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【礒野寛之のエリア開発通信 vol.2】人気上昇中のトップウォーター「パペット・サーフェス」に仲間が増える!

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皆さん、こんにちは。礒野寛之です。

すこし前に「礒野寛之のエリア開発通信」ということで記事を配信させていただきました。その際には開発者として考えていることや、実際に進めている開発の裏側などをお伝えしたのですが、今回はそんな中からカタチとなりリリースされるルアーについて深掘りしたいと思います。

礒野 寛之(Hiroyuki Isono) プロフィール

スミスでトラウトタックルの製品開発に携わる。フィールドテスターから社員になったという経歴を持つ。エリアトーナメントでの上位入賞も数知れず。サンライン、オーナーばり、ストリームトレイル、リブレ、ZEQUE by ZEAL OPTICSのサポートを受ける。
礒野寛之のエリア開発通信 vol.1

【礒野寛之のエリア開発通信 vol.1】今、進んでいるモノ。考えているコト。ここでしか聞けない赤裸々ボイス

パペット・モア爆誕! 5月登場予定

「CADデザイン→造形→テスト(検証)」を繰り返し、時間をかけて生まれてくる新しいエリアトラウト用プラグ。自信を持って使いたくなるものでないと嫌なので、まだ開発中のものだらけですが、そんな中で今年の5月、新たにやっと1種類のルアーが追加となる予定です。

名前は「パペット・モア」。

△写真上が「パペット・モア」となる、サイズ比較されている写真下が、ここのところ注目度急上昇中の「パペット・サーフェス」だ

このルアー、リップが付いているのでぱっと見はクランクベイトに見えますが、実はロッドアクションを中心に誘っていく“トップウォータープラグ”なんです。

メリハリのある「キビキビトリッキーアクション」を演出でき、誘いもアングラーの意図に合わせて、弱くもできれば強くもできる。そして様々なリズムで器用に表現できます。

ベースとなるのは「パペット・サーフェス」。

多くの著名エキスパート選手が愛用しており、出しどころも理解してくださる方達が増えてきて嬉しい限りです。

そしてデビューしてから全国各地のエリアトーナメントでウイニングルアーに。今年に開催されたトラウトキング選手権大会プロ戦(アルクスポンド焼津戦)、また同日に開催されたローカルトーナメント(キングフィッシャー)でもウイニングルアーの一つとなり注目されたことは記憶に新しいかと思います。

アクション・開発秘話をチェック

出典:YouTube「スミス公式チャンネル」

出典:YouTube「トラウトゼミナール」

開発者が語る、パペット・モア誕生秘話

パペット・サーフェスは、魚のやる気に合わせていきやすい“アジャスト力”が強みですが、それでもさらに最適化させたい状況が出てくるのは当然。道具に対してわがままな私も、以下のような状況を何とかしたかったんです。

「喰いたいという意識はある、でも動ける体力が足りない」逆もあり「動ける体力はあるが喰いたいという意識が足りない」そんな状況が実際には多く感じます。それを人間に例えて考えていくと釣りの幅は一気に広がります。この話の詳細はまたいつか。

ちなみに上記の場合、実際のバイトゾーンより深いところで、魚の動きや目線が挙動不審になっている状態が多くなります。

“あともう少し”のスイッチを入れるために、パペット・サーフェス以上の強いアピールを持たせたい。でも誘い方はパペット・サーフェスと同じようにしておきたい。

実はパペットとは違う形で数十個のサンプルを作り検証していたのですが「やっぱりパペットのように使える別モデルが必要だ」という結論に至り、パペット・モアの開発がスタートしました。

パペット・モアの出しどころは?
いつ使うと効果的?

私なりの使い方をお伝えします。

まず、水面まで出てくれそうな状況に遭遇した時からスタート。最初はパペット・サーフェスを使って状況を見ることが多いです。そこで、誘いに対する魚の反応を確認しておくことがとても大切になってきます。言い換えれば魚探的な役割も持っているんです。

全体的にフィールド環境を見つつ、「ルアーまでの距離の詰め方」や「バイトの質」「誘ってからバイトがあるまでの時間」など、次に繋がる情報を目視や手元から得ていきます。そうすることで、単純に釣れるか釣れないかだけではなく「水中で魚がどのように過ごしているか」動きが見えてくるんです。

その情報に対してパペット・サーフェスを使い続けるのがベストな場合もあれば、トップ以外のパターンにすぐさま移行する場合もあります。

そして先に述べた話と重複しますが、パペット・モアはこんな感じで使い分ける事が多くなります。

数々の検証テストを繰り返し…

まず初期プロトは、そのままサイズアップしたものからスタートしました。しかし想像通り、それでは納得いくものとはならず。

そこから、動きのキレや浮力・水押し・飛行姿勢・引き抵抗・フッキング性能…その他にも様々な要素を考えて、何度もボディ図面・内部構造を作り直していきました。その時点でサンプルはさらに何十個か。

その中である“矛盾点“を解決するために「重心移動」の必要性を感じ採用することに。ルーム形状も何度も作り直し、飛距離やウエイトの立ち上がりをチェックしていきました。

エリア用としては珍しい「重心移動システム」の採用

先述した通り、ウエイトルームをルーム内で移動させることで、この3点の課題をクリアさせています。

①飛距離の向上
②飛行姿勢の安定化→着水直後の誘いの安定化
③ノックサウンド発生による強いアピール力

カタカナの”ノの字”に近いルーム構造にすることで、必ず着水直後に元の位置へウエイトボールが降りてくるようにしています。これは飛距離を大事にする中で、それ以上に動きの立ち上がりをもっと大事にした結果です。強いウォブンロール中でもウエイトボールの位置は前方下部に留まり、エラーアクションを起こすことがない。そして沖での着水直後という貴重な誘いのタイミングでも無駄なく誘えるようになります。

納得いくフッキングへと繋げるための改良テスト

エリアトラウトルアーは、反応させられるだけでなくイメージ通りに何度でもフッキングできる自信が持てるルアーである事が大切だと私は思うのです。

従来はルアーが大型化すればフック位置も大きく変わってくる(それぞれの間隔が離れてくる)もの。パペット・モアは、アクションだけでなく“フッキング”のタイミングでも、パペット・サーフェスに近い使用感で使いこなせるようようにしたかったんです。

テール位置を前方へずらし、フロントとリアそれぞれのフックの距離を縮める事で、よりフッキング時の手応えが感じやすくなりました。

カラーラインナップは11色

カラーについてはクリアーが基本ですが、それ以上のポテンシャルを発揮する場合もあるのでそれぞれのカラーを忍ばせておくと安心ですし、何より楽しみ方が広がります。

その内、新規カラーがひとつ…

今回のパペット・モアのラインナップから足されていく完全新規色。「シークレットゴールド」というカラーです。

限りなくクリアーに近くなるよう(その強みが活きるよう)うすーく金パールを吹いたものです。

太陽光を受けて近づいてきた時のほんの僅かな違いでローテーションを充実させます。

スミス公式「パペット・モア」詳細ページはこちら

SMITH(スミス) プロフィール

1970年創業。日本のルアーフィッシング創成期からそのノウハウや楽しみ方を提案し続けている。バス、ナマズ、ライギョ、トラウト、ソルトと展開するジャンルも多岐に渡る。展開するタックルはスミスオリジナルのロッドやルアーに加え、プラドコやゲーリーヤマモトといった海外製品の輸入販売も行っている。
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