今江克隆のルアーニュースクラブR「予想を超えるモンスター祭りっぷり!『レイジースイマー9インチ』春爆とサイドフックの時代到来」の巻 第1190回
フックがバスから見えない
不遇の迷作だった「ジャバギル」のタスキ掛けフックシステムも、今や「ハドルギル」で大復活の気配がすでに水面下で広がってきている。
いずれも、はるか昔から一貫して今江的ルアーメイキングの悲願は「ステルススイマー」で特許も取得している「フックがバスから見えないルアー」なのである。
今回、河野(正彦)プロをはじめ、多くのローカルプロ達が独自のサイドフックを「レイジースイマー」に搭載していたが、基本はボディの体高内にフックを保持させ、外周シルエットの外にフックを極力出さないことが基本だ。
外周(シルエット)から出ないギリギリの高さ、シルエットから針先少しだけ出ているセッティングが、最も掛りはよい。
逆にボディ側面の中央付近に位置させるとステルス効果は最も高いが、50cm以下のフッキング率は落ちると考えて間違いない。
なお、背針にトリプルフックをトレーラーフックとする方法は最も簡単なのだが、デカいバスほどガン見され警戒されやすく、同時にスレ掛かりが増えるので、あまりオススメできない。
今江的には、逆に背中のシングルフックはむしろカットしても問題ないと思っているが、シングルフックはトリプルフックに比べシルエット的にバスに対しプレッシャーが少ないフックと感じており、55cm以上のバスを狙う時には、そのままにしていることが多い。
逆に「トリプルフック」は、外周からはみ出すと最もバスが警戒する「怖さ(テリブル)」を感じさせるモノと思っている。
いろいろ検証してみた結果、「トリプルのサイドフックは、むしろ小さく(#1~2番の太軸)した方が、逆により掛かる」と感じる機会が多々あったのだ。
ただし、これは狙うレイクのバスの大きさにも大きく左右される。
55cm以上のバスだけ狙うなら、サイドフックは逆に小さい方がよく、50cm以下のバスも釣りたいのなら、フックは大きい方がよい。
一見、逆に思えそうだが、これはフックを小さくして警戒心を最小にし、「レイジースイマー9インチ」を頭から「丸呑み」させて口腔内にフッキングしやすくするのが狙いだ。
55cmクラスなら「レイジースイマー9インチ」を余裕で丸呑みしてくれる口の大きさだからだ。
逆に、50cm以下は、なかなか丸呑みできないため、ボトムでは頭部、中層では腹部に噛みつくようなバイトが多くなるので、サイドフックを大きくする(#1/0クラス)ことでフッキング率は上がるということである。
フックを隠すフェザーフックには賛否両論あるが、今江的にはボディカラーに馴染まない色のフェザーは、逆にそこをバスにガン見されそうなので、悪目立ちするフェザーはない方がよいと感じている。
山岡式簡単サイドフック
最後に、この原稿を書いている今も、多くのユーザーの手によって様々なカタチで「レイジースイマー9インチ」のサイドフックチューンは、現在進行形だ。
だが、現時点で最も簡単で、誰でもすぐに作れて便利で役立つのは山岡プロがガイドでお客さんに釣らせている「山岡式簡単サイドフック」だろう。
これは本当に超簡単な方法で、セットも取り外しも超簡単。
さすがは七色ダム湖畔で四六時中ルアーをイジってる「元祖ジャバギル使い」の山岡プロと自分も唸らされてしまった。
この「山岡式簡単サイドフック」リグは他のスイムベイトにも応用可能なので、サイドフックの効果をぜひ、実感してみてほしいと思う。
2018年、不遇の迷作「ジャバギル」から始まったサイドフックだが、2024年はようやく非常識が常識となるサイドフック元年になりそうな予感がする。