テンリュウのトラウトロッド「レイズ・オルタ」。レイズ・オルタは便宜上エリアトラウトを軸にしたロッドとはなっているが、実はエリアでもネイティブでもトラウトフィッシングの駆け引きを楽しむためのロッドとしてリリースされている。

出典：テンリュウ公式

出典：YouTube「TENRYU CO.,LTD」

RZA5102S-LLTという異色
全速度域対応クランキンスティック

4機種の中で、ひとつ異色のモデルRZA5102S-LLTがある。前作モデルをベースにしたのではなく、非常にしなやかで使っていて面白い、かつ魚の追いが弱い時などの巻きモノにスペシャリティを持つモデル。

全速度域をカバーするクランキンスティック。これが公式でRZA5102S-LLTを表すフレーズとして掲載されている。まさに、そのフレーズ通りの1本となる。

全速度域対応ということで、スローに巻いても速く巻いても同様の使用感で扱えるクランキンスティックとなっている。

テキストにすれば随分とあっさりしてしまうけれど、ゆっくりでも速くても同様の使用感という部分は難しく、それがRZA5102S-LLTのスペシャルな部分でもある。

クランキングでは当然ながら速く巻けば抵抗は大きくなり、負荷が掛かる。ではロッドを強く、硬く設計すればその負荷の軽減には繋がる。けれどそうしたロッドでは、今度はせっかくのバイトを弾いてしまうのが巻きの釣りでもある。

幅広い速度域に1本で対応するとなれば、しなやかさがありながらもある程度のトルクもある相反する要素が求められる。

超低弾性カーボンの採用

そこでブランクスに採用されているのが超低弾性カーボン。グラス素材に近い低弾性のカーボン。これをチューブラで採用している。ちなみにRZA5102S-LLTのモデル名の最後、「T」がチューブラを表している。

グラスに近い弾性のカーボン素材を採用するならば、そもそもグラスにすればよいのでは？となるが、あくまで全速度域で使いやすい1本を目指したモデルであって、グラス素材を使用すればどうしても重くなってしまう。

だから、「軽さ」の面でアドバンテージのあるカーボン素材ながらグラスのような弾性を持つ超低弾性カーボン（のチューブラ）を採用した。

テンリュウはこのグラスに近しい弾性のカーボン素材を使ったロッド作りも得意としていて（往年の名作を復刻させたスピードスティックしかり）、総じて負荷に応じて適切に素直に曲がり込んでいきながらダルさのないロッドとなっている。

超低弾性カーボン素材

テンリュウはこのグラスに近しい弾性のカーボン素材を使ったロッド作りも得意としていて（往年の名作を復刻させたスピードスティックしかり）、総じて負荷に応じて適切に素直に曲がり込んでいきながらダルさのないロッドとなっている。

もちろん、超低弾性カーボンをブランク全体に採用しているがゆえ、例えばマイクロスプーンなどのデッドスローで扱うとなれば同じくオルタの中でもRZA622S-ULSが向くだろうし、ノーマルサイズのスプーンや一般的なプラグの低速～中速であればRZA612S-LTが感度や操作性で快適だろう。

しかしながらクランクベイトを軸に全速度域に幅広く対応し、使い方次第で遊び方が増える面白味を持った1本となると、やはりRZA5102S-LLT。

ちなみに感度面を補うために極細PEを使うと、自然渓流でのスピナーやスプーンではさらに使っていて思わずニヤリとしてしまうロッドとなるという。

そのあたりは以下の記事もご参考に。

【レイズ オルタ】超低弾性カーボンと極細PEの組み合わせでタフな渓魚を攻略する

また、より詳しくはテンリュウ公式スタッフブログにも記載されている。こちらもぜひ目を通して頂きたい。

http://blog.tenryu-magna.com/?search=alter.html

テンリュウ公式「レイズ オルタ」詳細ページはこちら

天龍（TENRYU）

1961年、六角竹竿加工業として下伊那郡鼎町下茶屋に塩澤製作所設立。1990年、株式会社 天龍に社名変更及び改組。創業当時、六角竹竿で一世を風靡し、1970年には日本初となるバスロッドを自社ブランドで発売。以降、カーボン素材を主軸に幅広い時代のニーズを先読みしたアイテムを輩出している。ソルトウォーターでは超軽量＆高感度のＳＷライトゲームロッド「ルナキア」、ライトジギングでは「ホライゾン」が有名なほか、バス、トラウト、エリアフィッシング、さらにはテンカラなど、非常に幅広いジャンルでこだわりの強いロッドを生み出している。

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