…もう終わっちゃってもいいですか?
青森遠征から帰ってきた後は、再び富山でのテストに戻ります。
発売を春のベストシーズンに間に合わせるべくどうしても年内にOKを出したかったため、雨の日も風の日も雪の日も、足しげく海に通います。最終段階と言うこともあって、仲間たちも毎日釣り場へ。また、各地のアンバサダーさんやビッグヒッパーのみなさんも釣果で応援いただき、良い感じで一体感が生まれてきました。
だいぶ魚も掛けた。後は、納得の1尾を釣るだけ。年の瀬も押し迫ってきた頃、ビッグヒッププロジェクトでデザインと設計図を担当してくれた草嶋さんと、昔からずっとよく通っていたポイントに向かいます。
到着するといつもの釣れる風。なんとなくわかっていただけますかね?本当に通い慣れた場所だからこそわかる、そんな雰囲気ってありますよね?僕の感覚の話ですが(笑)
その日のその風はビッグヒップをいつもより遠く遠くに運んでくれます。着水で糸ふけを巻き取りつつ、少し水受けを感じながらビッグヒップの姿勢が水中で安定した感覚が伝わる。そしてゆっくりと潮を感じながら巻くと、いつもと同じところでいつもと同じような小さな当たり。
「やっぱりついてるね」
そんなことを話しながら、久々にゆったりと二人でメバル釣りを楽しみます。
いつもの場所でいつもの釣友と。ほどよく釣りを楽しみながら、先ほどの一尾でなんだか少し気が抜けた僕が不意に「最終テスト、もう終わっちゃってもいいですか?」ふとこんなことを言ってしまった。
「いいんじゃない?良い魚も出たし十分釣ったでしょう」いつもの草嶋さんの感じだ。
1日でも早く皆さんの元へビッグヒップを届けたい!その一心で頑張ってきたのだが、なんだかこの4年間が楽しすぎてそこにはテストを終えたくない自分もいる。でもここで一旦はゴールをしないと、それこそみんなに届けたいはずなのに本末転倒。ビッグヒップは僕の中ではまだまだアイデアがあり、今回の60mmはその序章に過ぎない。プロジェクトはまだまだ続くし、続けたいと思っている。
そんな話を大晦日、日が変わる寸前に、tict土居さんに伝えたところ、なかば強引に背中を押してもらった。
じゃあこれで完成ですね。ここはめでたく、新年へと変わると同時にインスタで完成宣言お願いします。
これが僕らの4年間、そして濃密な3ヶ月のラストランの一部始終であり、一旦はゴールとなります。本当にこのビッグヒップ、みんなで長い時間をかけて、納得のいくルアーにに仕上がりました。
ちょっとルアーニュースRさんのいつものテイストと違う記事になってしまいましたが、編集担当の田中さんにも快諾をいただいておりますので、そこはなにとぞご容赦を。
…なんだかこれで終わりっぽい書き方になっちゃいましたが、実は話はもう少しだけ続きます。次は、ラストランと並行して進んでいた製品版のカラープロジェクト。ビッグヒップのスターティングカラーについてお話ししようと思いますので、もう少しだけお付き合いください(笑)