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最難関クラスの生みの苦しみから完成した、対大型魚用3ピースロッド「スパイクトラベル」

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テンリュウの舟木雄一さんと過去にお話させて頂いている際に、「自身が入社してから携わったロッドの中でも最も難しかった1つですね」と言っていたのが、スパイクトラベル

出典:テンリュウ公式

Spikeシリーズについて

まず「Spike(スパイク)」シリーズについて述べておくと、オフショアのビッグフィッシュを対象としたキャスティングロッドである。

2024年、スパイクには SK822S-Hが、そしてスパイクXPGには大型ツナ対応モデルであるSKX782S-XXが発表されたのも記憶に新しい。

スパイクの血統を譲らずモバイル化
スパイクトラベル

ではスパイク・トラベルはどんなロッドかというと、その名の通りトラベル、遠征先での利便性をもたらしてくれる3ピース仕様となっている。

遠征先にロッドを送っていたのにも関わらず、何らかのトラブルで釣行日に届かなかった…なんて経験をお持ちの方は少なからずいるはずだ。

であれば出来る限りロッドと共に移動したい。スパイク・トラベルの3モデルは仕舞寸法93cm。思わぬトラブルを避け、破損のリスクも回避しやすい。

スパイクトラベルSPEC
品名 タイプ 全長
( m [ft])
継数
(本)
調子 仕舞寸法
(cm)
ルアーウェイト
(g)
ライン
(PE/号)
最大ドラグ
(kg)
リアグリップ
(mm)
先径
(mm)
自重
(g)
使用繊維 カーボン/グラス
(%)
本体価格
SK803S-MH S 2.44[8’0″] 3* R 93 MAX100 MAX5 7 505 3.0 363 88/12 ¥61,000
SK803S-H S 2.44[8’0″] 3* R 93 MAX150 MAX6 10 505 3.0 378 90/10 ¥61,500
SK803S-HH S 2.44[8’0″] 3* R 93 MAX200 MAX8 13 505 3.4 394 89/11 ¥62,000

ただ問題は、大型魚を相手にする「スパイク」シリーズであること。いくら携行性が高くても、想定するターゲットたちに歯が立たなければ本末転倒。

△写真はTENRYUスタッフブログ・スパイクトラレベル開発秘話より

スパイク・トラベルはヒラマサ、GT、ツナ類などと真っ向勝負ができる強度と調子を持った3ピース。

3ピース化するにあたり、強度と最適な調子を出すためのせめぎ合いが何度となく繰り返され完成に至った。

特に、トップセクションから2番へと荷重が移る際に丁度ベンディングカーブが当たりやすくなるため、ロッドを立ててラインに角度が付いた時のファイトでトルクがスポイルされないことに神経をとがらせ、作られては消えて行ったプロトも相当数だったと聞く。

△ちなみに同レングスのMH・H・HHとなるのでスレッドカラーで分かるようになっている

また、3ピース化されることでガイド位置の設定も限定されるため、わずかな微調整を行ってきたそうだ。

オーシャントップガイド、オーシャンガイド、Kガイド(ステンレスフレーム、SiCリング)を採用

リールシート部には、西陣織仕様のカーボンパイプを採用

鍛え抜かれた3モデルは、いずれも3ピースとは思えないきれいなカーブとトルクを持つ。

真っ向勝負できる3モデル

SK803S-MH

SK803S-MHは100g以内のルアーを操作しやすく、ターゲットを10kg前後としたモデル。特に60~80gのペンシルベイトの操作性に長ける。PEは5号を上限とし、リーダーは120lbくらいまでの抜けがよいガイド設定に。

7.5kgリフト時

SK803S-H

 SK803S-Hは大型ヒラマサから、キハダ、GTといったターゲットを対象にしたモデル。

100~150gのダイビングペンシルなどが扱いやすく、それらのターゲットではど真ん中なルアーウエイトととなる。

PEはMAX6号表記。実際のところは8、10号といったラインも使えるがドラグ調整はしっかり行っておきたい。快適なのが6号だ。170~200lb(2ヒロ)程度のリーダーによるキャストが快適に行えるガイド設定。

△10kgリフト時 

SK803S-HH

シリーズ最強のSK803S-HHは、Hと比較し調子(アクション自体)は変えずにパワーを上げたモデル。MAX8号表記だが10号・リーダー200lbといったシステムにも快適なガイド設計に。200gまでのダイビングペンシルや抵抗の強いポッパーを扱いやすい。

△10kgリフト時

長きに渡ってテストされ完成に至ったガチな3ピース。国内外の遠征をこの夏予定している方は、ぜひチェックしてみてください!

テンリュウ公式「スパイクトラベル」詳細ページはこちら

天龍(TENRYU)

1961年、六角竹竿加工業として下伊那郡鼎町下茶屋に塩澤製作所設立。1990年、株式会社 天龍に社名変更及び改組。創業当時、六角竹竿で一世を風靡し、1970年には日本初となるバスロッドを自社ブランドで発売。以降、カーボン素材を主軸に幅広い時代のニーズを先読みしたアイテムを輩出している。ソルトウォーターでは超軽量&高感度のSWライトゲームロッド「ルナキア」、ライトジギングでは「ホライゾン」が有名なほか、バス、トラウト、エリアフィッシング、さらにはテンカラなど、非常に幅広いジャンルでこだわりの強いロッドを生み出している。