40 | #0.8-2 | 360 | 100 | ¥94,000 | |
FLOW HUNT S91ML | (9’1″) | 2/並継 | 142.7 | 130 | 1.9/12.7 | 5-35 | #0.6-1.5 | 350 | 100 | ¥94,000 | |
VANCOOR S92H | (9’2″) | 2/並継 | 144.2 | 171 | 2.0/13.6 | 10-63 | #1.2-3 | 420 | 100 | ¥100,000 | |
BEAST BRAWL S93MH | (9’3″) | 2/並継 | 145.2 | 146 | 2.0/14.0 | 10-56 | #1-2.5 | 400 | 100 | ¥100,000 | |
ANGEL SHOOTER S96M | (9’6″) | 2/並継 | 149.2 | 148 | 1.9/13.8 | 8-42 | #0.8-2 | 370 | 100 | ¥96,000 | |
HIGH ROLLER S103ML | (10’3″) | 2/並継 | 160.7 | 153 | 1.55/13.9 | 7-42 | #0.8-2 | 400 | 100 | ¥100,000 | |
CRAZY CARRY S108MH | (10’8″) | 3/並継 | 113.2 | 183 | 2.0/15.5 | 12-56 | #1-2.5 | 430 | 100 | ¥105,000 |
続いては、気になるラインナップについて。
濱本国彦氏監修。あのナチュラルセブンがさらに進化した「SUPER SEVEN S77MH」。レングスは77を踏襲、果敢に小場所を攻められるスペシャルロッド。
村岡昌憲氏監修の湾奥特化型の1本、6.10ftだったイブランが「EVE-RUN S86ML」となって復活。86レングスながら取り回しの良い一本に。
シリーズ初のペットネームを冠した「TIMELESS S88M」。TESTAMATTAをベースにもう少しナチュラルに、かつ使いやすさに振った調子で、そのバーサタイル性が特長的。
RED中村氏監修。時代を切り拓いた名機FLOW HUNTがAD以来の復刻を遂げ「FLOW HUNT S91ML」として登場。強靭ながらしなやかさもあり、強烈な引きをロッドが吸収するランカーロッド。
圧倒的パワーの「ヴァンクール」も、92レングスのままAD以来の復刻。「VANCOOR S92H」ではあるが、イメージとしては以前の“Z”で展開していた「LAST RESORT」よりの印象でやや粘りのある調子に。ウエイトのあるルアーはもちろんのこと、軽めのルアーも守備範囲になったという。
初代“Z”から根強い支持を誇る名竿“BEAST BRAWL”も最新の素材、技術を伴い進化。さらに「みんなが使いやすいパワー系ロッド」としてブラッシュアップされている…とか。
ADシリーズからリバイバルされた究極のバーサタイルモデル「ANGEL SHOOTER S96M」。96レングスとは思えない振り抜けの軽さ、そしてMクラスとは思えないシャープさが身上。
監修した村岡昌憲氏をして、ハイローラーで獲れないシーバスはいないと言わしめる名作も「HIGH ROLLER S103ML」としてリニューアル。
RED中村氏監修、バツグンのキャスタビリティを誇るロングロッド「CRAZY CARRY S108MH」。ただキャスタビリティが良いだけではもちろんなく、100m先のメーターオーバーをグイグイ寄せてこれるパワーも特長。またこちらはロングロッドゆえに3ピース仕様でパーツ毎に負荷を分散、伝達能力が高められているとのこと。
…ちなみに
とんでもないロッドであることがわかったところで。
実は開催が迫るフィッシングショー限定で、“4本継のFoojin’Z 6th Generation”が発売されるとのこと。
MODEL | ITEM | 全長 m (ft.) | 継数 (本) | 仕舞寸法 (cm) | 自重 (g) | 先径/元径 (mm) | 適合ルアー (g) | 適合ライン (PE) | リールシート位置 (mm)※1 | カーボン含有率 (%) | 本体価格(税別) (円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Foojin’Z 6th Generation |
EVE-RUN EXⅣ S86ML※FS限定 | 2.59 (8’6″) | 4/並継 | 78 | 135 | 1.6/13.4 | 3-28 | #0.6-1.5 | 335 | 100 | ¥89,000 |
HIGH ROLLER EXⅣ S103ML※FS限定 | 3.12(10’3″) | 4/並継 | 94.5 | 159 | 1.6/13.9 | 7-42 | #0.8-2 | 400 | 100 | ¥99,000 |
…争奪戦必至か。
いずれにせよ、どのラインナップも実際に会場で触って曲げて、現時点でのアピアの最高到達点をその手に感じてみてください。
アピア (APIA)