今江克隆のルアーニュースクラブR「晴天無風の激暑地獄でも釣れるハードベイト!」の巻 第1204回
「ヴィラル」はオカッパリで効く
さて、その後の㊙ハードベイトでの大事件は、ルアーマガジンで見てほしいが、すでに8月生産9月中出荷が確定しているテナガエビWスイッシャー「ヴィラル」が、最終製品テストサンプルで、すでに各地で速攻でイージーに釣果が出始めている。
予測はしていたが、護岸まみれの霞ヶ浦の「護岸シェード」でのオカッパリからの威力は、想像以上のようだ。
シェードがほとんどないといっても過言ではない霞ヶ浦では、逆に護岸が作る狭くて濃いシェードは非常に貴重だ。
しかも、ベイトを追い込める壁となっている護岸際は、ボートでは最も攻めづらいデッドゾーンなのだが、オカッパリからだと気配を消した護岸キワキワ巻きは、バスにとって最凶のキリングゾーンとなる。
その護岸際で最も多く喰われているエサが、テナガエビやヌマエビなわけで、その動きと甲殻類サウンドを発生する「ヴィラル」は霞水系のオカッパリには、無双の強さを発揮するプラグになるかもしれない。
水平姿勢
「ヴィラル」には、ラバーの髭が装着してあるが、この一見、しょーもない1本のラバーが、何気に実はいい仕事をしてくれている。
コレがあるだけで、一気に泳ぐ姿がエビそっくりになるうえ、小型スローシンキングWスイッシャーにありがちなヘッドアップ姿勢を制御するにも、一役買っている。
同時に、エビの腹脚に極力似せたシマエビ模様で、またフック隠しの役目を果たす二対のオリジナルフェザーフックも、リアルなエビシルエット以上に「ヴィラル」のスイム水平姿勢制御に大きな役割を果たしている。
河野プロがこだわった性能の一つに「水平姿勢でのスイミング」があり、このヘッドアップしない平行姿勢スイミングが70mmサイズのWスイッシャーでは、一番キモになる部分だと考えていたからだ。
イマカツの長井デザイナーが、近所の野池等で行っていた姿勢制御のテストフィッシング段階でも、姿勢とリアルさが一致していると面白いようにバスが湧いてきて、飽きないぐらいに簡単にバスが釣れたのは、ワームでもなかなかないほど珍しい出来事だった。
最終テストでは、小さいバスではあったが最近では滅多に経験できない、憧れのWヒットまで起こったほどだった。
暑さがマジでヤバすぎる…
と、そんなこんなで取材は無事完遂できたのだが、しかし最近の暑さはマジでヤバすぎる。
今回の早明浦湖も、流入がかなり枯れてしまっており、雲一つない晴天無風だったためか水温は30度近く車載気温計は陸上で38度、湖上でも36度の、まさに危険すぎる暑さだった。
バスボートには大量の氷と経口補水液などを積んでいたが、正直15時を回って日差しが真正面になってくると水面からの照り返しもあって黒いデッキの上はまさにフライパン状態。
2日目は、昼過ぎから若い河野プロすら終了まで空調服をずっと着ていたほどだった。
40年以上の夏を経験してきた自分でも、ちょっと舐めてかかると予兆のある熱中症ならまだ幸い、血液ドロドロで脳血栓、心筋梗塞の恐怖を、マジで感じる暑さである。
現実、今夏は自分のすぐ身近で釣り直後の脳梗塞での入院が相次いでいる。
脳血栓や心筋梗塞は、若くても関係なく発生するもので、昔、茹だるような暑さの8月のJBTA琵琶湖プロ戦で優勝した井手プロが、試合終了後日20代の若さにもかかわらず心筋梗塞で亡くなったことを、今も思い出す。
冗談抜きにどこか大手釣具メーカーさんが、4モーター搭載のカッコいいバスフィッシング専用冷風空調服を作ってほしいと、真剣に思う今日この頃です。