今江克隆のルアーニュースクラブR「予想を超えるモンスター祭りっぷり!『レイジースイマー9インチ』春爆とサイドフックの時代到来」の巻 第1190回
イッキに桜も満開になり、春本番を感じさせる陽気になった先週、関西のモンスターバスの聖地・池原ダム、七色ダムは、まさに春爆モンスター祭り第一弾が始まった。
そして、昨年夏のリリース以来初めての春を迎えるジャイアントスイムベイト「レイジースイマー9インチ(レイジー9)」の予想を超えるモンスター祭りが、池原・七色で開催されていた。
そんな「レイジースイマー9インチ」祭りの中、今週はモンスターを捕獲していた全員が使っていたイマカツオリジナル「サイドフック」の真の威力と、超簡単で最強の「お手軽サイドフックシステム」を紹介しよう。
なぜ、「レイジースイマー9インチ」なのか?
その前に、「レイジースイマー9インチ」のような巨大なスイムベイトが、なぜ必要なのかを、まず理解しておきたい。
このテのルアーは決して「よく釣れるルアー」ではない。
むしろ「滅多に釣れない」ルアーともいえるかもしれない。
だが、一つ、確かなことは、55cm以上のバスは50cm前後のバスとは明らかに行動様式、気性や性格が異なり、ここから上のサイズは、滅多にマグレでは釣れないという事実だ。
言い換えれば、55cm以上は55cm以上を狙った釣りをしなければ、マグレでは滅多に釣れないサイズだと断言できる。
そういう意味では、ジャイアントスイムベイトは、「55cm以上を狙って釣る」ことに関しては、数あるルアーの中でも間違いなくトップクラスであり、55cm以上なら「よく釣れるルアー」になるということだ。
多くのアングラーはまずその大きさから、「釣れる気がしない」という先入観が、せっかくのルアーの力を半減以下にさせてしまっているのだ。
自分は、昔から今もバス釣りのキモは「偶然」と「気付き」の境界線にあると思っている。
「レイジースイマー9インチ」クラスを半信半疑で投げている数投目に、たまたまでも見たことも経験したこともない異様なデカバスの反応を目の当たりにしたら、その瞬間、一気にコンフィデンス(釣れる気がすること)を得て、デカバスを仕留められる「気付き」を「偶然」に得ることになる。
それが、半日投げても起こらないこともあれば、まさかの数投目で偶然起こってそのスキルが身についてしまうこともあるのが、バス釣りの面白さなのだ。
だが、これだけは断言できる。
本気で55cm以上のバスを狙って釣る気持ちがなければ、常識にとらわれない子供のような好奇心がなければ、その偶然はなかなか起きないものである。
サイドフックなら、なぜ掛かるのか
さて、本題の「レイジースイマー9インチ」だが、すでに開発当初の2021年春から「サイドフックシステム」搭載考え、ボディバランス(体高)、腹部に大型シンカーの挿入キャパを考慮し、開発してきた「フローティングスイムベイト」である。
自分の経験的に、バスはナゼか「体高のあるルアーの側面に位置させたフックには、その存在を気付きにくい」と考えている。
その理由は、おそらく、人間と目と違い魚類の目は近くにあるモノを両目同時に見ることが位置的に難しく、人間のように優れた「遠近感がない」のかもしれない。
ゆえにシルエット的に見て、ルアーの外周から飛び出したフックの存在はよく見えるが、ボディとフックが一直線上にあるとその背景にフックが溶け込んで立体的には見えにくいのではないかと考えている。
さほど視力はよくないといわれるバスは、接近すればするほど両眼で見にくく片目になる。
この状態(片目でルアーを見る状態)になると騙しやすいというのはサイトフィッシングの鉄則でもあるからだ。
サイドフックは、極力、ボディの体高内にフックを隠せる体高があるルアーほどステルス効果が高いと考えている。
サイド(トリプル)フックの元祖と進化
実は、サイドトリプルフック発想の元祖は、2018年にリリースした「ジャバギル」である。
その「ジャバギル」開発時に考えた「タスキ掛けオフセット」は、今江的には「ステルススイマー」の「スコーピオンステルスフック」に並ぶ大発明だったのだが、今一つ認知されなかった不遇の迷作でもある。
そこから、バスから見え難く掛りやすい、さらにボトムに置ける「サイドフック」へと進化していくことになるのだ。
余談だが「ジャバギル」がデビューした当時、TOP50七色ダム戦で山岡(計文)プロが、密かに自分と全く同じ「ジャバギル」のトリプルサイドフックを自作して使っていたのは、今だから明かせる山岡シークレットである。
そして、今年のフィッシングショーでは藤田京弥プロも同様のスイムベイトにサイドフック機能を搭載したモノを出してきており、今年は一気に普及するフックシステムになるかもしれない。
京弥プロは、昨年末の対談の折、この件で恐縮していたが、今江的には逆に自分の考え方が彼ほどのアングラーに認めてもらえたことの方がはるかにうれしいことだった。
卓越したアングラーであれば、世に問うタイミングの遅い早いはあれど、ほとんど同時期に同じことに気が付いていても何も不思議はないのだ。
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