今江克隆のルアーニュースクラブR「ナナマルを仕留めた!スーパーデッドスローとスーパーハイスピード!羽根モノ系ルアーの最新動向」の巻 第1193回
今年の春は特に感じることだが、なんだか日本も昼間は夏のように熱く、夜は冷え込む大陸性気候になってきたような感じ…。
その影響か、GW前に弥栄湖(山口県)に行ったときは、まだスポーンはこれからって感じだったが、GW中に温暖な気候の湖では一気に季節が進み、大型のメスはアフター(ポストススポーン状態)狙いが中心になってきたような雰囲気がしている。
大事件発生!ナナマル登場
そんな急速な季節進行の中、それを裏付けるような大事件が七色ダム(奈良県)で起きた。
イマカツの河野(正彦)プロが、GW真っただ中の七色ダムで、「アベンタクローラRS」で、なんと70cm(推定、余裕の5kgオーバー)のバスを、彼女とラブラブGW湖上デート中に仕留めてしまったのだ。
この時の模様は、動画でノーカットで撮影されており、実際の捕獲シーンについてはここで説明するより「百聞は一見にしかず」なので、是非、動画でご覧ください。
ナナマル発見から、キモとなるルアーの着水をバスに気付かせないキャスト、気付かせて追わせてバイト、そして瞬殺の一気ランディングまでを一連ノーカットで撮影に成功してます。
おかげで彼女もしっかり写り込んでますので、じっくりご覧ください笑笑。
ナナマルを仕留めた「アベンタクローラーRS」の秘密
今回、その70cmを仕留めたのが、河野プロが昔から溺愛するバルサ並の浮力に、バスウッド並みの硬度をあわせもつ、天然桐ウッド製の羽根モノ「アベンタクローラーRS」。
レーシング羽根モノとして、TOP50でサポートメーカー枠を超えて幾度も表彰台獲得のキッカールアーとなり、オカッパリ著名プロも絶賛する、イマカツが誇る究極性能の羽根モノである。
5年前、フックサークルでエグれて中身が剥き出しになるまで使い込んだ河野プロの「アベンタRS」を、三原(直之)プロが見て、その溺愛ぶりにイマカツに推薦し、プロスタッフに加入するキッカケとなった運命のルアーでもあるのだ。
現在の平地や温暖な湖の状況は、大型のメスは初回スポーンを終えた第一次ポストスポーン状態で、疲労で動きは鈍いが2回目、3回目のスポーンのためにスポーニングベッド近くの一段深い場所にサスペンドし休憩しているような状態だ。
体力回復のためにエサは喰いたいが、泳ぎ回ってエサを追いかけるような状況にはない。
できれば、労力をかけずに栄養価の高い大型のイージーなエサを喰いたい状況だろう。
しかし、アフターといえど50cm以上の大型メスは、やはり目も頭も良いし、特にラインの存在には敏感だ。
そういった関係からも見切られにくい水面系大型羽根モノは、アフターの大型メスを狙うには最強の武器となる訳だ。
金属擦過(さっか)音
「アベンタ(クローラー)RS」は、天然桐ウッドボディと、最後尾にセットされたセットバックウィングによる羽根モノ無双のスーパーデッドスロー性能がクローズアップされがちだが、今江的にデッドスローの羽根モノを、喰うか、喰わないかの結構大きな決め手となっていると感じているのが「金属擦過(さっか)音」である。
「アベンタ」シリーズの特徴として、独自のL型交互接触式ウィング金具が、絶妙のルーズさでボディ最後尾に設置されている。
このルーズで接触面積の大きな金具が、デッドスロー時に奏でる独特の金属擦過音は、羽根モノでは極めて重要な要素の一つで、特にデッドスローで見切らせない最後のトリックだと確信している。
理由は分からないが、今江的に金属同士が擦(す)れる、ある種独特のサウンドは、大型バスの本能に訴える何かがあると思っており、この金属擦過音発生機能をルアーに織り込むことには、昔から一家言持っていると自負している。
癇(かん)に障(さわ)らせる
金属擦過音は、バズベイトやチャターのように、スピードのあるルアーでもとても有効な要素だが、ルアーをじっくりとバスに見られてしまうデッドスローでは、さらに有効な要素だと自分は考えている。
スピードで誤魔化せない部分を、「癇(かん)に障(さわ)らせる」ことで、スイッチを入れるためだ。
木目で割れやすい天然の桐から削り出す「アベンタRS」は、量産が非常に難しいルアーのため、十分な販売量が揃うのに下手をすれば1年掛かるほどのメーカー泣かせのルアーだが、ことデッドスローを極めるためには欠かすことのできない性能の一部である。
「チビアベンタRS」が完成寸前!