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JBトップ50の2018年の年間チャンプが決まる最終戦直前特集!第4戦までのウイニングパターンを振り返ります

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第1戦 野村ダム(愛媛県)戦で優勝した早野剛史 選手のウイニングパターン解説

2018年4月6日~8日

第1戦 野村ダム(愛媛県)戦最終成績表

氏名 重計 Day1重 Day2重 Day3重 獲得p
1
ハヤノタケシ

早野剛史

12,101 4,765 5,030 2,306 50
2
エグチシュンスケ

江口俊介

10,596 3,496 5,190 1,910 49
3
カワグチナオト

川口直人

10,547 3,784 6,055 708 48
4
タカヤマヨウタロウ

高山陽太郎

10,388 4,096 2,124 4,168 47
5
クロダケンシ

黒田健史

10,260 3,834 3,082 3,344 46

なおすべての選手の最終堰堰表はこちら
https://www.jbnbc.jp/_JB2018/view_result.php?t_id=10010&page=result

出典:JB/NBCニュース

 

 

今年は冬が強烈に寒かった反動で、春の到来が急激だった。しかしその分、寒の戻りも強烈でJBトップ50シリーズ開幕戦が開催された4月6ー8日は最低気温3度、氷雨やヒョウも入りまじる悪天候下での開催となった。直前プラでは17度程度あった会場前の水温が、初日の寒冷前線の通過で2日目には14度以下に落ちるというショック状態、プリスポーン後期(メインはネスト直前)というメスはデカいがもっとも気難しいタイミングとも重なり、ビッグウエイトはでるが顔ぶれは日替わり、というトップ50プロをしても完全攻略不可能と思わされる、最高クラスの難易度状態であった。

フィールドの前置きだけでも長くなってしまったが、優勝した早野選手の思考方法、攻略手順は膨大複雑で、詳細に書けば紙面がすべて文字で埋まってしまうため、要点だけを書いていく(表彰台インタビューだけでも20数分という異例の長さ。それも途中から端折って)。

早野選手がメインで狙ったのは中層に浮いているプリスポーンのメス!

早野選手が狙ったのはプリスポーンの魚の中でも中層に浮いている魚。ボトムの魚は小さいため、浮いたメスを獲ることを最優先課題としていた。
狙ったのは基本的にカバー。チップ状のゴミが吹き寄せられた場所や竹などのウッドカバーで、攻略のキモとなるのはその撃ち方だった。

 

棚シェイクという独特のシェイク法がサクレツ

浮いているレンジは今回のように天候が激変すれば日毎に大きく変わるようで、水面直下のこともあれば水深5㍍の3㍍レンジに止まっていることもある。早野選手はこれを棚シェイクと呼ぶ独特のシェイク法で攻略した。まず右手でピッチングでルアーを入れ、シェイクをし続ける。左手でリールからラインを引きだし高く持ち上げ、少しずつ手を下げてラインを送ってルアーのレンジを下げていく。バイトのでたレンジを左手の位置で把握し、その日のアタリレンジをほかの場所にも応用していくという独特のレンジキープテクニックを駆使した。

またシェイクにもワンキャスト1分以上かけ、シェイクをキープする、止める、スローに落とす、急激に跳ね上げリアクションを誘うなど、ここぞというカバーでは何通りものアクションを試していったという。野村ダムはレイダウンなどのカバーの量が比較的すくないため、ここぞという良質なカバーをていねいに攻めることを求められた結果のシェイクの使い分けである。

また、カバーの先端、中ほど、岸のキワではルアーを使い分けるなど、関東最激戦区の亀山ダムで鍛えあげたあらゆるカバー攻略法を総動員し、いるけど食わない中層のプリメスを食うまでシェイクというメンタルで誘い続けた。

キッカー捕獲にはスピナーベイト3種も駆使

また初日の冷水が流入してきた2日目は、全体の濁り、水温、水質を把握するため、湖全域を3回に渡って走り回って確認するなど、フィールド全体を俯瞰的に捉えようとした。これは午後3時に帰着という短い試合時間を考慮すると非常に勇気のいる決断で、一見ムダにも思える。しかし全体を時間の経過とともに何度も確認したことでスピナーベイトでビッグフィッシュ含むリミットを達成するなど、全体把握力を確実に結果に結びつける力を早野選手は持っていた。

 

また、スピナーベイトも濁りの濃淡によって3種類を使い分けるという細かいテクニックも駆使(ボディウォーターの強い濁りにはDゾーン、中程度の濁りにはメディス、クリーク奥のクリアゾーンにはエコハイピッチャーダブルウイロー)。持てる知識と経験を騒動員して、難解な野村ダムの春を解きほぐしていった。

 

最終日はそれらの技も効かなくなる苦しい状況だったが、上流域で小さいながらもなんとかリミットメイクを達成。しかしウエイトは2㌔強のため「負けた」と意気消沈して帰着すると、周囲は想像以上のローウエイト。結果的に1500㌘以上の差を付け、見事にトップ50初優勝をたぐり寄せた。

 

ウイニングルアー

メディス1/2㌉(ジャッカル)。ドライブクローラー4.5㌅(OSP)+NSSパーフェクション#1/0(ハヤブサ)+1.8ー2.2㌘ネイルシンカー。エコスワンプ(レインズ)。ヤミィ4.5㌅(ジャッカル)+パワーワッキーガード#4(ハヤブサ)+0.9ー1.8㌘ネイルシンカー

 

ウイニングタックル

(左から)
カバーネコリグ用:ポイズン・アドレナ163LBFS+アルデバランBFS XG+レッドスプール10㍀
スピナーベイト用:ポイズン・グロリアス168M-LM+メタニウムMGLノーマルギア+レッドスプール12㍀
ネコリグ用:ポイズン・アドレナ264UL+NEWステラ2500S+レッドスプール4㍀
(ロッド、リールはシマノ、ラインはジャッカル)

 

早野選手は、霞ケ浦や亀山ダムでのガイドで培った知識と経験をすべて試合に活かし、見事な状況処理能力とキレのいい判断力で、最難関条件といわれた今年の野村ダムを、唯一上位安定の成績で乗り切った。複雑な条件をあえて複雑な攻め方で落とすという難解なバスフィッシングであるが、ここまで考えて正解を導きだしているのかという驚きを周囲に与えた、プロフェッショナルの極みともいえる勝利の方程式だった。

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