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今江克隆のルアーニュースクラブR「毛モノワームの隠された威力と『山岡式チャター(仮)』」の巻 第1189回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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七色ダム戦での吉報

さてさて、後悔と負け惜しみだらけの開幕戦七色ダムだったが、イマカツにとって吉報もあった。

それは、今年から新たにイマカツTOPチームに加入した大物新人?、山岡(計文)プロが、イマカツで加入当初から水面下で開発を進めていた新型チャター「山岡式チャター(仮名)」一本で決勝3尾4kg越えをマーク、予選20位から最後の捲り上げで10位入賞を果たしたことだ。

イマカツと自分は「毛モノ」もそうだが、こと「チャターベイト」に関しては、元祖奇跡の千鳥「モグチャ」で一世を風靡したように、特別な実績と経験を持ってるメーカーだ。

今では当たり前のルアージャンルになってしまったが、あらゆる「チャターベイト」のノウハウは、誰にも負けない自信と経験がある。

バスのサイズが巨大化した現在では「モグチャモンスター」がモグチャの最強定番となったが、永遠プロが2022年TOP50霞ケ浦戦で表彰台を「モグチャ・スピンチャター」一本で獲得したことで、大小チャターは発売からゆうに10年以上たつ今も、定番生産している。

そして、そのノウハウを信頼してくれた山岡プロが、イマカツ加入と同時に作ってほしいとプロトを見せてくれたのが、今回七色ダムで結果を出した「ジンクスミニ」を魔改造した「山岡式チャター」だった。

「山岡式チャター」は、シンプルだが、極めて特徴的な機構がヘッドに組み込まれている。やりつくされたと思っていたチャターベイトに、まだ、さらなる釣れる進化があるとは正直、思わなかった

イマカツの2024新作公開には間に合わなかったが、山岡プロはTOP50七色戦投入を見越して、ギリギリで完成品を間に合わせていたのだ。

山岡プロの強みは、サンプル作成↔テストの繰り返しが目の前の七色、池原ダムで毎日のようにできること。イマカツ加入が決まった直後から超ハイスピードで開発が進んでいる

七色ダムの湖畔に自宅兼作業部屋がある山岡プロ。七色湖畔は釣り以外遊びに行くところも皆無の陸の孤島だけに、夜な夜なルアーをイジることが唯一のヒマ潰しになっており、頭の中はアイデアの宝庫だった

強い濁りで何かが起こる

そして七色ダム戦予選終了直後、すでに夜間大雨警報が出ていた七色ダムで、予選落ちした自分は直感的に決勝の朝に大雨により強い濁りが入ることを予測し、ルアーマガジンの記者を予選落ちした自分の代わりに山岡プロに乗ってもらうようリクエストしていた。

天気予報から「山岡式チャター」で何かが起きそうな予感がしたのは、ドン底にいた自分のせめてもの英断だったと思う。

そして、そのチャターベイトへの予感は、見事に的中することになった。

山岡プロは見事、手作りの「山岡式チャター(プロト)」だけで計5本すべてをキャッチ、3本リミットで4kgを超えで決勝単日6位、総合トップ10入りを決めた。

この「山岡式チャター」の秘密は、今回ルアーマガジン記者を同船させ結果が出たことによって、全貌を早くも4月20日発売のリアルファイトで公開することに決めた。

ホゲまみれのイマカツTOPチームの一筋の光明となった山岡プロ。決勝にて「山岡式チャター」で5本釣って4kg越え上位入賞。急遽、ルアマガ・リアルファイトの記者を、自分の代わりに乗せたカンが当たった

一つ、ココで語れることは、「山岡式チャター」は、極めて特徴的な「ヘッド構造」とともに、チャターの下半身ともいえるトレーラーも専用設計で同時開発している点だ。

今回は、エコ登録が間に合わず、プラでは「フルーク」、本番ではエコがあるデプスの「サカマタシャッド」と「ジャバロン140」で代用したが、本来、最高のベストパフォーマンスのキモは、トレーラーワームのデザインにも存在する。

最強スタンダードになる⁉

今江的経験から、チャターベイトはヘッドとブレードの組合せ方が最大のキモだが、それを生かすも殺すも全ては間違いないトレーラーの選択と、セッティングにかかっている。

いくらヘッドが優れていても、トレーラーの選択、取り付け方を一歩間違えるとゴミチャターになってしまうのが、チャターベイトなのだ。

ゆえにチャターは千差万別、個人差が出ると言い続けてきたが、今回はその「ヘッド」と「ボディ」の組合せを最初からパーフェクトにセットアップしたモノが「山岡式チャター」である。

まぁ、誰が使っても同じ効果が発揮できるので、今江的には面白くないのだが、一般的にはおそらくコレが最強のスタンダード、最強のコンビになると思う。

「モグチャ」とフラット系ワームの相性の良さは4年ほど前から何度も書いてきたが、チャターのトレーラーワームのキモは、縦でも横でも実は「フラット面」にこそ、秘密があることに気付いたからだ

専用トレーラー

この意見は、山岡プロとも、河野プロとも意見の一致をみるのだが、近年、バスはチャター本体のサイズに関わらず大型のトレーラーワームが付いたチャターを好んで襲う傾向がある。

バスが大型化したのも理由だが、むしろスイミングワームの威力を数倍化する駆動装置のような存在になっている感じがする。

「山岡式チャター」は、現在、定番化している「モグチャ・モンスター」と「モグチャ・スピンチャター」の間を埋めるミドルサイズチャターとして、最速で秋口には製品化できる予定だ。

そして、専用トレーラーは、かつてアメリカのトーナメントでシークレットトレーラーとなり、そっくりなフォロワーが続出したあのイマカツの看板ワームを、自分が2018年以来開発に苦戦し、半お蔵入りしていたフルーク系ジャークワームにコンバートさせたワームである。

「なんでそれを思いつかなかったのワシ???」って、今はその発想をサラッと出してくれたアイデアの宝庫、イマカツのことをイマカツ・プロ以上によく知っていた?山岡プロには超感謝である。

2018年からジャークワームとして開発しながら、半お蔵入りになっていた「ステルススライダー」。山岡プロのヒントで一躍「チャターベイトトレーラー」として唯一無二のカタチに進化できた

チャター大好きの自分にとって、久々に使いたいとワクワクするイマカツ新型チャターがTOP50開幕戦で結果を出してくれたことは、ほんとデジタル地獄に仏、アナログスタイルに一筋の光明を見た唯一の救いであり、収穫でした。

決勝前夜、深夜に豪雨が降って濁りが入った七色ダム。濁りが入ればアナログな釣りでもライブソナーと互角に戦える可能性を、山岡プロは見せてくれた

七色ダム戦後の池原ダムガイドでも絶好調だった「山岡式チャター」。日本初のチャターヘッドと専用トレーラーのセット販売になると思う

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