“ここ二年くらいで、ロックショアの釣りが大きく変わってきている…”
そう語るのは、ロックショアゲームのレジェンドの一人、本林 将彦(もとばやしまさひこ)さん。
以前であれば、15kgオーバーのヒラマサをあげる方は非常に珍しかったのですが、最近では15kgオーバーをはじめ20kgクラスが上がるのも珍しくなくなりつつあるというのです。
また、ラインもPE4号で強度が70lb(以前でいえばPE6号クラスの強度)のモデルも出るなど、以前と比べ状況の変化やギアの進化など、ロックショアゲームを取り巻く環境そのものが大きく変化しています。
そんな目まぐるしい変化にあわせて誕生したのが、9フィート5インチのショートレングスモデル、「ミュートス アキュラ 95H」シリーズ。
「ミュートス アキュラ」といえば、世界のロックショアフィールドで高い評価を受けている、ゼナックが誇る人気シリーズ。
これまでロックショアというと10ftオーバーのレングスが基本と言われてきましたが、今作の「95H」はこれまでの常識を塗りかえるロッドに仕上げられています。
TypeR と Oceanから2機種が登場
「ミュートス アキュラ」から登場する、9ft 5inchのショートレングスモデル。
なんと今回はレーシング仕様の「Type R」と、新たに新設されるハイスタンダードシリーズ「Ocean(オーシャン)」の2種類からラインナップされます。
なぜ「ミュートス アキュラ 95H」が誕生したのか?
今回はロックショアにおけるショートレングスのメリットやその特徴について紹介していきます!
近日、「MUTHOS Accura 95H Type R」・「MUTHOS Accura 95H Ocean」についての記事も公開予定ですので、お楽しみに!
ゼナック公式「ミュートス アキュラ 95H」詳細ページはコチラ
ショートレングスの利点が凝縮された「MUTHOS Accura 95H」
では、いよいよ本題の「MUTHOS Accura 95H」について。
上記でも紹介したように、ショートレングスの利点が凝縮されたロッドに仕上げられています。
ショートレングスの利点といえば、キャスティングの楽さ、ルアー操作のしやすさが挙げられます。しかし、それよりも特筆すべき点は、魚を寄せるリフトパワーの伝達が非常にスムーズであること。これに尽きると思います。
しかし、一方でレングスが短くなったことで、ティップから水面までの距離が広がってしまうため、近距離でのルアー操作が難しく、足元に潜む魚を反応させにくいというデメリットも上げられます。
今作ではそうしたデメリットも排除しつつ、さらにショートレングスの良さをもっと活かせるよう、設計を一から見直し開発がすすめられたのだそう。
本林さんも“かなりマジックを持っている”と語るなど、ゼナックが長年培ってきたロッド精製技術が活かされたロッド設計になっています。
ゼナックだからできるブランク設計
先日公開された動画では、26gのミノーから300gのウエイトまでフルキャストする様子が公開されています。
もちろん、幅広いウエイトに対応できるという点も素晴らしいのですが、注目してほしいのはキャスト時のブランクのしなり具合。
26gのミノーをキャストした際はティップからベリーがしなやかに曲がり、ルアーのウエイトを乗せてしっかり振り抜けている様子が伝わります。
対して、300gのキャストではベリーからバットにかけて曲がりこむことでパワーをためて、フルキャストを実現。
つまり、26gの軽量のルアーもロッドのウエイトを乗せて飛ばすことができる=ティップからベリーにかけてはかなりソフトであること、逆に300gをフルキャストできるのはかなり強いパワーのバット・ベリーを持っているというのが分かります。
バット・ベリー・ティップそれぞれ異なるパワー設計の部位が、如何にきれいにつながって1本のロッドとして生成されている、その技術こそ、本林さんが言う“マジック”のポイントとなります。
ゼナックの素材選びから、積層技術があってこそ実現できたロッド設計といえるでしょう!
これができたのも、キャスティング範囲が広い「ミュートス アキュラ」のノウハウ、さらにそれを進化させた「ミュートスソニオ」、そのノウハウをさらに進化させてできたのが今作の「ミュートス アキュラ 95H」シリーズとなります。
まさに歴史を紡いできた集大成の1本といえるでしょう。
ソフトなティップがショートロッドのデメリットを解消
では、ここからはショートロッドのデメリットがどのように解消されているのかについて解説していきます。
ポイントは、前述したソフトなティップセレクション。
このソフトなティップが、足元付近でのルアー操作を劇的に改善。
泳がせにくいと言われていたダイビングペンシルやポッパー、ミノーでも問題なく足元付近での誘いができるのだそう。
また、魚とのやりとり中もティップからベリーがしなやかに曲がることで、ショックを緩和する効果も備わっており、アングラーをサポート。
足場の高い磯や、より高いドラグセッティングの中でもファイトができるよう設計されています。
そのほかにも、ショートロッドならではのメリット、リフトパワー(リフティング力)もさらに磨きが掛けられています。
その一つが、100Hと長さを比較すると、たった18cmの差ですが、驚くほどパワーが強くなります。「ミュートス アキュラ 95H」ではさらにリフティングがしやすいアクションに設計されているので、より余裕を持ったやりとりができるのだそう。
実際、本林さんも95Hのモデルで、PEライン4号を使用し約12kgのヒラマサを釣り上げています。
その際のドラグセッティングも最初は12~13kgで設定していたのですが、最終的に4号ラインでは厳しいと言われる15kgまで引き上げてファイトしており、ファイト時間も約1分ほどで引き寄せたのだそう。
実は、今回の「95H」のロッドを開発する際、“PE4号を使って、PE6号のファイトができるロッド”を目指したのだそう。
ラインブレイクさせないティップのしなやかさ、魚の引きを受け止める強靭なバットこの二つの要素を併せ持つことで、リフティングコントロールも向上しており、本来不可能とされていたファイトも可能にしています!
そしてショートレングスロッドのメリットに上げられるのが、ルアーの操作性。
実際250gのジグを操作した際も、フルに動かすことができ、細かくジャークした際もベリーからティップの先までしっかり跳ね上げられるので、キビキビとしたアクションの入力が可能。
レングスが短いため、潮の抵抗などを受けた際でも負荷は非常に少ないとのこと。
シャクった際も軽快に操作することができ、アングラー側の負担も少ないとのこと。
ジグのほかにもダイビングペンシルやヘビーウエイトのポッパーなど、ロックショアで使用するルアーであれば、一通りに扱うことができます。
ロックショアのショートレングスというと、足場の高いところではなかなか扱いにくいイメージがつきがちですが、今作の「ミュートスアキュラ 95H」シリーズでは、そうした弱点を解消しつつ、メリットを最大限発揮されています。
詳細は以下の動画でも公開されていますので、ぜひ併せてご覧ください。
本林さん自身も、“ここまでのロッドは今までにない”というほど、非常に完成度が高いロッドに仕上げられています。
また今回は、フラッグシップの「TypeR」と、ハイスタンダードな「Ocean」の2種類が登場しますので、より多くの方が手にできるチャンスでもあります。
ぜひこの機会に、「ミュートスアキュラ 95H」シリーズを手にしてみてはいかがでしょうか?