ルアーニュースRをご覧の皆さん、こんにちは。スミスの礒野です。
前回の投稿から、かなり間が空いてしまいましたね(汗)。そうなんです。まぁまぁなマイペース投稿なので、気長にお待ちいただけますとうれしいです。
とはいえ、その間にかなりエリアトラウトの開発品で進展がありました。
いよいよ発売となり好評を頂いている「ダンゴウオ」。そして、新たなトップウォーターとして最終段階に入った「カディス」。
今回は特にカディスについて、改めて何を求めてカディスが生まれたのか、そんなところをご紹介していきます。
150種以上の自作サンプルから生まれたダンゴウオは、好評発売中
まずはダンゴウオについて。
やっと量産化となったマイクロクランク「ダンゴウオ」。
今回はLow(ゆっくり沈みやすい)モデルからの発売となりましたが、早速たくさんの方から釣果報告をいただいています。
来年にはHigh(ゆっくり浮きやすい)モデルも追加で登場しますのでお楽しみに。詳細は過去の記事をチェックしてみてくださいね!
ダンゴウオSR-Low
LENGTH | WEIGHT | TYPE | HOOK | RING | PRICE |
23mm | 1.1g | ゆっくりと沈みやすい | オーナーばり カルティバ SBL-14♯9 | フロント・リア共:♯SPマイクロリングBK ♯00 ×1 | ¥1,400+税 |
ダンゴウオSR-High
LENGTH | WEIGHT | TYPE | HOOK | RING | PRICE |
23mm | 1.0g | ゆっくりと浮きやすい | オーナーばり カルティバ SBL-14♯9 | フロント:#1 リア:♯SPマイクロリングBK ♯00 ×1 | ¥1,400+税 |
ダンゴウオDR-Low
LENGTH | WEIGHT | TYPE | HOOK | RING | PRICE |
23mm | 1.1g | ゆっくりと沈みやすい | オーナーばり カルティバ SBL-14♯9 | フロント・リア共:♯SPマイクロリングBK ♯00 ×1 | ¥1,400+税 |
ダンゴウオDR-High
LENGTH | WEIGHT | TYPE | HOOK | RING | PRICE |
23mm | 1.1g | ゆっくりと浮きやすい | オーナーばり カルティバ SBL-14♯9 | フロント:#1 リア:♯SPマイクロリングBK ♯00 ×1 | ¥1,400+税 |
※ダンゴウオSR・DRタイプともにHighモデルは来春発売予定
そしてカディス。カディスについてもまた、以前に配信した記事もご参考に。
そしてカディス。その必要性
スミスにはパペット・サーフェスとパペット・モアがすでにあるのに、なぜ新たにトップウォーターの開発を進めているのか。
実は、パペット・サーフェスを作り始める時点で、このような構想があったんです(※あくまでも礒野的な考えによるものです)。
パペット・サーフェスを開発するにあたり、水面攻略での6割をサーフェスで器用にアジャストできる事を強く意識。その代わり両端2割ずつはこのように強力にフォローしたいと考えていました。
パペット・サーフェスを基点に考えると、「もっと強く」であればパペット・モアに。「もっと弱く」であれば…このカディスに、という考えがベースとなります。
ちなみにカディスについても、フッキング率を向上させるために、実に様々な試行錯誤をしました。
そんなカディスもやっと製品化に近づいてきましたので、ここで詳細をお知らせしていきたいと思います。
喰わせ力バツグンなマイクロトップ「カディス」
いよいよ発売カウントダウン開始。名前の通り、喰わせ力バツグンなマイクロトップ「カディス」。
最終形状はこんな感じ。
カディスは「魚とルアーの距離がすでに近い状況」でも的確に距離を詰めていく事が可能なマイクロトップウォーターとして開発を進めてきました。
パペットシリーズと比べてもより喰わせに特化させており、近距離の魚に対しても小技を活かしその距離を詰めていきます。弱く丁寧に誘う「寄り添う釣り」から、強く速く誘うような「逃す釣り」まで、小粒なボディでも多彩な表現がしやすいのも特長です。このルアーへの魚の反応・バイトは、その名の通りフライフィッシングに通ずる醍醐味が有ります。
パペットとはまた異なる、水面での魚との心理戦。そして脳裏に焼き付くエキサイティングなバイトシーンを楽しめますよ。
カディスの効果的な使用シチュエーション例
既存のトップウォータープラグは、広範囲の魚までしっかり誘い出せるようアピール設定されている場合が多いです。パペットシリーズもその一つ。
しかし、魚との距離が既に近い時には「誘いが強すぎる」「小技を効かしきれない」などによりバイト機会を逃してしまうことも少なくありません。
喰わせるためのきっかけ作りを追求したマイクロトップ「カディス」。パペットシリーズ譲りのキビキビトリッキーアクションを活かして、弱くも強くも一投の中で自在に表現しやすいのが特長です。
それでいてローリングを抑えたスティルエリアT2のようなタイトウォブリング。表層高速ジャークや強めのロッドアクションによって、ある程度距離のある魚に対して気付かせていく事も有効です。
小粒ボディならではの着水アピールや繊細な波紋。それらに明確な差が現れることは多々あります。また、ペレットや小さな虫を意識している時にもこのサイズ感が活きてきます。
逆にいうと、このルアーは小粒だからといかなる状況でもバイトへと導きやすい、という事ではありません。離れた魚には気付かれづらくなるので、既存のトップウォータープラグとのアピールローテーションが大事となってきます。
魚を誘い出すために必要な力を考えながらローテーションするために、このカディスがどうしても必要だったのです。
小粒ボディならではの“フッキングの難しさ”を克服
小粒なトップウォータープラグならではの課題点。
それは、アピールローテーションの一つとして必要な存在でありながら、物理的に「再現性の高いフッキング力」を作り出しづらいこと。
試作時に苦労した最大の壁もそこでした。魚との距離感やスピード感の違いで使い分けていけるカディスならでは重要な役割をしっかり活かせるよう、そして信頼の持てる一投へと繋がるよう、様々な観点からフッキング率の改良を試みました。
誘いアクション→静止状態を繰り返すトップウォーターの釣り。基本的には、ボディが小さくなり浮力と水抵抗(水面で踏ん張る力)が少なくなると、フッキング力(ルアー自体が魚の口腔内へ針先を残そうとする力)は働きづらくなる傾向にあります。
しかし、カディスのような弱アピールだからこそバイトへも導けるシチュエーションがあるのも事実。そこで、自信を持って魚へプレゼンテーションできるよう次のようなこだわりを詰め込んでいます。
①水面で踏ん張りやすい扁平寄り&肉薄ボディ
ルアーのボディに浮力や水抵抗を持たせておくことで、バイトゾーンから不用意にルアーが流されない“水面での踏ん張り力”が生まれます。するとトラウトの口に触れた針先も口腔内で残り、オートマチックに近いフッキングへと繋がりやすくなります。そのためカディスは、薄めの肉厚で仕上げた扁平ボディを採用しています。
②フッキングと浮力を最大限に「横アイ2フック仕様」
小粒ボディの中で、フロント・リアそれぞれの横アイを凝縮。横アイにすることでボディ内の空気質を最大限に確保し、フック絡みも最小限に抑えます。また、フロントフックとリアフックを後方寄りに近付け、浮力が集中している箇所にフックを配置する事で“水面での踏ん張り力”を損なわず、フッキング率向上へと繋げます。
③誘いの質でフッキングを改善
狙う魚自体が同じであっても、こちらからの誘い方によりバイトの質を改善させることができます。パペット譲りのタイトなキビキビトリッキーアクション、そしてウォブリング主体に調整していった誘いの質で、小粒でありながら魚のやる気をグッと引き出します。
そして残されているテストがあります。それは「ラトル音」。
誘い出すアピールはもちろんですが、浮力設定にも連動するため、フッキングにも大きく影響する要素。最後の最後まで気が抜けません。
カディスは発売まであと少し!
カディスの発売は2025年1月を予定しています。
私のYouTubeチャンネル「エリアトラウトゼミナール」でも近々動画をアップする予定。「あの魚はカディスで釣れそう」など事前に釣り場でイメージしながら魚を観察してみてくださいね。
開発者ならではのマニアックな話はエリアトラウトファン必見。今後の新製品についてはここでも紹介していきます!
YouTubeチャンネル「トラウトゼミナール」
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