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【ラインを上手く操ることが釣果にも繋がる】エリアトラウトのエキスパート“礒野寛之”がアングラーの悩みをQ&A形式でガッツリ解説!

寄稿:礒野 寛之
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皆さんこんにちは!

サンライントラウトフィールドテスターの“礒野寛之”です。

さて、今回紹介させていただくテーマは、エリアトラウトのライン選びや使い方に悩まれている方に向けてのQ&A。これまでいただいた数多くの質問の中でも、特にお伝えしたい内容を選んでお届けしていきます! 少しでも参考になれば幸いです。

礒野 寛之(Isono Hiroyuki) プロフィール

1993年3月生まれ、神奈川在住。釣具メーカースミスの企画開発を務めており、パペットサーフェスやスティルエリアT2の生みの親でもある。CADなどを駆使した独自の開発スタイルで、エリアトラウトの釣りを開拓していく姿は多くのアングラーから注目されており、サンライン、メガテックリブレ、ストリームトレイルのテスターも務めている。エリアトラウト暦は約15年。エリアトーナメントには古くから参戦しており、トラウトキング選手権大会でも優勝や上位入賞多数。大手釣り具量販店のスタッフを経験していた経緯もあり、釣具の知識に富み幅広いジャンルの釣りに精通している。また、メディア出演の他、釣り教室の講師・イベント運営等を通じて、釣りに関する発信や普及活動にも意欲的に取り組んでいる。

Q.確かに魚はいるけど、中々釣れない

A.魚は人間と似ているトコロがたくさん!魚を擬人化してみましょう。

いきなり本題とは違う深刻な質問!(笑)。えっとですね、そんな時は魚の行動パターンを人間の生活に例えてみると面白いんですよ。

魚の活性が高い時

魚にやる気と体力がある時。

それは人間で例えても、外出してご飯を沢山食べたいなぁ、と時間をかけてでも探しにいける活発な状態。食欲が無い時よりシビアな話では無くなりますが、その中でも飲食店選びをするように、魚達には好みが出てきます。

魚の活性が低い時

魚にやる気も体力もない時。

それは人間で例えるとチョット具合が悪くて、ベッドやソファーで休んでいる時。食べるものはそれなりに選ぶでしょうし、距離感もシビアに捉えられてしまいガチ。離れた所にあるご飯は諦めるけど、スグ手の届く所にあれば、つい食べちゃう…みたいな。

人間にも元気なんだけど寒くて動きたくなくなる状況とかある訳で。どうやったら食べるまでに至るか? は意外と人間の生活と重ね合わせてみると、1つの答えが出てきたりするものです。

そんなイメージを持つと、さらに細かなシチュエーションに遭遇しても、人間の生活に例えながら、自分なりに工夫できるので、打開策が見つけやすいですし、より釣った感のある1尾が遊んでくれますよ。

Q.エステルラインを使っていて、どうしてもライントラブルが付き纏う

A.そのトラブル、未然に防げます!

エステルラインで良く言われるライントラブルですが、ザックリとこの2種類に分けることができると思います。

パターンA:ルアーが着水してから手元でバックラッシュ

パターンB:キャストまたはフッキング時に高切れ

パターンAの対策方法

エステルラインは張りが強く、スプールに巻いた糸もそこから出て行こうとしやすいです。それが飛距離の出しやすさにも繋がっているのですが、ルアー着水後もスプールからラインが出続け、バットガイドとの間で弛みが発生します。そのまま巻き取ると“ローターへの絡み”や“スプール内のひげ”といった現象に繋がり、その末“パターンA”のようなライントラブルに繋がってしまう…という訳です。

そこに対する分かりやすい回避策は2つ。

1つ目は、道具の力を使ってライン放出時に適度な抵抗を与えてあげること。従来のナイロンライン、フロロカーボンライン、PEラインよりスプールへ巻くラインの量を減らす(=スプールエッジに掛かる抵抗を増やす)事が一番簡単な方法です。もちろんライン処理に慣れてきたら、ギリギリまで多く巻いてもOKです。

またロッドは、硬くても柔らかくても即答性のあるものがラインメンディングもしやすく、ライントラブルを防ぐことができます。リールは1000番よりも2000番くらいスプール径が大きい方が、ライントラブル対策に繋がるでしょう。

2つ目の対策としては、アングラー側の技術でラインの余計なふけを抑ること。

例えば、着水直前にベールを返してルアーを落とせば、ラインが張った状態からアプローチを始められます。また、着水直後〜巻き始めるまでにロッド捌きとハンドル回転でラインメンディングしてあげれば、風が強くてもルアーが軽くてもトラブルは未然に防ぐことができます。

パターンBの対策方法

パターンBに関しては、瞬間的な負荷が苦手なエステルラインならではのライントラブル。エステルラインはユックリ、そしてジワーッと引っ張ると強いんですが、弛ませた状態で急に引っ張ったりするのには弱いんです。なので、キャストとフッキング時に“瞬間的に力を与えすぎない”意識と工夫をすれば、ライントラブルは気にしなくて済むようになります。

Q.スプールにひげが、どう直す?

A.気にする事なかれ。簡単に直せます!

軽いルアーでアプローチする時や風が強い時、ラインがよれている時などは、スプール内で“ひげ”という現象が発生しやすくなります。

大抵の方は、ひげが発生したらベールを返した状態でラインを出そうとします。実はこのやり方、修復不可能な状態まで糸がもつれやすいので注意が必要です。キレイに修復する方法として、ドラグをズルズルに緩めて、ベールを返さない状態で、ひげのある所までラインをユックリと出していくのが有効です。

その時、ドラグを一気に緩めすぎてドラグノブを落としてしまわないように注意しましょう。また、ラインを地面に出していってしまうと傷ついてしまう原因にもなります。なるべく水の上に落としてあげるのが良いでしょう。ラインを引っ張り出す時にドラグ音がしてしまうので、たまに周りの人を振り向かせてしまうのは…ご愛嬌(笑)。

Q.ラインを弛ませるとクルクルとよれてしまう、糸ヨレの直し方は?

A.故・本山博之氏から、こんな方法を教えてもらいました。

ドラグを出しながら魚を沢山釣ったり、スピナーやスプーン等の回転系ルアーを多用した時、ラインってよれますよね。PEラインはさほど気にしなくて良いのですが、モノフィラメント系ラインは、クルクルとよれ癖がついてしまいます。

そんな時は気になる範囲を切ったり、新品のラインに巻き替えたりするのが理想ではありますが、実釣中でそのまま同じラインを使い続ける場合はこんな方法があります。

ルアーをフルキャストしてから、片方の手はロッドのバットとラインを一緒に持ち、もう片方の手はロッドのエンドグリップを持ちます。そして、矢印の方向へクルクルとリールの重さを使って回転。糸よれと反対方向に回していくことで、糸ヨレは解消されます。

Q.アベレージサイズが大きい管理釣り場のオススメラインは?

A.大型狙いに相性の良いラインがあるんです!

狙う魚のサイズが中〜大型メインの釣り場は、全国に沢山ありますが、数釣りで多用するラインのままでは、魚の猛ダッシュや反転に耐え切れない場合も出てきます。ラインを強く、それでいてリニアな操作性を活かしたい事から、PEラインを使いたいトコロですが、メソッドによってはラインの浮力が気になるトコロ。そこで、最近私は高比重PEラインの「オールマイト」(0.4号)を使っています。やんちゃな中型(40〜50cm位)を沢山釣る時や、大型狙い(50cm〜)に丁度良いんです。

オールマイト

サンライン公式「オールマイト」詳細ページはこちら

エリアトラウトの世界では0.4号はチョット太い? と思われがちですが、エステルラインのように水馴染みが良く、繊細なマイクロスプーンでのアプローチから、強気の遠投ゲームまで高次元でこなしてくれ“強気なエステル感覚で”幅広く使うことができます。私の身近な釣り場さんだと「すそのフィッシングパーク」さん(静岡県)でも相性良し。

例えば池の真ん中まで表層クランクやトップをフルキャストして沖の魚を精度高く狙ったり、ミノー展開に放流魚狙い、その一方で軽量なマイクロスプーンやクランクでのサイト展開だったり。どの釣り方でもアプローチの無駄が少ないので、釣果にも差が表れやすいです。

今回のQ&Aは以上!

私が長きに渡り使い続けてきたプロトエステル「鱒ノ糸」はいよいよ年内に登場予定。こちらの詳細はまた改めてシッカリとご紹介できればと思います。SNS等で情報を収集しやすい便利な時代ですが、それだけで無く、ぜひ自分の感性で道具を選んで試してみて、実際に釣り場で体感してみてください。

その時に感じたことは大きな経験となり、次の釣果や道具選びにシッカリと繋がってくるはずですよ!

サンライン(SUNLINE)

1977年設立、山口県岩国市を拠点とするラインメーカー。 独自技術の開発力が高いだけでなく、大手材料メーカーや大学研究機関との連携・共同研究 により、最新テクノロジーを駆使したライン開発も進めている。また各分野に約400人強のフィールドテスターがおり、現場からのフィードバックも豊富。 最新テクノロジーが導入されたあらゆるジャンル(バス、ソルト、トラウト、鮎、へらぶな、渓流など)のラインを続々と輩出中!