強撹拌の限界点。
リップとボディを一体化。ナチュラルさを切り捨て、“ワイドウォブンロールアクション”という最大限アピールに振り切ったO.S.Pが提案する新たなクランクベイトの形「ダックビル」。2024年7月上旬リリース予定…発売時期が迫りつつあります。
【一体化したリップ&ボディ】ナチュラルさを削ぎ、最大限アピールへ振り切った障害物躱しマクりな新感覚クランクベイト「ダックビル」とは?
さて、今回はそんな「ダックビル」に関してより踏み込んだ内容をお伝えすべく、こちらの方に教えていただいた内容をお届け! では、早速伺った内容を紹介しますね!
開発経緯、作ろうと思ったキッカケは何ですか?
今回お話を伺ったのは「ダックビル」の開発者であり、これまでも様々な名作ルアーの開発に携わってきた、O.S.P開発スタッフ“麻生 雅之”さん。
今回「ダックビル」の開発経緯について伺うと、2021年頃にマグナムクランクをスローリトリーブで巻いてシャローを通す“マグスト”が流行り、丁度「ブリッツマグナムSR」でもマグストを楽しまれる方が増え始めている中、“麻生 雅之”さん自身の考えとしてO.S.Pで“タダ巻きで、よりシャローを攻略できるマグナムクランクがあれば良いな”という考えを抱き、実現すべく開発に着手したことが事の始まり。
世にあるマグナムクランクと同じようなモノを作っても仕方がないと考え、頭の中でイメージした理想形は“シャローでユックリ巻いても速く巻いても潜りすぎず、水を強く押してくれるクランクベイト”。こちらをコンセプトに開発を遂行させることに。
ダックビルの初期形状を作る際に、海外のトラウトやマスキーの釣りで需要のある“ヘリン フラットフィッシュ”の存在は大きかった、とのこと。なぜかと言うと、このヘリン フラットフィッシュのアクションが、イメージしているアクションに近かったため。海外のトラウトやマスキー以外にも、バスフィッシングで使えるサイズのラインナップはあるものの、自重が軽く、超ワイドアクションが故、巻きスピードもシビアで快適に使える感じではなかったそう。よりバスフィッシング向けに、日本のバスフィールドにマッチする大きさや形状、動きなどを、何度もテストを重ねて開発を進めていったそうです。
開発当初、開発途中のルアーが複数あった為「ダックビル」の開発もどちらかと言えば、後回し気味。ただ、これからお伝えする出来事が開発の優先度を大きく左右することに…“麻生 雅之”さんが、いつものように「ダックビル」プロトモデルをO.S.P社の水槽で泳がしていると、たまたまその場にいたO.S.Pスタッフの方が口を揃えて「動きがヤバイ」と釘付けになり、その場に居た“並木敏成”さんも「優先してコレを作っちゃって!」というOKサインをもらったことで本格的に開発を始動。
開発時に苦労したポイントは何ですか?
続いてこちらの質問を伺うことに。
苦労したポイントというのか気苦労というのか? 作り始めの時に「本当にコレが釣れるんだろうか?」という不安はカナリあったそうです。
ただ、テストでそんな不安も払拭。ワームで反応しない魚から反応を得られたことで、出しドコロが明確だと実感。
その後、フィールドへ持ち込んでも釣果に差が出る。テスターの方からの話でも、超スレバスがイキナリ反応してきたり、時には状況が合わず釣れないこともあれば、超タフな状況で炸裂…ということも。当初からのコンセプトは、ワイドウォブンロールアクションの圧倒的存在感で、全てのバスを反応させるのではなく“このルアーにしか反応しないバスを釣る”。テスト釣行やテスターの方からの意見を参考にする中で、なおさら当初のコンセプトで正解だったと、開発進行と共に自信もついてきたとコメント。
もう1つの苦労点として“デザインへの悩み”。
リアルシェイプかつナチュラルさも秘めるO.S.Pルアーの中ではカナリ珍しく、イメージしている“ワイドアクション”を出すため、ボディとリップが一体型の斬新な作り。
ウロコやヒレ模様、目など…。
色々取り付けたり書いたり試されたそうですが、足せば足すほど納得がいかず目を付けるか付けないかでも相当悩まれたそうですが、斬新なコンセプトだからこそデザインも斬新に、新たな形で進めようとこの形状に決定。
最も気に入っているポイントは何処ですか?
続いてはこちら!
特に気に入っているポイントについて教えていただくと、“バスに対しての答えが速い、クランクベイト至上最強波動なトコロ”だとコメント。
ファストリトリーブで破綻するギリギリのワイドウォブンロールに拘られており、左右への首振りが速くてカナリ広いという。“麻生 雅之”さん自身「イイ意味で割り切れます」ともおっしゃっていて、魚が居て食わない所なのか? もしくは魚が居てあっさり釣れるのか? なども明確。「ダックビル」を通して食って来ればあっさり食って来るポイントであるため、似たような場所を通せば良い、逆に食ってこない場合は、居るけど食わない、もしくは居ないのどちらかであり、居るけど食わない場合だと、フォローでライトリグを入れれば釣れるとは思いますが、そもそも「ダックビル」を使っている時点でライトリグを投げる人は居ないでしょうとコメント。
“ルアーパワーによって、ダックビルで釣れる魚が効率良く釣れる”トコロが好きですとおっしゃっていました。
“引っ掛からない”ということもメリット。
障害物にコンタクトした際、リップが避けてくれるというよりかは、ルアー本体がひっくり返ってカバーを避けてくれるとおっしゃっていました。
出しドコロ/ブリッツマグナムSRとの違い
「ブリッツマグナムSR」が似た要素を秘めるルアーとして挙げられますが、こちらは守備範囲が広くて万能。また、ナチュラルさも兼ね揃えているのに対し、「ダックビル」は、カバー周辺のシャローで圧倒的存在感を放ち強波動を発生させます。
つまり「ブリッツマグナムSR」よりアピール力が高くて出しドコロも明確。コレにしか釣れない魚が獲れる。「何だコレッ」って思わせて口を使わせることができる。幅広いシチュエーションで使いたい、少しナチュラル要素や食わせ要素などもプラスさせたい場合は「ブリッツマグナムSR」を、アピール力と強波動で手っ取り早くやる気のある魚だけを探し出したい時は「ダックビル」という使い分けが理想かなと。
操作方法を教えていただけますか?
気になる操作方法ですが、基本は“タダ巻き”。
リトリーブスピードはアングラー次第でスローリトリーブからファーストリトリーブまで幅広く対応。レンジを入れたい時はスローに、早く巻けば浅い所を引くことが可能。
幅広い速度でバスを誘うことができる訳ですが、そういった動きを生み出す為に、それからシッカリバスの口へ針を掛ける為にもタックルバランスが大切に。
フッキングの際は、基本的に巻きアワセにはなりますが、リップごと吞んで弾く場合があるので、使用ロッドに関しては、パワーのあるMやMHがベーシック。ラインは14~16Lbで、リールは6:3ノーマルギアがベストだそう。
カラーローテーションを教えていただけますか?
カラーローテーションについて伺うと「お好きなカラーをどうぞ」と一言。
フィールドの水質によって様々であるため、ローテーションは普段通われているフィールドに合わせることが大事。ただ、ボディ素材の違いを把握してほしいとおっしゃっており、「ダックビル」にはボーンとクリアという2種類の素材が使用されています。
この素材の違いはブリッツシリーズでもあったそうですが、「ダックビル」の場合ボディサイズが大きいため、素材の違いによる潜行深度の差やラトル音のサウンドなどが顕著に異なってくるので、今回正式に発表したとのこと。
ボーンはマッディウォーター寄りで、潜りにくい&ラトル音が高いのが特長。
一方、クリア素材はクリアウォーター寄りで、潜りやすくラトル音は若干しずか。
この違いをベースに、ぜひ各カラーをお通いのフィールドに合わせて使い分けてみては如何でしょうか?
オススメカラー3つを教えていただけますか?
オススメカラーを3つに絞って教えていただくと、ボーン素材は“ピンクバックブラック.B PB36”とコメント。汎用性が高く、クリアウォーターでも膨張することなく、濁りだとシルエットがハッキリしている。また、背中が見えるのが楽しいという理由。
クリア素材に関して、ルアーのコンセプトを色で強化されている“KTDリアクションフラッシュ.C KT44”と“ツレスギル.C BH45”の2色。このルアーを選んでいるのであれば、目立たせてナンボ。ナチュラルさを問うなら他ルアーを使ってほしいという理由から、フラッシングでより存在感を強調できるこの2色を選ばれました。
初めて使う方へ一言をお願いいたします
最後、初めて使う方へ一言をお願いすると…。
「このルアーだから獲れた魚が過去に何度も経験しています。心を折らずに使い続けてください。頑張った先には嬉しい未来が…。」
ぜひ、価値ある1尾を…。
以上、“麻生 雅之”さんに伺った「ダックビル」に関する拘りでした。