今江克隆のルアーニュースクラブR「ナナマルを仕留めた!スーパーデッドスローとスーパーハイスピード!羽根モノ系ルアーの最新動向」の巻 第1193回
「チビアベンタRS」
現在、デッドスローと金属サウンドを極めた「アベンタRS」のマイクロ版、「チビアベンタRS」が、ようやく「RS」の名に恥じない納得のいく領域まで、完成寸前になってきた。
小さくすることで失ってしまう集魚パワーを、いかに補うかを試行錯誤しているうちに、6年もの歳月がかかってしまった…。
正直なところ、マイクロサイズでデッドスローを、そしてRSサウンドを極めることまでは、さほど難しくなかったのだが、落ちたパワーを補うための最後のピースが困難を極めた。
それが何なのかは、実は高速羽根モノとして「アベンタRS」に並ぶ大人気ルアーとなった「(アベンタクローラー)バゼル」を完成させることで、ハッキリと確信することができた。
小さくすることで落ちた集魚パワーを遜色なくカバーし、デカいバスのスイッチを入れられる能力は「スピード」だったからだ。
スーパーデッドスローとスーパーハイスピード
スーパーデッドスローを極めた「アベンタRS」、一方でスーパーハイスピードを極めた「バゼル」、その双極の能力を1つのボディで実現することは、不可能と思っていた。
「アベンタRS」並のデッド能力に「バゼル」並みのハイスピード能力、その実現へのヒントは、まさかのイマカツ・ラブフィッシュグランプリ企画優勝の一般アングラーの執念によってもたらされた。
ウソのようなホントの話なのだが、本当にそれがまさかの「チビアベンタRS」で、量産化の目途がたったがゆえにここに初めて公開したのである。
「そういう方法があったのね!?」っと、逆にメーカー目線では無意識に避けていたブサイクさ?を、一般アングラーは迷うことなくやってしまう面白さだ。
これは、河野プロの釣果最優先主義のブサイクリグにも相通じるポイントだ。
この夏~秋には、本当に「RS」並のデッドと金属サウンド、「バゼル」並みのハイスピードの双方を可能とした「チビアベンタ」の製品化が、実現しそうでとても楽しみである。
スローとスピードの使い分け
ちなみに、ザッとした羽根モノアドバイスだが、「RS」に代表されるデッドスロー系の羽根モノは、スポーニング直後のポスト状態で浮いているメスにとても効果的だ。
一方で、「バゼル」に代表されるハイスピード系羽根モノ(ほぼ他社に似たモノがないが…)は、バスがスクールを組むアフター回復期から、うだる暑さのドピーカン真夏までの間に無双状態になる。
ハイスピード性能は、スクールを組んで表層のベイトを追い回すバスのスイッチを入れる効果が抜群だからだ。
これが水温30度越えの真夏になると、また夏バテでデッドスロー金属サウンド型のイライラ能力が効果的になる。
その後、またベイトを広範囲に追い回す秋は、ここぞというスポットでのデッドスロー系、サーチで流すときに高速系と、双方とも状況に応じた使い方が可能になる。
ここに来て、平地の野池などではアフター回復も増えてきたため、2月にリリースされた「ダイバゼル」の釣果報告が目立ってきた。
ベイトロッド、太めのフロロでもオリジナル「バゼル」をも凌駕するバズベイト級のハイスピード羽根モノである「ダイバゼル」を、今週ぐらいからは1つはタックルボックスに忍ばせて釣りに行ってみてください。
バスの水面チェイスをあちこちで見かけ始めたら、水面爆走族「バゼル」ファミリーの出番です。