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それは険しくも、濃密で、そして楽しい3ヶ月だった。「ビッグヒップ」プロジェクト完成宣言に至るラストラン

寄稿:飛田俊一郎
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メバリング特集

検証、検証、いざ青森へ

12月5日の夜。ロングドライブ先の青森でアテンドしてくださったのは、ビッグヒップの3Dプリンターバージョンの初めての嫁ぎ先というご縁で、当初からビッグヒップを使ってくださっている鎌田さん。

写真右が鎌田さん

お会いするのは実はこの時が初めてになりますが、SNSで頻繁にコミュニケーションはとっており、感覚としてはずっと前から一緒に釣りをしている仲間と何ら変わりません。これもビッグヒップを通じて楽しい時間を共有できている証拠、ほんとにこのプロジェクトを進めてきて良かったと喜びを感じます。

そして、鎌田さんとともに釣りを開始しますが、長く使い込んでくださっている事もあってか、初対面なのに、ビッグヒップで釣れる海の状況やメバルが好む潮などの情報共有がバッチリできてしまいます。さらに意見交換もスムーズで、2人で最終プロトから伝わる潮の感覚を頼りに魚を探します。

障害物の角から入ってくる潮、そしてそこにできる反転流に入った時に、初めて強いバイト! しかしながら想像と違う方向からのバイトだったため合わせがうまく決まりませんでしたが、イメージを修正して数投、今度は綺麗にフッキング。ようやくビッグヒップの最終プロトが青森のメバルに出会えた瞬間でした。

翌日は自分のスタイルで

さて、翌日は鎌田さんと合流するまで僕のいつもの遠征スタイルで釣りを進めます。

基本的に遠征先では、現地の人と一緒に釣りを楽しみたいため(僕の遠征する理由の半分は人に会うことです)、食も釣りもアテンドは素直に受け入れる方です。今回も遠征中に青森の釣りに詳しい、秋田のtictアンバサダー田村くんが心配して連絡してくれました。本当に仲間の存在はありがたく、ヒントもたくさんいただきました。

反面、アテンドされたポイントだけで釣りをしていると、フィールドから伝わる肌感や、匂いを嗅ぎ分ける感覚が鈍くなります。なので、遠征の半分は自分で課題を決めて、それを追って行く釣りをしています。

青森遠征で設定した3つの課題

実は、今回の青森遠征の課題はこの3つに決めていました。

①ディープエリアの表層でもメバルを釣ること(ビッグヒップのメバルを表層まで引っ張る力をテストする)

②富山で培ったシャロープラッギングが同じように青森(陸奥湾)でも通用するかを確かめる

③メバルをたくさんかけて、フッキングの感触を確認する(3Dバージョンとの違いをテストする)

という訳で、明るいうちから場所を探し入念に釣行プランを練ります。

まずは、スマートフォンの地図で場所探し。気になる場所を実際に見に行きます。そこで、水深、地質、障害物、海藻の有無、ベイト等を入念にチェックします。何ヶ所かの中から、有望なポイントを絞り込み、どのような順番に回るかまで決めたら、後は日が沈むのを待ちます。

青森での単独検証

水深10メートルの消波ブロック帯

まず、夕マズメのエントリーポイントは外洋向き水深10メートルの消波ブロック帯。

スタートはビッグヒップを投げていましたが、数回のショートバイトのみ。活性は低くないものの、魚は浮き切らない様子でした。「魚のストック数が少ないのだろうか?」すぐに表層を見切り、狙いをボトムリサーチに切り替えます。

飛距離を出して広範囲に探りたいため、セレクトするジグヘッドは少々重めのアジスタTG MHの4.0g。

そこにブリリアント2.5インチをセットします。

ボトム付近をリフト&フォールで探ると…連発!!ボトム付近にはしっかりメバルが入っています。

後は、この魚が表層まで出てくる潮の流れを読み取るだけ。プラグとジグヘッドを交互に投げ、ポイント全体の潮の流れを読み取り、頭の中でポイントの3D化を進めます。

堤防を歩き、徐々に先端へ移動していくと、あからさまにビッグヒップから伝わる流れに変化が。ここからが集中ポイントです。青森のメバルが食ってくる潮の感覚はまだ掴めてませんが、僕の経験からこの変化点を大切にしないといけない事だけは確かです。払い出しの重さ、流れの抜けに注意しながら、活性の高いメバルの居場所を探します。

さて。この潮を探す釣りをするならば、ロッドはICECUBE IC-710TPS “プラッギンシェイプ”がマストです。

中空のプラグを扱う事に特化させたしなやかなベリーがビッグヒップをより遠くに運び、潮の流れを的確に掴んでくれます。また、消波ブロックの上で釣りをする時は、手前の障害物を躱わすのにも長さが優位に働きます。ビッグヒップと同時に開発していただけあって、相性は抜群。まさにビッグヒップ専用ロッドと言っても過言ではありません。

…少し話が逸れましたが、キャストしゆっくり巻いていると徐々にルアーが重くなり出します。その1番強いところで、ルアーを止めてじっくりホバリングさせた所で小さなバイト。瞬間巻き合わせし、竿をバットから曲げ、溜めながらメバルの瞬発力を削ります。

念願の水深10mの表層でメバルをキャッチ。それにしても、ビッグヒップ、メバルを引っ張る力は想像以上でした。

シャローの藻場ゲーム

その後、数匹のメバルをキャッチしたところでポイント移動。お次は、シャローの藻場ゲーム。つまり、青森の中の富山を探します。僕らの日頃のプラッギングが陸奥湾に通用するかを試します。

最初に答えから言わせてもらうと、狙ったポイントのすべてからメバルが何匹も出てくれました。

もちろん青森というフィールドのポテンシャルが高いのもありますが、僕らのやってきた北陸のシャロープラッギングが遠く離れた東北のエリアでも通用することを改めて実感しました。

ここからは、青森に来た目的通り、メバルを掛けまくります。覚えてるだけでもシャローだけで軽く30本以上。28センチを頭に大小かなりの数を釣りました。心配された掛かり所、フッキングのフィーリングも特に悪いと感じる所もなく、無事にテストを終えることができました。

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