“ENGAGE” エンゲージそれは向き合う対象が生まれた際に形容されるワードであり、対峙も親和も表裏一体となって表す事ができる言葉です。

GRASSROOTS（グラスルーツ）公式webサイトには、そんな言葉が掲載される。グラスルーツ第一弾ロッド「エンゲージ・ナイヴス」を表しての言葉だ。

エンゲージ・ナイヴス

出典：グラスルーツ公式

バスロッド「エンゲージ・ナイヴス」。いよいよ全モデルのスペックも公開となり、より注目度を高めている。

対峙も親和も表裏一体。フィールドでバスと「対峙」する為にはより深くバスを知る必要がある。生物としての本能、シーズナルやフィールドコンディションに準じたエリアやスポットの変化、水色、カレント、カバー、ストラクチャー、ベイト…。

バスをキャッチする為にはそれらファクターを加味した上でベストなアプローチをする必要があり、状況にマッチさせる為にはアングラーが自然とリンクする「親和」が求められる。

バスを探し出し、キャッチする為のプロセスには「対峙」と「親和」が表裏一体となって存在する。そんな中でアングラーの腕の延長となりバスとの接点をもたらすロッドとしてエンゲージ・ナイヴスは誕生した。

△開発には沢村幸弘氏も深く関わっている

バスフィッシングで用いるルアー、テクニック、アプローチはとても多彩だ。故に「エンゲージ・ナイヴス」シリーズはベストな使用感を提供する為にコンセプトを明確にした上で専用設計し、ルアーやテクニックに対して原理原則に基づいた思想で個別開発されている。求められる要素・性能の「本質」を突き詰め完成したのが今回リリースされる10機種なのだ。そのラインナップは更なる広がりをみせ、既に追加機種の開発も鋭意進行中という。

ルアー、テクニック、アプローチ、あらゆる状況に対応可能なラインナップを目指してナイヴスは開発が進められている。そんな中で一貫した個性をはっきり感じさせるのが「軽快で強い」こと。ありきたりな言葉になってしまうが、シャープな操作性とトルクフルな剛性感が真っ先に感じられる。

そのフィーリング、ハンドリングは鍛え上げられた鋼を用いた鋭利な業物のごとく。

そこからKnives。ナイヴスとネーミングされたそうだ。

根幹を担うブランクス構成

より具体的なブランク設計思想はどうだろう。

まず、シリーズ共通する構造としては、コアマテリアルとして薄厚プリプレグ(カーボンシート)を高圧で多層巻きするバイアス製法を採用している点が挙げられる。そしてレジンには強固な密着力を誇る東レナノアロイを採用。

その特性が最も活かされる手法としてハイテーパー化(ブランク肉厚を薄くし、バット径を太く設計する軽量バランス製法)したブランクスが基軸となっている。

このハイテーパー化によって、ブランクが曲げ込まれた際に真っ直ぐに戻ろうとする復元力にプラスして、真円だったチューブラーブランクの断面が曲げ込まれた際に楕円に潰れ、元の真円に戻ろうとする復元力も付加されるのだという。これは肉厚が薄く、ブランク径を太く設計するハイテーパーブランクに顕著に見られる特徴となる。またロッドバランス的にも先端が細くバットが太くなることでバランスが手元に寄り、自然とロッドティップが上を向く軽量感に繋がるのだ。

すなわち、弾性率を高めてカーボンの目付け量を減らし薄厚化。高弾性カーボンの脆弱性や、薄厚化した分の潰れ強度はナノアロイで補い、曲げ込んだ際のしなやか且つトルクフルなフィーリングにはハイテーパー化が寄与するという思想で設計されている。エンゲージ・ナイヴスの軽量でドライなフィーリングなのに、曲げ込むとしっとりしなやかに追従するフィーリングの秘密はこの設計思想に隠されているのだ。

そして現状のブランク構成はいくつかに分類することが出来る。コアマテリアルには前記したハイテーパー/ナノアロイを基軸とし、更にルアー、テクニック、アプローチに準じてアラミド補強ブランク、ピュアグラファイトブランク、グラファイトソリッドティップ、グラスソリッドティップ、UDグラスコンポジットといったマテリアルや製法が採用され、それぞれのモデルにチューニングが施されている。

ではそのラインナップとは…

弾性率が異なるグラファイトをパート毎に組み合わせ、アラミドシンセティックファイバーをラミネートして強化した強靭なハイブリッドシャフト。

弾性率が異なるグラファイトで構成したブランクスで、軽量感と感度、俊敏な操作性が際立つピュアグラファイトシャフト。

ユニディレクショングラスをベース基材とし、バット部にグラファイト＋アラミドシンセティックファイバーをレイヤリンング。更に全身を4Axialカーボンテープで締め上げたコンポジットシャフト。

ごく簡単にまとめるなら、Premium Syntheticはアラミドグラファイト・Premium Polymerはピュアグラファイト・Multi Direction Layerはグラスコンポジットといえる。

その中で「グラファイトソリッドティップ」が採用されているのが、スピニングモデルEKS62XUL-F/ST “Hi-Speed Tip Custom”に、「グラスソリッドティップ」がスピニングモデルEKS64UL/GST “Slack Control Custom”に搭載されている。※その他のモデルはカーボンチューブラー

EKS62XUL-F/ST “Hi-Speed Tip Custom”

EKS64UL/GST “Slack Control Custom”

ラインがブランクスに追従して走るガイド設計

ガイドはFuji・チタンフレームSiCリングガイド。KRコンセプトをベースにしたオリジナルマイクロセッティング。

ガイド自体もハイスペックなのだが、それだけではなく、ガイド位置・個数にもこだわりを持つ。ナイヴスはよどみなくカーブを描いていくが、当然ティップからバットへとベンディングカーブが移行する。

その、それぞれの曲がりの頂点にガイドがくるよう配置。そのために、ラインがロッドの曲がりに忠実に追従するようなセッティングとなっている。

ゆえに、本来持っているブランクスのポテンシャルをスポイルしない。

「キャスティング時はディスタンス、アキュラシー共に高め、フックアップ〜ファイトでロッドに高負荷が加わった際は捻れを抑制し、ブランクのポテンシャルをスポイルすることなく引き出すセッティングです」とは公式サイトの言葉だが、それをフィールドでまさに感じられる仕上がりとなったという。

ガイド数も多いといえるだろうが、これも多点でラインを支えることで、ブランク上にしっかりとラインが通ってくるため、ロッドパワーを最大限引き出すため。当然、それでありながらマイクロガイド化しているため軽く、ラインがブランクスの近くを走ることで感度にもつながる。

グリップにもコダワリを…

グリップデザインでは、特にベイトキャスティングモデルが目を引く。実はこれ、C6カーボン製オリジナルリールシート。硬く、軽い素材だ。

軽量感と感度に貢献する。さらには、トリガーの位置にも注目だ。近年小型化が進むベイトリール、これが逆に状況によっては無理なパーミングを強いられることもあるのだが、サムバークラッチの直下に位置するトリガー、そしてフード形状がキャスティング時の手首の自由度と、安定感のあるパーミング性を実現する。

スピニングモデルにはFujiのVSSシート。人差し指をブランクに添えるグリッピングで細かなアクションも可能。ここにTVSKフードをアップロックするオリジナルセッティング。違和感なく、それでいて確実なホールド性を実現する。

所有欲くすぐるデザインもよき

また、やはりバスフィッシングでは見た目も大事…というのは記者だけではないはず。ビジュアルもよき。

エンドキャップにはGRASSROOTSロゴをレーザー刻印。キャップマテリアルは変質や劣化に強い高耐候性ナイロン樹脂を採用。

メタルパーツはローレット加工を施し、リールカラーとのコーディネートにも自由度が高いガンメタ&ゴールドのアルマイトが、さりげなく主張するビジュアルだ。

個人的にはフックキーパーもロングスロートタイプで、ダウンショットシンカーのホールド性の高さ、極小マスバリから太軸#5/0フックまで対応する余裕もうれしいところだったり。

ということで改めて、エンゲージ・ナイヴスの全体像について今回は触れてみた。

各機種は以下の通りだが、公式webサイトにはモデルごとの解説も掲載されている。そちらもぜひご覧頂きたい。

スペック

ベイトキャスティングモデル5機種のスペックは以下。

スピニングモデル5機種のスペックは以下。

さて、最後に。こう長々語るよりは、この方が説得力ありでしょう（笑）。ということで沢村プロの解説動画もぜひに！　アメリカでのご活躍も期待しています！

出典：YouTube「GRASSROOTS OFFICIAL CHANNEL」

グラスルーツ公式「エンゲージ・ナイヴス」詳細ページはこちら

GRASSROOTS（グラスルーツ）

GRASSROOTSとはUSのスラングで人から人に伝わる文化やコミュニティーを指す言葉。釣りとは親から子へ、友から友へ、世代や国境の垣根すら越えて継承され、育まれてきた長い歴史を持つ文化。創り出されるフィッシングタックルが様々なアングラーに伝わり、愛され続け、そして釣りの文化を継承する輪廻の一部になって欲しい。GRASSROOTSの社名にはそんな願いが込められている。実釣性能は勿論のこと、機能美を纏ったディテールを持つフィッシングタックルを今まさに世に放とうとしている新進気鋭の注目メーカー

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