こんにちは!ヤマガブランクス広報部です。
今回は、よくユーザー様や購入をご検討いただいているお客様からいただく質問「ロッドのパワークラス」と「適正ルアーウェイト」など、知っているようで実は知らない?“ロッド表記”について、お話させていただきます。
Q.他メーカーのロッドとパワークラス表記に差はありますか?
パワー表記に関しましては、メーカーやシリーズによってパワー表記は統一されておりませんので、当然「差」はあります。例えば同じMクラスでもシーバスロッドと青物ロッドでは強さが変わりますし、メーカーによっても使用感が大きく違うことは多々あります。
パワー表記は各メーカー様にて認識が異なる場合がありますので、同メーカー内でロッドのパワーをイメージ、比較するための目安としてお考えください。ヤマガブランクスにおいては、大体、下記のイメージでカテゴリー内のパワー表記をしています。
UL(ウルトラライト):最も繊細
L(ライト):小型ルアーや小型のターゲットをメインとしたライトスタイル用のモデル
ML(ミディアムライト):標準モデルでありながらライトスタイルにも対応するモデル
M(ミディアム):最も汎用性の高い基準となるモデル
MH(ミディアムヘビー):大型も意識しつつ、標準的な扱いやすさも持つモデル
H(ヘビー):大型魚専門で大型ルアーの使用を前提としたモデル。
※これより強いモデルになると、HH、HHH、XHなど多岐に渡ってくるので省略します。
シーバスロッドで言えば、やや小さめの9cmクラスが扱いやすいのがL&MLクラス、最も多用する12cmクラスのミノーを扱いやすいのがMクラス、14~17cmのやや大型ミノーを扱いやすいのがMHクラス、17cmを超えるような大型ミノーを使用するのがHクラスといった感じです。
シーバスのサイズで言えば、セイゴ・フッコがメインならばL~MLクラス、70cm前後のスズキクラスがメインならばML~M~MHクラス、80cmを超すランカーシーバス狙いならばMH~Hクラスといった感じでしょうか。
そして、近年のブランクは更に進化し、より複雑なパワー表記も出てきています。
Q. LMLやMMHはどのような調子になっているのですか?
近年、ヤマガブランクスではパワー表記が「L-ML」や「ML-M」、「M-MH」など、特殊なパワー表記も増えてきました。
特に2023年新製品であるエギングロッドシリーズの「カリスタ」、2024年新製品の「ブルースナイパー」などはラインナップの中に上記のようなパワークラスが数機種存在します。
上記のようなパワー表記をヤマガブランクスでは「コンボパワーモデル」と呼んでいます。簡単に説明をすると、「L-ML」であれば穂先側がLクラス、バット側がMLクラスといったように穂先側とバット側で異なる特性を組み合わせたモデルとなります。
このようなモデルが増えている背景とすれば、多様化する近年のフィッシングシーンに対応するためです。
例えば、「カリスタ90LML」は小さなモーションでエギを大きく動かしやすい、楽に使えるロングレングスのエギングロッドとして開発しました。
通常、ロングレングスでMLクラスのロッドだと持ち重りがあり、シャクリも体力的にきつくなります。ですがこのカリスタ90LMLでは、穂先側をLクラスに調整することで、多用するであろうスラッグジャークも楽におこなえて、ロングロッドのデメリット「だるさ」や「先重り」を感じさせず、長さをいかした攻略を楽しむことができます。
Q.オーバーウエイトは何グラムまで大丈夫ですか?
このような適正ルアーウェイトについての質問も多くいただきます。
適正ルアーウェイトについての質問で、具体的には「このロッドは21gまでですが、25gのルアーはキャストできますか?」といったような内容です。
ルアーの上限ウエイトは余裕があるメーカー様もあれば、上限ウエイトが使用のマックスというメーカー様もございます。これは考え方の違いなので、どちらが正しいということはなく、メーカーによって上限ウェイトに余裕があるかどうかは変わってきます。
ヤマガブランクスの場合は、老若男女、初心者、上級者問わずにどんな方でもキャストやアクションの動作ができるウエイトを“適正なウエイト”として表記していますので、ウェイトの上限値には若干の余裕を持たせています。
どれくらいオーバーして大丈夫かという正確な数字はキャストするルアーの空気抵抗や体積・比重、アングラー側の技量によっても変わるので、明言はできませんが、ヤマガブランクスの場合は上限値の大体1割程度のオーバーウェイトが限界とお考えください。もちろん、ルアーアクションや感度などはベストな状態では無くなる可能性もありますので、推奨スペックを超える場合は十分に注意していただく必要があります。※適正を越えたウエイトの使用の場合、破損のリスクも高まります。自己責任での判断をお願いします。
特殊な例として、キャストしないジギングロッドなどは状況によってはオーバーウエイトが適正となる場合もございます。
潮がないときや風が強い場合の青物ジギングでスペックオーバーのジグを使用することは多々ありますし、ヤマガブランクスで例を出すとすれば、シーウォークライトジギングシリーズを使ったタチウオジギングなどは、オーバーウエイトのジグ使用もご提案しております。これは通常のジギングに比べて、タチウオジギングの場合、ジグの動きが緩やかでも成立する為の推奨です。
例:SeaWalk Light Jigging B66L(表示スペック・Jig40~80g)→タチウオジギングの場合は150g程度までOK
下限ウエイト以下の使用につきましてはロッド破損のリスクは少ないのですが、デメリットとしては操作感が著しく低下します。キャストであれば狙った場所にルアーが飛ばなかったり、感度の低下によりルアーの存在感がわからなくなり、著しい操作感の低下を招きます。
あくまで自己責任で…
最後に、ウエイト適正外の使用は破損リスクが上がります為、自己責任でご使用ください。
釣りにはシチュエーションに合わせて適正外ウエイトの使用が求められる状況もあるため、その際に柔軟に考えていただく為の今回の記事となります。
もちろん、そのためにはアングラー様側の経験や技術が必要ですし、ラインの号数などトータルでのセッティングとなりますので、ご自身の技術に合わせて色々と試行錯誤してみてください。
