ダイワが誇る「SALTIGA」。これまでも、これからも、「もっと大きな魚を…」と願うアングラーの理想をカタチにしていくだろう。
さて、今回ピックアップするのはソルティガブレイクスルー。大型魚を相手に、確実に獲るための最新鋭フルスペックを搭載したキャスティングロッドだ。
そして、2024年に追加モデルとなったC80-5について、吉清良輔さんの実釣撮影を行った。C80-5を吉清さんが語ったのは以下の動画だ。
これまでの概念を打破するソルティガブレイクスルー
撮影はまだ夏を引きずる9月。上記記事でも触れたが、水温も高く推移しまだヒラマサには不向きな条件の中ヒラマサをキャッチ。サイズとしてはソルティガブレイクスルーをブチ曲げるほどではなかったものの、サンパク(ブリの2~3kg級)が先にプラグにバイトし続ける中キャストし続け、集中力を保ちキャッチした。
ちなみに吉清さんは、千葉外房・勝浦の遊漁船「宏昌丸」の現役キャプテンでもある。屈指の好フィールドでヒラマサファンも足しげく通う人気船だが、10月に入り10kgオーバーのヒラマサがキャッチされるなど、チャンスタイムは続く。
さて、投げ続けられる軽さ、キャストのしやすさ、操作感、そして掛けてからの安心感。これらが驚異的にハイレベルに融合しているのがソルティガブレイクスルーだ。それはC80-5のみならずシリーズ共通しての特長でもある。
それはなぜか? 最新鋭のパーツマテリアル、それが分かりやすくまとめられているのが以下の動画となるのでご参考に。
出典:YouTube「DAIWA Salt Water Fishing」
今年の春にデビューした3機種に加え、C80-5がこの秋追加となったばかりのラインナップは以下の通りとなる。
全長(m) | 継数 | 仕舞寸法(cm) | 標準自重(g) | 先径/元径(mm) | ルアー重量(g) | 適合ライン PE(号) | カーボン含有率(%) | メーカー希望本体価格(円) | |
SALTIGAブレイクスルー C80-5 | 2.44 | 2 | 182 | 288 | 2.2/15.4 | 45~100g | MAX5 | 98 | 111,000 |
SALTIGAブレイクスルー C83-6 | 2.51 | 2 | 189 | 297 | 2.3/16.4 | 60~130g | MAX6 | 98 | 112,000 |
SALTIGAブレイクスルー C710-8 | 2.39 | 2 | 177 | 306 | 2.8/17.4 | 80~160g | MAX8 | 98 | 112,000 |
SALTIGAブレイクスルー C82-8 | 2.49 | 2 | 183 | 314 | 2.8/17.4 | 80~160g | MAX8 | 98 | 113,000 |
M40XベースのSVFコンパイルXナノプラス
ブランクスにはダイワのオフショアキャスティングロッドとしては初となるM40XをベースとしたSVFコンパイルXナノプラス。
SVFコンパイルXナノプラスとはカーボン繊維が密に含有量の多い素材で、わずかに残る樹脂(ポリマー)はひとつの箇所に固まろうとする性質を持つが、それを均等にするテクノロジー。
簡単にいえば非常に筋肉質かつ、それに偏りがないことで一つのブランクスとしてブレがない、ひずみのないロッドが生まれる。そしてそのベース素材として、高弾性素材M40Xを採用しているというわけだ。
思いのほか細身に見えるブランクスでありながら驚異的な強度と粘りを見せ、キャスト時にはスパンッとルアーが飛ぶのは収束も早いからだ。
C80-5でいえば、外房のようにアンダーハンドキャストがレギュレーションとなる場合でも、もちろんオーバーヘッドキャストでも扱いやすいが、いずれせよシンプルにルアーを十分に飛ばせる。大型魚相手となると、ナブラ撃ちであろうとブラインドであろうと、飛距離は釣果に直結する重要なファクターとなるだけに最適解なマテリアルというわけだ。
気持ちイイ、ZEROシート(パワーホールド)
とはいえ、そんなポテンシャルを持つブランクスでも、そもそも投げにくい…では本末転倒。もちろんソルティガブレイクスルーはアングラーがキャストした時に快適だ。「気持ちイイ」と吉清さんが思わずこぼした言葉は、全アングラーのリアルな声となり得るのでは?
その〝気持ちイイ〟の要因で非常に大きな部分がリア、リールシート周り。
中でも大きいのがZEROシート(パワーホールド)の存在。
ZEROシート自体はストレスゼロを目指して開発されたダイワ独自のリールシートで、いくつか種類があり、そのひとつがパワーホールド。いずれにせよ、キャストする・操作する・ファイトする…といった様々な場面で、アングラーは様々な握りをするが、あらゆる握りに違和感なく快適。リール装着時の段差をなくし、ホールド性がすこぶるGOODなリールシートなのだ。
引っ掛かりを感じさせない曲線美。でありながら手のひらから抜ける感じのない絶妙なフィット感が、吉清さんいわく「最高(笑)」なんだとか。
人は、無意識にその時々で自身にとって快適な握りをしている。そのあらゆる握りに〝気持ちイイ〟が感じられるわけだ。
グリップに隠れたコダワリ
そしてフロント・リアグリップにもひと工夫。特に大型ヒラマサやGTといった魚種を想定したソルティガブレイクスルーだけに、そのファイトは強烈になることを想定。ロッドエンドを腹に当ててのファイトも多くなる。
まずはフロントEVAグリップ。その先端に絶妙な突起がある。このフォアの突起が、ロッドを立てた際によりしっかりと滑らずに握り込むことを可能にするという。
リアグリップに目を向けると、斜めにカットが入っている。リアの面が大きくなることで腹当てファイト時の負荷の分散にもつながるそうで、またこの斜め具合がロッドを立てた時に最適なのだそうだ。
それから…主張し過ぎないSALTIGAの刻印も良き!
ソルティガの中でも特別な存在感のあるブレイクスルーは、強烈な個性というより、どんなアングラーが使ってもアングラーの負担を減らしサポートする扱いやすさを究極に追い求めた存在といえるのかも。
ちなみにリアグリップの面積の増えた斜めカットは、結果としてキャスト時の引手でのホールド感をアップさせスイング時のパワーの伝達にも優れるという。
そしていざ憧れの魚が掛かれば、これまで触れてきたそもそもの強靭かつ粘り強さもあるブランクス、ファイト時の負荷の少なさによって、これまで以上に楽に・短時間でリフトできるという。
ちなみに先に触れた動画解説にもあるように、モーションキャプチャを活用しファイト性能を解析しているそうだ。
チタンフレームガイドはバットをRVガイドとし(ほかはKガイド)、糸抜けの良さも特筆すべきなのだが、ブレイクスルーとひと目で分かるブルーグラデーションが海映えすること間違いなし。特別感のあるBERAKTHROUGHのロゴとともに、機能性のみならずデザイン面でも所有感をくすぐられる。
軽い・強い・負担が少ない…の究極系にして、いつかは持ちたいというデザイン性もまたSALTIGAらしさなのかも。
ということで今回はソルティガブレイクスルーの全体像として、その特長をピックアップしました。
次回は、改めてブレイクスルー C80-5について、吉清さんが実際のフィールドで感じたことやアドバンテージになる部分を聞いてみたのでお伝えしたい。
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