春に盛り上がるタイラバ!
タイラバはじっくり巻くだけのシンプルな操作で、誰でも手軽に楽しむことができる釣り。オフショアのルアーゲームの登竜門としても非常に人気が高く、ターゲットも“魚の王様”と呼ばれるマダイを中心に高級魚のハタ系や青物など、バラエティ豊かに楽しめるのも魅力です!
特に春は産卵時期でもあるため、良型が狙いやすく、群れで接岸するためヒットが連発することも!
さらに産卵前の個体は脂も程よくのり、肉質は弾力もあり特に美味しいと言われています。
今回は、そんな魅力たっぷりの春のタイラバに挑戦したい方に向けた、基礎について紹介していきます!
タックルセレクトについて【ロッド編】
まずはタックルセレクトについて。
ロッドとリール、ラインのセレクトについて紹介していきます!
現在、タイラバ用のロッドは各メーカーから多数のモデルがラインナップされており、価格帯も1万円前後から、数万円のハイエンドモデルまで幅広く展開しています。
タイラバで使用されるロッドの長さは、おおよそ6~7ft(1.8~2.1m)前後が主流。
中には専門性の高いショートレングスの5ft台や、キャスティングに特化した7.5ft前後の物までラインナップされています。
また、タックルはベイトとスピニングで選ぶことができます。
それぞれメリットがあるので、用途や好みに合わせて選ぶのが良いでしょう。
手返し重視で選ぶのであれば、クラッチが切りやすいベイトタックルがオススメ。逆にベイトタックルに慣れていない方やキャスティングで狙いたいときにはスピニングがオススメとなります。
また、潮どまりの時間帯、潮が流れていないときなどには、斜めに引けるキャスティングタックルが活躍するので、基本はベイト、サブでスピニングを持っていく方も多いようです。
はじめてタイラバに挑戦するのであれば、入門用などがオススメ。
近年は手ごろな価格帯ながらも扱いやすいモデルも多く登場しています。
ここでは、数あるなかから5機種をピックアップして紹介していきます。
続いてはティップ(竿先)について。
ティップには中身が詰まったソリッドと、空洞のチューブラーの2タイプがあります。
一般的には、ソリッドは柔軟性や追従性に優れていて、バイトに対しても弾くことなく、ナチュラルに食い込ませやすい特長があります。
それに対し、チューブラーは感度に優れ、やや張りのあるイメージ。感度に優れているので、水深が深いエリアやドテラ流しで流れていった先でも、着底感やアタリをしっかりとらえることができます。
また、ロッド全体が詰まったフルソリッドというモデルも展開しています。こちらはロッド全体がしなやかに曲がるため、魚が掛かった際もバラシにくく、不意な大物が掛かっても曲がりで力をいなし、引き寄せることが可能です。
それぞれのモデルに特徴があるので、状況によって使い分けるのがオススメ。
そして最後はロッドの選ぶ基準、タイラバのスタイルの違いについて。
タイラバは基本、アタリがあっても巻いて、巻いて、じっくり乗せるスタイルが主流。
しかし、近年はアタリに対し、フッキングをして掛けにいくスタイルも人気を集めています。同じタイラバですがスタイルは真逆。
エリアや状況、自分の好みや得意なスタイルに合わせてロッドを選ぶのもポイントです。
また、リトリーブを安定させることが釣果に結びつくタイラバ。リトリーブを安定させるには、グリップを脇に挟んで竿先を下に構えてリーリングすることが重要。自身が巻きやすい姿勢ができるロッドを選ぶのも重要です。
タックルセレクトについて【リール編】
続いてはリールの選び方について
リールは小型の海水対応ベイトリールが基本で、番手はおおよそ200番くらいがオススメとなります。
メインラインはPEラインを使用し、ラインキャパシティは最低200mが巻けるモデルがマストです。
ビギナーの方にオススメのリールはズバリ、カウンター付のモデル。
カウンターがあることで、ラインの放出量やレンジを数値で把握することができます。モデルによっては巻き速度も表示されるものも展開しています。
釣りをしていて、どのくらいの水深でアタリが出たかも数値で分かるので、再現性を高めやすくなります。また、巻き速度も春のマダイは群れで行動することも多く、アタリが出たレンジや巻き速度を船内で共有することで、ヒットが続きやすいメリットも挙げられます。
近年は深場でのタイラバをすることも珍しくなく、PE1号で300m以上巻ける専用機も増えてきています。
また、同じベイトリールでもハイギヤとローギヤといった、ギア比が異なります。
ハイギヤは、ハンドル1回転に対し糸巻が70~80cm前後、ローギヤは50~60cmほどの巻き取り量となります。
それぞれに特徴があり、ハイギヤは1回転の巻き上げ量が多い分、素早くルアーの回収でき、潮の変化などを感じやすいのがメリット。巻いていて良く潮の変化を感じるゾーンはベイトがたまる傾向があり、それを把握しやすいのも魅力です。
デメリットは、巻き感が若干重く、強い負荷が掛かると巻きにくい場面があります。
対して、ローギヤのメリットは巻き上げ力もそこそこあり、巻き感も軽いのが特長。また、スローに誘いたい時にも有効で、低速で一定速度で巻きやすいメリットも挙げられます。
デメリットは1回転の巻き取り量が少なく、ハイギアよりタイラバの回収に時間がかかります。
いずれも、一定速度の安定した巻きがタイラバには有効であり、スムーズに巻き続けることができ、ドラグが滑らかなものを選ぶのが重要です。(ドラグ力は4kg以上が推奨)。
因みにビギナーで安定した巻きを求めるなら、ダブルハンドルのリールがオススメ。パワーハンドルは巻くのは楽ですが、片方に偏った大きいハンドルを回すと、意外と安定させて巻くのが難しかったりします。エントリーするなら、まずはダブルハンドルを選ぶのが良いでしょう。
タックルセレクトについて(ラインセレクト編)
メインラインのPEラインとリーダーのフロロカーボンラインは、狙うポイントの水深や魚の大きさによって選びます。
PEラインは0.6~1号が基本。
リーダーはフロロカーボンライン3~5号(3m前後)程度。初めての方なら少し太めのPEライン0.8号にフロロカーボンライン3.5号などの組み合わせがオススメです。
リーダーは細い方が食い渋りには有効かと思われがちですが、タイラバに限ってはアタリの数にさほど違いはなく、むしろ遊動式のヘッド内を通ったり、根へのスレを意識するなら、4号を基準にしてもOK(太い方が底は取りにくくはなる)とのこと。
リーダーの長さは3m前後がオススメで、傷んだ部分をカットしたり、遊動式のタイラバを交換する時にカットしたりするので、多少長めに用意しておくのがポイントです。
タイラバのパーツについて
続いては、タイラバの各パーツを紹介。
タイラバにはヘッドやネクタイ、スカート、フック、トレーラーなど複数のパーツで構成されています。
ヘッドはシンカーの役割と同時にマダイへアピールさせるためのパーツ。素材は鉛とタングステンの2種類。最初の段階では根掛かりやラインブレイクなどで沢山無くしてもダメージの浅い、鉛タイプのヘッドがオススメ。慣れてくるに従って徐々にタングステンへデビューしましょう。また、ヘッド形状も様々で、形によってタイラバのアクションも変わります(受け流す水流によりスカートなどの動きが変わる)。
では、代表的なヘッド形状をいくつか紹介!
丸型タイプ
リトリーブ(巻き)に対して真っ直ぐにタイラバが動き、ゆっくりフォールして揺れてくれます。
その反面、潮流の強いエリアでは影響を受けやすいというデメリットも挙げられます…。
素早くフォールできるので、潮流の強いエリアでも比較的影響を受けにくいです。後、タイプによって様々ではありますがリトリーブすると、若干ブルブルと動いてくれる物も。
スラロームにすることで大きくアピール。ディープドテラのタイラバやキャスティングでは特にスラローム型が活躍。
そのほかブレードが設置されたモデルなど、様々なモデルも登場しています。
続いてはタイラバのパーツの中でもアピール役を担っているネクタイとスカートについて。
スカートは主にラバー素材のパーツで、ボリュームをアップさせてシルエットを強調させる効果やフックを隠したり、フック同士の絡みも防ぐ役目があります。
対して、ネクタイはマダイのバイトに直結する重要パーツ。カラーセレクトもヘッドより重要と言われており、様々なデザインやカラーも展開されています。最近はネクタイだけのセッティングがあるほど。
ネクタイはカラーや形状が色々。
形状は、大きくいえばストレート系とカーリー系の2種。
ストレートはオーソドックスでナチュラルに食わせるのを得意としているのが特長。カーリーは基本的には水噛みがよいものが多く、強波動をだせるアピール重視型と言われています。
なかにはゴカイや甲殻類など、小さなベイトをイミテートしたショートカーリー型などもあります。
また、シリコン以外にもワーム素材のネクタイも登場しています。
ワーム型のネクタイはシリコンよりも動きやすい特徴があり、潮が緩い場合やデッドスローで誘いたいシーンに活躍するとのこと。
当たりカラーを見つけるのもタイラバの面白さですので、色々なカラーを使ってみましょう!
定番はオレンジや赤系。タイラバゲームが普及し始めた時から既に使用されていたカラーでとにかく万能です。
フックは2本が多く、長短が付けられているのが標準。
チヌ4~8号、グレ8~9号、マダイ8~12号あたりがポピュラー。また、専用バリでは分かりやすくS、M、Lなどサイズ表記されている物もあります。
フックに主につけて使用するトレーラーワーム。
モデルによってはワームキーパーが設置されています。
メリットはこれらのトレーラーそのものがアピールしてくれるため、ヘッド形状などをあまり加味しなくても使いやすい点が挙げられます。味、ニオイの要素を加えたフォーミュラ系も出ているので、1つは忍ばせておきたいアイテムといえるでしょう。