ウィード×ディープクランキングのシーズナルパターン
Q: 最後に、季節別のパターンを順に教えてください。
春はいつくらいからディープクランクが活躍しますか?
A: 琵琶湖の春先は水温も低くシビアな季節です。3月まではスイミングジグが良く、ディープクランクが本格的に釣れ始めるのは4月に入ってからです。この時期はウィードが少ないので、スタックしたらチャンス。丁寧に、丁寧にほぐすことが鉄則です。ほぐして、ほぐして、外れない場合はカットしてリトリーブを継続します。
Q: 水温が上がる初夏はガンガン攻めて良いですか?
A: 5月~6月はスポーニングでスーパーナイーブな状態です。この時はルアーをじっくり見せないと喰わないので、ワームを使っている感覚で丁寧にほぐしてください。ほぐした後もすぐには巻かず、そのまま浮かせてもいいくらい。あまり動かさず一点でバスを誘う感覚です。トントントン…と軽くロッドをあおって、ほぐしたあとに「ドン!」とくるのが最もよくあるバイトの出方です。
Q: スポーニング後はどのようなパターンが有効ですか?
A: アフターの回復期でハードルアーをガンガン喰いますよ、という状態になったら、ウィードから外すと同時にガンガン巻く。これが初夏から夏のセオリーです。ただし、夏の終わりから秋口になってギルが水面に山盛りに浮いている場合は、ほぐしたり切ったりした後に浮かせる、という使い方で口を使わせます。いわゆるギルパターンですね。その後、晩秋にかけては一年のうちでもディープクランキングが活躍する季節です。
Q: そしていよいよ冬へ。冬もディープクランクの釣りは有効ですか?
A: 冬はとにかく速巻き。低水温だからスローと思うかもしれませんが、一年で一番速く巻くのが冬です。ウィードにスタックした時も“ほぐす”という動作はせずに、ウィードを勢いよくカットして、ルアーを飛ばしてリアクションで喰わせます。カットした後もスーパー高速巻きで、いち早くボトムにガンガン当てていくイメージです。ちなみに僕が言う冬とは、水温が一桁台になる時期。最近はメタルバイブで対応することも多いですが、ディープクランクも有効です。
● 実釣では早々にミッションコンプリート
今回、取材を行ったのは7月下旬の琵琶湖・南湖で決行。滋賀県の当日の最高気温は35.8℃、水温も午前7時で30℃を超えて「煮えた」状態。手堅く釣果を得るなら、取水塔などのシェードを「撃つ」釣りが確実と思われたのですが…。
そんななか、セオリー通り4mラインのウィードエリアにディープX300をトレースした杉村さんは、ケースバイケースで“ほぐし”と“カット”を使い分けてバスをキャッチ。早朝の短時間で複数のバイトを捉えて、ウィードエリア×ディープクランキングの効果を証明した。
季節ごとに狙い方の違いはあれど、ウィードエリアのディープクランキングはほぼ年間を通して通用するテクニック。杉村さんのアドバイスを頭に入れて、ぜひビッグバスにチャレンジしてみてくださいね!