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「Versatile Twin」が各地でにわかに火を吹き始めた

連載:加来 匠レオン「ライトゲームマニア」
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FXB-ES52UL+ エル・セーラ

FXB-GP711ML+ ガリンペイロ

僕が手掛けたロッドの中でもこの2本は少し異色な性質を持つ。ストレートに言えば「どんなタイプか分かりにくい」「ターゲットがイメージできない」というところだが、それにも関わらず2020年発売開始以来、生産を三度重ねる程度の人気を博したことに正直自身驚いたものだ。おそらく一般的にはウケないだろうと覚悟してリリースしただけに、作り手としての喜びは大きかった。

そして多くのアングラーの手に渡ってから丸四年。特に2024年は僕が本来意図した「使われ方」がにわかに目立ったてきた。

たとえば52エル・セーラが北海道の渓流や沖縄のリーフで使われ、711ガリンペイロはショアやオフショアのロックゲームだけでは無く、野池や用水路でバスやナマズゲームなど、実に多彩なフィールド環境かつさまざまな魚種に用いれられ出した。もちろん作り手の僕自身はテスト時からこれらの釣りをはっきりとイメージしていただけに、その嬉しさは計り知れない。まさしく涙ちょちょぎれるほどの感動を頂いている。

…とまあ、これが偽らざる現在の僕の心境なのですが、このボーダーレスな二本が実際どんなロケーションやどんな魚種で使用され、その利便性や戦闘力は実際どんなものなのかを、今回二人のサポートアングラーに解説して貰いましたのでご参考いただければ幸いです^^

レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール

加来匠(かく たくみ) 中国&四国エリアをホームグラウンドとし、メバルやアジ、根魚全般の釣りを得意とする生粋のソルトライトリガー。レオンというのはネットでのハンドルネームとして使い始めたが、いつの間にか、ニックネームとして定着。ワインドダートやSWベイトフィネスなどを世に広めた張本人、新たなスタイルを常に模索中! 「大人の遊びを追求するフィッシングギアを提供する」ことを目的としたプライベートプロダクション「インクスレーベル」代表もつとめる。

711ガリンペイロ 横山 創万

まず、ガリンペイロ711のナマズゲーム適正に相当驚かされました。

ナマズゲームといえば5フィート台のショートロッドとイメージしていましたが、実際に釣り場に立つとショートロッドでは不向きなポイントが沢山ある事に気づきました。比較的居場所が分かりやすくてルアーに良く反応してくれるナマズなのですが、いかに居そうなポイント(流れ込み、水門、シェード周り)には当然コイやカメなど他の生き物も集まって来ます。そして彼らは必ずと言っていいほどナマズよりも先にこちらの気配に気づいて逃げ出し、それに驚いたナマズも逃げ出します。

そうなるとそのポイントにはしばらく戻ってきません。それを避けるには気配を察知されない場所、具体的には(ブッシュ越しや、足場の高い所)まで離れる必要があると現場で痛感しました。そんな立ち位置から狙ったポイントにキャストを決め、通したいゾーンを足元ギリギリまで巻き切って、最後は強引にでも抜きあげるのに圧倒的有利なのが、7フィート11インチのレングス。実際やってみるまでこのポテンシャルには気づきませんでした…。

狙ったポイントにキャストを決める

まず「狙ったポイントにキャストを決める」。これはショートロッドでもできそうですが、ガリンペイロ711はそのロッドパワーからは想像がつかない程小さな力でもキャスト時にしっかり曲るロッドなので、障害物を避けながら小さいモーションでもしっかり狙ったポイントにキャストを決める事ができます。これはソルトのルアーゲームと違い周囲に障害物の多いナマズゲームではかなり重要なポイントです。そして、ここで言うキャストはただ投げるだけじゃなく、時には投げれないような場所でもブッシュやカバーの中に竿を突っ込んで水面にルアーを届けたりする事も含めたキャストです。ショートロッドでは水面まで届けられない様な一級ポイントでもレングスを活かして竿抜けポイントを狙えるのは釣果に直結します。

足元ギリギリまで巻ききる

次に「足元ギリギリまで巻ききる」。通したいゾーンを回収ギリギリの最後まで巻ききるのはナマズに限らずルアーフィッシングにおいて重要なポイントですが、それを取り回しの良さを残しつつ、ブッシュ越しや、水際から離れた位置からでも竿先だけを水辺まで出し気配を察知されずにできるのは’711’の全長とグリップ長の絶妙な塩梅のお陰だと思います。

掛けた魚を強引にでも釣り上げるパワー

そして「掛けた魚を強引にでも釣り上げるパワー」。カバーの中で掛けても引き剥がせるパワーに加えて、ブッシュ越しや足場の高いポイントでも抜きあげれるレングスも持ち合わせている…。(最大73センチのモンスターナマズ含む掛けたナマズは全部抜きあげてキャッチしています)もちろんレングスを活かした遠投力も武器になるので、小さな水路や小規模河川だけじゃなく大規模河川から大きな野池まで、狙えるポイントを大幅に増やす事にも繋がりました。

性能面で色々書きましたが、狙ったピンスポットに簡単にキャストが決まる楽しみや、ナマズを掛けた時の釣り味と安心感の両立など楽しむ面においてもかなり向いてる1本だと思います。

初場所でデイビッグゲーム炸裂!!

ナイトゲームでボコボコ!!

52エル・セーラ 湖城 廣希

「elSERA52UL+」は、繊細でテクニカル、だけど強い。

私がエルセーラを使ってみて、まず思った事である。5フィート2インチからくる軽快な取り回しと、ルアーを操作しやすいティップ、そして不意の大物にも対応できるパワー。UL+と言う表記の意味合いはこういう事かと感じました。

エルセーラが外せない場面としてはこちら。

①ミキユー(オオクチユゴイ)釣りや小規模汽水域等

以前まで渓流での釣りはスピニングを使用する事が多かったが、エルセーラを使ってみて思ったのは、取り回しの良さとキャストのしやすさである。

フリップキャストやバックハンド等をせざるを得ない事が少なからずあるこの釣りでは「取り回しの良さ」が強みになる。更に、インクスULベイトの中でもティップの張りがあり、弾く様なキャストができ驚く様な飛距離も出す事ができる。障害物や流れ込みにつく事がある魚に対して、充分な距離からテクニカルキャストを決める事ができるのだ。小規模汽水域でのサイトフィッシングでも、エルセーラの強さが発揮される。対岸のシェードに着いているチヌに対して、正確にキャストし繊細にアプローチする事が必要になる。また、かけた後の強烈な引きを受けれるパワーがある事でキャッチまで成立する釣りができていると感じている。

②防波堤足元でのミーバイ(ハタ)釣りや、岸際での釣り

防波堤での足元捨て石に潜むハタ類を釣る際に必要なのは、繊細さとパワー。そのどちらも補えるのがこの竿である。

張りのあるティップでルアーの操作がし易く、根に走る強烈な突っ込みをバッドで受ける事が出来るのだ。長竿の場合しなりが大きく足元で掛けると根に潜られるケースも良くある。その分ショートロッドでかけてすぐ引き剥がす事が出来る。魚が岸際で捕食する場面(カニ食いやベイトを追い込んで等)はよく見られる事だが、ルアーのトレースコースをコントロールしたり、手前でシェイキングで誘ったりと繊細な操作が必要になってくる。ロッドの短さのお陰で比較的簡単に疲れず操作できるのが魅力だ。

パワーについてはチヌの40cmUPが掛かっても、もちろん余裕で取り込む事ができる。また50cmクラスのオニヒラアジや40cmのイシガキダイやミナミクロダイ等をキャッチできる程でエルセーラの強さに驚かされる。

ルアーに関しては、トップウォータープラグや小型プラグ、アミコン、ワーム等を使用する事が多い。ショートロッドなのでトップウォータープラグとの相性は言わずもがな。軽快にトゥイッチを行う事が出来、キビキビしたアクションを得意とする。小型プラグを巻く場合でも、丁寧にボトムにコンタクトさせワーミングクランク的な使い方で繊細に誘う事が可能。張りがあるのに巻物に対して弾かず吸収する。足元捨て石ゲームなどの足元での操作性はピカイチである。アミコンやワームを張りのあるティップでワインドさせたりボトムでテクニカルに誘ったりと手の延長の様な感覚で使う事ができる。

小さなルアーで大きな魚を掛けても安心して取り込める程のパワー。それでいて繊細なアクションにテクニカルなキャストやアクションが出来る。今となっては唯一無二の外せないタックルとなっている。

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