専用タックルがいるんじゃないかとか、釣り方が特殊なんじゃないかとか。
どこか身構えてしまっていたりする。
その釣り、ボートアジング。
でも、この人の遊び方を見れば、そんなハードルがグッと下がるような気がして。
トミー敦×ボートアジング
フィールドが漁港からボートに変わっただけ。
そう話すのは、ルアーニュースRの姉妹サイト「Vish」の人気動画番組「トミー敦のあじすた!」でもお馴染み“トミー(富永敦)さん”。
そう、今回は同番組初となるボートアジングロケに同行、取材をしてきたんです。
そもそも。オカッパリのイメージが強いトミーさんですが、そこはアジのスペシャリスト。バース撃ちやバチコンなど、数々のボートアジングも一通りこなしており造詣も深い。そんなトミーさんにボートアジングの魅力をあれこれ聞いてきました。
オカッパリの延長のボートアジング
今回お邪魔したのは、タイラバやひとつテンヤ、サビキにジギングなどをメインに出船する、瀬戸内海は広島の海を知り尽くした遊漁船「海猫丸」。
先述した通り、一口にボートアジングといってもそのスタイルは様々。今回のスタイルは激流エリアのショアライン、水深でいうと16~26m前後の流れの中で“定位する”アジを狙って流していく…というもの。
激流やディープと聞くと、やっぱりオカッパリとはセッティングも釣り方も違うんじゃ…んなこともなく。
実際トミーさんがロケで持ち込んだのは、普段オカッパリで使っているタックルをそのまま流用。
もちろん強い流れ、深い水深に対応すべくリグは重めではありますが、別段普段のタックルと変わらない。もっと言えば、潮が緩んだタイミングとか、ターゲットのアジが上ずっていれば、それこそ1gや1.5g程度を使用。ホントにオカッパリと変わらない。
そして釣り方ですが、これも基本的にはオカッパリと同じ。
基本的に…としたのは、あくまで考え方の話だからで、オカッパリもボートも要はアジが定位するレンジにワームを流し込み、アクションを入れて、ドリフトさせて、口を使わせるタイミングを作ってバイトを取っていく訳です。つまり考え方は同じですね。
そこに深い水深であるとか、流れがキツイいった条件が重なってくると、リグが潮で流されて着底できないとか「物理的な壁」ができる。その壁を乗り越えるべく、単純にリグを重くして、アジがいるレンジまで落とし込んでいく。
つまるところ水深が深くても、流れが早くても「水中でオカッパリと同じ釣りを再現する」ため、リグやウエイトで調整していくという。
これがトミーさん流のボートアジングの楽しみ方。ザックリ言えばオカッパリの応用です。
普段の釣りと同じタックルで、同じ釣りをする訳ですから、何をそんなに身構えることがあるのか。…そう思っちゃいますよね?
ボートアジングには何ものにも代えがたい魅力がある
オカッパリ感覚で楽しむボートアジング。
とはいえ、やっぱりボートに乗って釣りをする訳で、そこにはオカッパリでは味わえない魅力がある。
まずはここでしょうか。「釣れる」。
…と言い切ってしまえば、やや語弊はありますが、毎日船を出している船長が時期に応じてアジが溜まるポイントに連れて行ってくれる。そして魚探に映るアジの反応を見て的確にレンジの指示をしてくれる。
確実にアジがいる場所で、レンジで釣りができるとなると、確率論で言ってもやっぱりオカッパリより釣れると言える。
そして、釣れるサイズも「デカい」。
これもやや強引な言い方ですが、オカッパリでランガンをしていて、ポイントによってそこに入っているアジのサイズが違うことありますよね?ここもやっぱり船長が、オカッパリでは太刀打ちできない実績のあるポイントに連れて行ってくれる訳で、デカいサイズが狙えるのは必然。
これは2つの意味の「楽」。
1つは単純に運動量が少なくてラク。なんなら座りっぱなしでもどんどん新しいポイントを流していってくれる。回遊待ちをすることもなく、ポイントへ体ごと運んでくれ当然「楽」なんです。
もう1つは、どんどん新規のポイントを撃っていことができる。つまり、明暗だったり、潮のヨレだったり、ベタ底のボトムだったり、いろんなシチュエーションで釣りができる=「楽」しい。また、ボートの上という狭い空間で「どのレンジで当たった?」なんて、仲間とワイワイやるのもやっぱり楽しいのです。
結論、オカッパリアジングをやっている人はハマる!
トミーさんのボートアジング取材を通して、一番伝えたかったこと。
…ハマります。この釣り。
もちろんデメリットもあって、少なくともボート代は掛かるし、いかに釣れるとはいえ相手は魚。当日の海の状況次第で厳しい状況もあります。
とはいえ。オカッパリと同じタックル、同じ釣りで、数もサイズも、“楽”に狙えてしまうという、アジンガーにとってはいわば“ご褒美”のような釣り。ランガンして、魚を探して、厳しい条件下で1匹のアジを狙うのももちろん趣がある。でも、たまには温泉のような“ご褒美”を、仲間とゆったりと楽しんだって…良いんじゃないでしょうか。ね。