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【レオン北米釣り紀行/1996年〜1999年カリフォルニア】Vol4:レイクキャステイクの「怪」後編

連載:加来 匠レオン「ライトゲームマニア」
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怪物のシルエットを頭の中で反芻してみた。なんと言う大口。なんと言う体高。そいつは俺が見慣れたバスとはあまりにかけ離れた体躯を持つ生物だった。60センチ近いバスはいつも通っていた山口県のリザーバーでも見たことはあるが、長さだけでは語れない圧倒的な肉厚と存在感を感じさせる、まさに「怪物」だった。言葉を失った…。

ボブが興奮して叫ぶように言葉をぶつけてくる。「トム!見たか!アレだ!フロリダだ!」「キャステイクランカーだ!」「ワオ!エキサイティング!」「いいもの見たな!な!な!」「こんなの滅多に見れないぜ!」「良い日に当たったなトム!」そして俺はただただ頷く事しか出来なかった…。

その後はクローダッドを結んだロッドのティップを見ていても心は上の空であるし、何かしらの予感めいた思いがよぎった。「今の俺に釣れる代物じゃあない」「旅人の手に負えるような奴ではない」「研鑽と努力と修行の果てにしか手に出来ないトロフィーだ」感動のあまり、そんな思いで胸が一杯になってしまっていた…。

時計を見ると午後に差し掛かっていた。ボブがいったん上がってランチにして午後からはアッパーレイクを攻めて見ようと言う。タックルを片付けながら俺は自分の動悸がいまだ激しい事に気づき、一人苦笑してしまった。

~Vol.4 レイクキャステイク結末編「アッパーレイクとコヨーテとリザード」へ続く~

参考資料

1993年ボブ・クルピのレコードフィッシュ記事

https://bass-archives.com/the-crupi-legend/

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