今江克隆のルアーニュースクラブR「世界最高峰スピニングリールのガチインプレ〜スピニングリールの深淵〜」の巻 第1187回
23エアリティ
だが、この「イグジストSF2500SS」の勉強は、ダイワのスピニングリールへの姿勢を理解するのには、非常に大きな意味と理解を深める結果にもなった。
同時に、自分が購入をひたすら迷った現行の「23エアリティ」の購入を一旦留まらせ、ちょうど先週新製品リリースされた「23エアリティST/SFシリーズ」の購入機種を熟考させる、よい判断材料にもなった。
要はダイワが今年3月、満を持して発売した「歴代最軽量135gST/SF全部載せ」の新型「エアリティ」のどの機種を選ぶか、である。
「イグジスト」への理解がなければ、「イグジスト」の140gを上回る135g、なおかつSFスプール搭載、STチューンで最初からマグシールド除去の淡水仕様で初動も軽く、さらにはクイックドラグも搭載し、価格は「イグジスト」フルチューンの約半分の6万円台となれば、間違いなく「イグジスト」を経験してなけば、自分は「エアリティ」の最高峰である「SF/ST2500SS-QD」を購入していただろう。
そして、非常に有難かったのは、先々週のプリプラ時にダイワ所属のプロから発売前に七色ダムで新型「エアリティ」を試させてもらえたことだった。
正直な感想を書いてしまうと、135gの「23エアリティSF/ST2500SS-QD」の登場は、自分が最初に揃えた140gの「22イグジストSF2500SS/SLPWチューンST&QD」の立ち位置を揺るがす異様な存在だった。
ダイワの最高峰でもある「イグジスト」の25、もしくは26「イグジスト」が発表になる時、この「エアリティ」の135gを切ることなど、物理的に可能なのだろうか…とすら思わせる異様な存在だ。
だが、同時に今回の「イグジストSPLチューン」の経験から、逆に「エアリティ」に関しては、150gの「23エアリティLT/ST2500S-QD」を選ぶに十分な理由付けになった。
「SF(スーパーフィネス」ではなく、あえて標準型「LT(ライト&タフの略号)」の「23エアリティ」を選んだことで、4lbフロロ、PE0.8号以上にも対応できるスプール装備、剛性も併せ「イグジスト」との明確な使い分け方が自分の中で整理することができた。
確かに史上最軽量135gの「23エアティSF/ST2500SS-QD」は、非常に魅力的だが、メカ的精密度では若干ではあるが「イグジスト」に軍配がある。
さらに、マグシールドを除去し、軽量な外注ハンドルに変えることで数グラムだが140gを切ることも可能だからだ。
ただ、自分はハンドル的には「イグジストSF」のハンドル形状と長さがミドストやホバストの一定速リトリーブではやや苦手で、この点は明確に「イグジストSF2500SS」より、やや長く角度も微妙に違う「23エアリティLT/ST2500S」、「ヴァンキッシュ」のハンドルが、自分にはよく合う。
そこで、ハンドルだけは外注ハンドルを装備することで「イグジスト」の使用感を自分に合わせている。
まだ書きたいことが山盛り…まさに深淵
以上が、今江的「イグジスト」&「エアリティ」のファーストインプレの触りだが、まだ書きたいことの半分も、今週だけでは書けてはいない。
アングラーの個人的感覚やキャストのクセがリニアに反映しやすく、剛性にも差が出にくいベイトリールに比べ、スピニングリールは「機械的性能差」、「機種的スペック差」が非常に大きく、使用目的に明確な差が出ると感じる。
それだけにスピニングリールの用途別ベストチョイスを判断するのは、自分レベルでも相当に一発でアタリを引くのが難しいと思う。
最高峰スピニングリールを使い比べ初めて分かったことは、180g以下なら軽さは必ずしも最優先事項ではないということだ。
実は、価格以上に機械的要素からハイエンド以上のベストチョイスが間違いなくある。
それを語るには、今の自分ではまだまだ最先端スピニングリールの経験値が足らなさすぎる。
今後、さらに真剣に実戦で使い込み、また「スピニングリールの深淵」に触れる独自インプレを書いていきたいと思う。