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今江克隆のルアーニュースクラブR「今江的フック考!用途別ベストフックはコレだ〜オフセットフック&特殊マスバリ〜」の巻 第1215回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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唯一無二の存在

では次に、今やバスフィッシングには欠かせない存在となったマスバリ系について今江的ベストセレクトを紹介しよう。

まず、マスバリに関しては「針は小森」と誰がいったか、「スーペリオ」シリーズには、個性的で使えるフックがとても多い。

その中でもこの「MⅡフック」は唯一無二の存在で、今江的にはスモールマウス狙いのキャロ(キャロライナリグ)にも、ラージのサイト(サイトフィッシング)にも、不可欠なフックになっている。

このフックの最大の特徴は、何といっても”ケン付き”であることだ。

このわずかなケンがチョン掛けでなく、縫い刺しで使う時にはめちゃくちゃ便利。

特にエラストマー系のワームなら、縫い刺しにしたら、まずキャストでズレることはほとんどなく、万が一ズレても何度でもセットしなおせるので最高にストレスが少ない。

イマカツの「フィッシュフライ エラストマー」にこれを使うと、スモールの場合1本のワームでも3日間余裕で持つほどのズレのなさになるほどだ。

ワーム素材だと重さのあるワームは厳しいが、細身で小さい2インチまでのマイクロワームなら、ペグ打ち固定の手間が十分に省ける。

もちろんチョン掛けでも何ら問題なく使えるベーシックなカタチなので、特に#5~#8は、持っておくと役に立つマス針である。

「魔の刻」

次は、もはや必要不可欠な存在になったといえるガード付きマスバリ。

最も古くからの基本スタイルでもあり、最も有効とされた写真のワイヤーガードフックは、誰でもご存じだろう。

ただ最近、このタイプのワイヤーガードをめっきり見かけなくなった理由をご存じだろうか?

それは、この「輪(ループ)」型ワイヤーガードには「魔の刻」と呼ばれた致命的弱点があることがプロの間で広く知られるようになったからだと思われる…。

これがループ型ワイヤーガードの唯一の弱点、「魔の刻」だ。

ワイヤーがポイントから外れずに横倒しになって、針先だけがフッキングしてしまう偶然が発生すると、張り切ったワイヤーに邪魔されてフックポイントは返しまでバスに口に刺さることは不可能になる瞬間だ。

これはもう本当にバイト時の運ではあるが、完璧にフッキングしているにも関わらず、いとも簡単に口を開いた瞬間バレることがあるのは、これに起因することが多い。

バレた後にワイヤーのフックに掛ける部分が変な角度に曲がっていれば、「魔の刻」が起きた証拠なのだ。

それゆえに、近年はオープンVガードが主流になったが、数あるガード付きマスバリでもガード力とフッキング率を両立させた優秀なものは、極めて少ないと今江的には断言できる。

ガード力とフッキング率にすぐれたマスバリ

そんな難しいガード付きマスバリ市場だが、今江的に現時点で最も両性能に優れていると、ここ2年多用してきたのが「ジャングルワッキーガード」である。

ただ、このフック、なかなかの入手困難品である。

特に#6は、幻ともいわれるほど入手が困難だった。

実はこのフックの開発は、村上晴彦くんが参加しており、今江的には彼に頼んでカルティバから頂き、そのうえで2年間隠していたほど溺愛のフックである。

特に#4のガードはバランスは最高で、昨年は最終戦といい、オールスター戦といい、窮地で本当にお世話になったフックである。

「ジャングルワッキー」のガードは、形状記憶ワイヤーでできており、固定もしっかりできているため、ズレたり斜めったりすることもほぼ皆無だ。

特にベストは#6~#4で、7~8lbフロロでのベイトフィネスには、まさにベストオブベストの回避力とフッキングのよさがあると確信している。

ただ、村上君的にはもう一押しだけ改良したかった点があるそうなのだが、そこは自分も超絶同意見だった。

それが物理的に量産がほぼ不可能な部分なだけに、そこを改良できる方法が、今はまだ技術的に見当たらないのも仕方なく、現時点では、これがベイトフィネスガード付きマス針のベストと自分は思っている。

今年になって優れモノが現れた

だが、今年になって「ジャングルワッキー」に匹敵する優れモノが現れた。

またまた「針は小森」の小森フック「VGフック」である。

これの#6は「スピニングフィネス」で使うには間違いなくNo.1フックだと思う。

少し残念なのは、小森プロがトーナメンターゆえに、「ジャングルワッキー」と比べるとガードを「必要ギリギリ」に設定した点だろう。

めちゃくちゃ気持ちは分かるが、トーナメンターが作ると一般アングラーが少し使いにくいというジレンマがあることだ。

このスーペリオ「VGフック」も形状記憶ワイヤーで、巻きもとてもしっかりしている。

このギリギリの強度設定がトーナメンターとしては素晴らしいのだが、特にベイトフィネスで必要な#4~#6は少々デリケートなアプローチが必要となるため、自分は#6をスピニングにベストとして選択している。

あとワイヤーが異様に長いのだが、これを適度にカットするのが非常に面倒だし、形状記憶ワイヤーは切ったあまりを放置するとヤバいほど危ない。

小森プロにそのままカットせずに使うのがよいのか、今度、直接聞いてみたいと思います。

ちなみに、これも村上晴彦くんと激しく同意した”もう一押し”は、実現できていない。

最強のガード力をほこるマスバリ

最後に、今度は逆に最強のガード力マス針として愛用しているのが、このリューギ「ヘビーガードタリズマン」だ。

「ジャングルワッキー」、スーペリオ「VGフック」が形状記憶ライトワイヤーを使用しているに対し、こちらは頑丈無比なステンレスワイヤーガード。

実に関西メーカーのリューギらしい、線形強度もゴリゴリ安心の、真のカバー専用マスバリである。

この「ヘビーガードタリズマン」は「ジャングルワッキー」に気が付く前までは#2~#3もベイトフィネスのメインに使っていた優れたVガードを持つフックだ。

だが、男らしいガード力に振った割り切りセッティングだけに、現在はその特徴を最大限に活かせる#2/0~#3/0の使用率が圧倒的になった。

イマカツのワームでは「ハドルギル3.9インチ」、「ハドルギル5インチ・5.8インチ」、「ウナジュウ(イールクローラー10インチ)」、「ウナキュウ(イールクローラー9インチ)」等の太くてデカいワームのネイルリグやノーシンカーには不可欠なフックである。

ハードなロングロッドで、13lb以上のラインで、しこたまフッキングしてゴリ巻きしても平然と使えるマス針はこのフックぐらいだろう。

ちなみに#1~#1/0となると、「VGフック」か「ジャングルワッキー」を選んでいるが、最近、このての中間的番手の使用率が意外と低くなってるのも、時代の特徴なのかもしれない。

ということで、今週は基本的なオフセットフックとマス針の紹介解説をしたが、来週は「コレは使える!奇天烈系特殊フック達」を引き続き紹介していこう。

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