今江克隆のルアーニュースクラブR「新しい中層攻略リグも登場!20年ぶりに勢揃いした『ジャバロン』シリーズの使い分けとそのキモ」の巻 第1205回
新谷式ジャバロンフライ中層キャロ
さて、これまで「ジャバロン」シリーズについて、ここでも詳しく解説してきたが、実は今、新秘密兵器として最も注目されている最もマイナーな「ジャバロン」がある。
それが「ジャバロン」シリーズ最小、2インチの「ジャバロンフライ」だ。
その注目理由が、今年、U-30トーナメントに始まり、津風呂湖JBシリーズやチャプターシリーズで、驚異的なウェイトと勝率で勝ちまくっている新谷(健斗)プロの最強秘密兵器が「ジャバロンフライ」なのである。
しかも、そのリグが「3.5g~21gのド中層キャロ」というのだから驚きだ。
この新谷式ジャバロンフライ中層キャロは、実際に見たわけではなく、本人からの口伝えなので????的な部分が多すぎて自分自身半信半疑なのが現実だ。
だが、本人から聞いた限りでは「リーダーは40~60cm」、「ジグヘッドより速いしナチュラルで、バスが気付きやすい」、「中層での逃がし&フォールでアクションの後の緩急(滞空時間)が出せるリグ」がキャロであり、「逃がしのスピード変化で最も魚の逃走アクションが出るワーム」が唯一、「ジャバロンフライの太軸マス針下向セッティング」だそうだ。
なぜ、ジャバロンフライ?
「ジャバロンフライ」である必要は何か?と突っ込むと、「あのサイズで、低速から高速へのスピードの変化にも安定して動くのでバスに見切られにくい」、「普通の魚系ワームだとキャロにするとスピード変化でふらついたり回転するけど、『ジャバロンフライ』は、安定するのが喰わせるポイントになっている」と、いった回答だった。
自分がなるほど…と思ったのは、2インチの「ジャバロンフライ」に21gのキャロを平気で使っている部分で、昨年、青木唯プロが桧原湖で表彰台に立った折、1インチワームを1/2ozのダウンショットで大遠投して使ったと聞いたことと、キモが通ずる気がした。
ある面では、自分が昨年同じ桧原湖戦で使って表彰台を獲得した「ジャバロンSR110」の重ジグヘッド(3.5~5g)と「ライナースピン」のような、カチコチのスピニングロッドでのリアクションジャークも、新谷キャロジャークと通じる部分もあると思う。
全ジャバロン共通の強み
この新谷プロの釣りは、基本的にライブサイトでの使用であり、一般的なアングラーには「なんのこっちゃ???」という感じだろうが、超簡単にいえば「キャロのド中層ジャーク」であり、そのジャークに理想的に対応できるワームが「ジャバロンフライ」だったということだろう。
だが、強豪ライバー(ライブサイトプロ)たちが集う津風呂湖での圧倒的な結果は、新谷プロのライブ(ソナー)新テクが、驚異的な威力を持っていることの証明に他ならないことは、紛れもない事実である。
残念ながら、このテクニックはライブソナーを使うことが前提だが、全ジャバロンシリーズのとても優れたポイントとして、動きが魚の逃走する姿(波動?)に酷似していること、急激なスピード変化や、超高速でも姿勢が破綻しにくく、緩急でのアクションの変化が大きいことが、バイトトリガーを引くキッカケになることに、変わりはない。
それゆえに、ライブソナーがなくても、これからバスのエサとルアーを見極める目が肥えてくる晩夏~秋にかけては、昨年ここでも詳しく解説した「ジャバロンスーパーリアル」系の「爆速リグ」が、ガゼン効果を発揮してくる。
新谷プロの中層キャロジャークも、場合によっては「新ジャバロン爆速キャロリグ」として、ショアライン沿いやオカッパリ大遠投でも効いてくる可能性も、あるかもしれない。
使い分けの最大のキモ!
最後に「ジャバロン」シリーズを使い分けるうえで、一番キモになることを書いておこう。
それは「自分が狙いたいサイズのバスが喰っているベイトのサイズに、『ジャバロン』をピッタリ合わせること」、これが非常に重要。
小さいワカサギが多いからといってそのワカサギに合わせるのではなく、そのワカサギを喰ってるハスやマスを選んで喰ってるデカバスに狙いを定め、そのハスやマスサイズに「ジャバロン」を合わせることで、アベレージサイズのバスを避けてビッグフィッシュだけを釣ることが可能だということである。