出るぞ、出るぞ…とは聞いていましたが。
ついに公式で公開されましたね、フィッシュマンのジギング専用ロッド「Seadz Varuna/シーズ ヴァルナ」。
Fishmanがジギングロッド?そう、Fishmanがジギングロッド。意外な組み合わせな気もしますが、長らくフィッシュマンを担当してきた記者はそうでもなかったりする。
Seadz Varuna/シーズ ヴァルナ
今回、登場するのは“日本近海を網羅する”と銘打たれた「J-631」「J-632」「J-633」で、強度別にラインナップされた3本の“3ピースジギング専用ロッド”。
なぜ記者が意外だとは思わなかったのか。それはFishmanが「曲げのスペシャリスト」で、失礼を承知で言えば「ジギングロッドとかやれば面白そうなのになぁ」と、かねてより思っていたから。
そもそもベイトロッド専門メーカーであるFishmanが掲げるコンセプトは①ゼロバックラッシュ ②飛距離 ③高精度ピンスポット撃ち。スピニングに比べ、バックラッシュなど比較的トラブルが多いベイトタックルは、いわば制約が多いタックルである…にも関わらず、それらのコンセプトを一貫して掲げ続けることができる。不可能を可能にする技術がある=だからこそフィッシュマンロッドは人気がある訳です。
そのコンセプトを実現する中で大きなウエイトを占めるのが「曲げ」の技術。どのセクションから曲げるのか、どう曲げれば強い反発力が生まれるのか、また曲がりが収束する時間は…などなど。実に緻密に計算されているからこそ、①ゼロバックラッシュ②飛距離③高精度ピンスポット撃ちが可能となる。
その変態的な曲げの技術をジギングロッドに持ってくれば…そりゃおもしろいロッドができるでしょうと。実際、これまでジギングロッドではあまり見られなかった3ピースロッドで、かつたった3本のラインナップで日本近海を網羅するという無茶なコンセプトがそのまま“おもしろさ”を物語っているような気も。
…では、具体的にどんなロッドになっているのかそれぞれをチェック。
Seadz Varuna J-631
一般的なジギングロッドで言えば2~3番クラスのパワーレベルで、対応ジグウェイトは80g~200gの設定。サクラマス、太刀魚、ハタ類から10kgくらいまでの中小型青物といったライトジギング~やや上までのクラスがターゲットという1本。
アクションはハイピッチからスローピッチジャークまで自由自在、軽量ジグや抵抗の少ないジグを使用すれば、キレの良い、アピール力の高いアクションも可能で、重めのジグを使えばスレたターゲットにスイッチを入れるナチュラルなアクションも演出可能。
また、バットからベリー部をあえて若干太めに設計されており、これによりファイト時の衝撃を吸収し、バラシやラインブレイクのミスを抑制、ジグの操作時にはブレを抑え、安定した操作性を実現するという。この細すぎない設計は、破断強度の向上にも貢献。
製品名 | 全長 | マテリアル | ガイド | 自重 | 継数 | 仕舞寸法 | グリップ長 | ルアーウエイト | ライン | 販売価格(税別) |
Seadz Varuna J-631 | 192cm(6.3ft) | 4軸カーボン | Kガイドチタン+ステン | 130g | 3ピース | 67.5cm | 54.5cm | 80~200g | PE0.8~2.5号 | 58,000円 |
Seadz Varuna J-632
J632は3.5~5番クラスのパワーレベルで、カンパチ、ヒラマサ、ブリ、キハダ・トンボマグロを始め、ハタなどの根魚が想定のターゲット。快適に扱えるジグウエイトは150g~300gに設定されており、1本で日本近海エリアに幅広く対応する“ど真ん中”のモデル。
表層に配置されている高弾性カーボンの復元力によって、まるで鞭を打つようなハイピッチジャークにもレスポンス良くジグが反応。また、抵抗の大きいジグを使用すればバット~ベリー内部に配置された低弾性カーボンが発動、深く曲がることでスローピッチジャークにも対応可能とのこと。中深海ではティップでスルーするようなスローピッチジャークも得意という。
使用するジグごとに変わるアクションを思い通りに操れることで、ターゲットと状況に合わせることが出来る適応力の高いロッドに仕上げられた1本。
製品名 | 全長 | マテリアル | ガイド | 自重 | 継数 | 仕舞寸法 | グリップ長 | ルアーウエイト | ライン | 販売価格(税別) |
Seadz Varuna J-632 | 192cm(6.3ft) | 4軸カーボン99% | Kガイドチタン+ステン | 133g | 3ピース | 67.5cm | 54.5cm | 150~300g | PE1.5~4号 | 59,000円 |
Seadz Varuna J-633
シリーズ随一のパワーモデルJ-633は、20kgを超えるカンパチ、マグロ、ハタ類などの大型魚を仕留めることに特化しつつ、中深海で細いラインを用いたキンメ狙いにも対応。
J-632のバランス感を残しつつ、パワーが数段引き上げられたことで400g超のジグが扱え、より潮が複雑に走るエリアやディープエリアに潜む大型魚の攻略が可能に。
もちろん硬くて強いだけのロッドではなく、ヘビージグをハイピッチでアクションさせられるパワーを持ちながら、キャスティングで長年培ってきたFishmanの“曲がり”の技術を継承。ジャーク時にルアーが飛びすぎることを抑制し、魚へのプレッシャーの掛け具合を細かく操作できるという。また、バットから曲がることで、ジャークやファイト時にアングラーへの負担を軽減し、心に余裕も。これにより主導権を渡さず、冷静に大型魚をコントロール&キャッチすることができるとのこと。
製品名 | 全長 | マテリアル | ガイド | 自重 | 継数 | 仕舞寸法 | グリップ長 | ルアーウエイト | ライン | 販売価格(税別) |
Seadz Varuna J-633 | 192cm(6.3ft) | 4軸カーボン99% | Kガイドチタン+ステン | 138g | 3ピース | 67.5cm | 54.5cm | 250~400g | PE1.5~5号 | 60,000円 |
なかなかどうして、“らしさ”全開のジギングロッド。
これを楽しみと言わなくて、何を楽しみと言うのか。2025年に開催される各地のフィッシングショーにて展示される予定とのことなので、ぜひチェックを!!