=秋はベイトフィッシュの格言通り=
ここまではウイードと水から状況を説明しきたが、この時期の本質であるベイトの存在を突き詰めるというのが、一番明快に釣れるスポットがあぶりだしてくれるだろう。
南湖も北湖もベイトさえいれば釣れるワケで、バスが求めているのはエサなのだ。「秋はベイトフィッシュ」というバスフィッシングの格言通り、基本に忠実にベイトの多いエリアにいくのが鉄則だ。
アユ、ハス、ギル、モロコ、ワタカ、バスの稚魚の多いエリアが正解であり、これらが多いエリアは釣れるが、これらが抜けてしまうとバイトすらなくなる。いくら魚礁があろうとも、ウイードがあろうとも、ベイトがいないエリアは「無」なのだ。
では、ベイトの多いエリアを探していくと、それぞれのベイトの習性と生息域に密接に連動してくる。アユ、ハスにおいては水温が下がりはじめるこの時期は河口域で流入の多いエリアや、全開放流であればメインチャンネル付近にも多くなる。反対に、湖流が弱くなった箇所は避ける性質があるため、放流量が低下すると消えてしまう。
そのため、アユ、ハスでの入れ食いやラッシュが起こっても放水量が変われば、もぬけの殻となることが多い。ただ、南湖の下物やシャローでの一時的な猛ラッシュにはアユやハスがトリガーを引いていることが多い。
モロコなどは北湖のディープに多く、水深10㍍ラインなどのフラットでのパターンが成立する。こちらは北湖の広大なフラット上でのパターンなので、日ムラが激しくパターンとして50㌢UP連発など景気がよいこともあるが、安定感には欠けてしまう。
逆に安定しているパターンとしてはギル、バスの稚魚となってくるが、今年の南湖はギルの個体数が著しく減っているので、メインになってくるのが「バスの稚魚」だ。
これらは湖流を嫌う性質があるために南湖内でもエビモパッチやフサモの影に群がっていて、あまり場所を変えない。そのため、いつも同じような場所で釣れる反面、いつも叩かれているような状況に陥りやすいので、大きく釣果を伸ばすことは難しいパターンとなる。