今江克隆のルアーニュースクラブR「緊迫感、高揚感、意地、プライド、時代を超えた闘争心、そして年齢を超えた大人げなさ〜バサーオールスタークラシック参戦記〜」の巻 第1217回
恐れていたこと
だが、公式練習終了2日前、最後の確認に小野川最上流に向かった時、最も恐れていたことが起こった。
朝一、真っ先に目指した最上流部で1艇のバスボートがすでに釣り下がってきたのだ。
それは沢村(幸宏)プロだった。
この時、長年の直感から「永遠の大人げなさライバル」・沢村プロとの最上流バトルになる確信を持った(実際にそうなった)。
そして、練習再三上流部で見かけた金森プロ、梶原プロも確認に上がって来ていた。
たまたま練習中に流れてきた金森プロのインスタでは「3回に2回1,500gオーバーが釣れている」と記されており、その確率で1500gが出るのは、今は小野川しかないと想定できたことから、金森プロとのバッティングも容易に想定できた。
練習終了2日前に確認に来るエリアが本命であることは、2週間以上の長期連続練習すら当たり前のオールスターでの明確な選手動向なのだ。
結果的に自分も、金森プロも、初めての小野川で練習中バスを釣り過ぎたことが、共にダブルカブトムシ(00)を喰らった最大の要因だったのだろう。
だが、初めての場所ではまず実際に釣って詰めていかなければ分からないことの方が多いのも明確な事実で、今年の悔しさはともに今後に大きなオールスターの経験値にはなると思う。
そして、その悔しさからハマっていくのがバスフィッシングの最終形態「トーナメント沼」なのだ。
蓋を開けてみれば
結果的に、蓋を開けてみれば、バサクラ復帰3年(KOKを除く)連続で利根川が優勝のエリアとなった。
かつてエリート5では準優勝経験こそあるが、自分にとって最も経験値の少ない利根川。
霞ヶ浦に比べれば圧倒的に好きなタイプのフィールドであり、JB/NBC戦もなくTBCも開催がなくなった利根川水系は、オールスターを制するには、来季絶対に避けては通れない水域になった。
TOP50とはまた違った選手たちの一種異様な緊迫感と高揚感、意地とプライドを感じさせるバサーオールスタークラシック。
そこは自分にとって、時代を超えた闘争心、そして年齢を超えた大人げなさを、来季に向けて今一度強く思い起こさせてくれる、年に一度の戦闘喚起装置なのだ。