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今江克隆のルアーニュースクラブR「2024年TOP50終戦報告と今後の進退について」の巻 第1209回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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今後の進退について

こうして自分の2024年度TOP50は、最終戦を待たずに終戦した。

過去2度、30位、31位にはなったことがあるが、共に毎年数名の引退選手が出るため順位の繰り上げがあり、正規残留権を逃したことはない。

初めて30位に沈んだのは2018年だった。この年は、途中欠員が出て29位が残留圏内。SNSでは永久シード権行使を巡って賛否両論だったが、結局、繰上りで正規残留となった

だが、今年は繰り上げが仮に10人あっても(昨年はまさかの10名以上の繰り上がり)残留は不可能だろう。

今年の自分の不振の原因の一つは、開幕戦七色ダムで過去一度も痛めたことがなかった利き足の肉離れを起こし、その怪我の回復が、まだ完全ではないことがある。

だが、それ以上に大きな理由は、今の自分がTOP50で何を目指しているかということだ。

40年間もTOP50(最高カテゴリー)に所属し、優勝もタイトルも全て手にしてきた自分が今も求め続けているものは何なのか? それを自問した時、それが「表彰台すら獲得できない30位残留権争い」でないことだけは、確かなのだ。

自分が今も渇望しているものは、優勝、そして年間優勝以外にはない。

だが、60歳という年齢を超え、経験値のないライブソナー全盛期となった今、表彰台こそ獲得できる力は残っているが、優勝、そして年間優勝が、今の自分にどれだけ厳しいことかは、自分が一番認識している。

だが、3匹リミットとなった今年は、5匹リミットに比べれば、より自分の一発勝負の爆発力が活かせる可能性はある。

そこにまだ手の届く可能性があると信じるがゆえ、13年間遠ざかっている「優勝への渇望」を消し切れないのだ。

そして、その優勝は地味な釣りではなくアッというわせる衝撃的な釣り方、ルアー、歴史に残る優勝でありたい、そう思う気持ちが、自分が現役を続ける最後の支えになっている。

最後に優勝した2011年は、奇しくも東北大震災の直後だった。この時は賞金全額(200万円)を寄付する宣言を事前にしたうえでの劇的な一生忘れえぬ優勝だった。もう一度、記憶と記録に残る優勝がしたい出典:ルアーマガジン

そして、自分には現役で唯一人、永久シード権が与えられている。

そして、それを絶対に行使したくないと思って今まで頑張ってきた。だが「3尾リミット」、「優勝への渇望」、そこにアンデッドともいえる無敵の「永久シード」、その3つが揃った時、「勝負という名のただの無謀」に走ってしまった自分がいた。

それが、不振の最大の原因だと思っている。

正直な気持ち、この数日、現役引退も考えていた。

60歳、もう一般社会でも定年退職しても不思議のない年齢なのだし、若手社員、若手スタッフが育ってきた今、会社を背負う必要も昔ほど感じなくなってきた。

老害になってまで現役を続けるべきなのか、この数日、ずっと考えていた。

だが、やはり自分生来の諦めの悪さだけは、まだ現役のようなのだ。

「60歳、還暦祝いとして永久シードを初行使させてもらう」、とりあえず今はそう考えてみようと思う。

そして、まず今日からの最大目標として残り試合の練習を多少犠牲にしてでも来年3月までに自分の身体を40歳後半のフィジカル、特に下半身の筋力を戻すことを最優先課題とする予定だ。

脚の怪我以来4月から毎日始めているフィジカルトレーニングを、来年の3月まで徹底してやり抜いてみる。

60歳超えてから始めたのでは、なかなか奥村和正のようにはならないかもしれないが、せめてTシャツ(希望はタンクトップ)を着ても恥ずかしくない身体に仕上げて、来季TOP50をどこまで戦えるか試し、それから判断してみようと思う。

永久シード行使は、アンデッド、ゾンビとして、ただ存命するために使うものではない。

キャリア最後の華を飾るために与えられた、最長現役40年の実績で獲得した唯一無二の資格なのだと、今は思っておきたい。

このルアーニュースを書き記した日から、自分の来季はスタートした。あと5年、現役を続ける覚悟で身体を作ってみせる

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