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平村尚也コラム【琵琶湖リサーチ】台風20号後の琵琶湖①

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=回復しない南湖の水質=

台風20号で期待されたのは、南湖の水質改善だ。しかし、残念ながら大幅な増水とはならずに南湖の放流量は15㌧が継続されて水質の改善とはならかなった。
台風前の水位はマイナス40㌢まで低下していたが、台風後にはマイナス28㌢まで回復した。しかし、この時期は夏の洪水期水位のマイナス20㌢から秋の洪水期水位のマイナス30㌢へと変更する時期と重なっており、マイナス28㌢だとこの時期の基準水位のマイナス30㌢とほぼ変わらずに放流量がアップすることはなかった。
そのために、琵琶湖南湖のアオコだらけのバスクリンのような緑色の水が流れることはなく、琵琶湖南湖の水質は悪化した状態が今も続いている。

台風後も水質の悪い南湖。次の水位増加の期待は秋雨前線。水が入れ替わることが期待される

=期待するのは秋雨前線=

この夏の台風の大半が風台風となり、琵琶湖にとって大雨となったのは夏前の西日本豪雨の時だけである。あの豪雨でプラス77㌢まで増水して、マイナス20㌢まで一気に全開放流で流した後に、ほとんど雨が降らずに南湖は水が滞留してアオコだらけの水となった。これが今年の夏の琵琶湖の不調の1つの要因である。
このあと、これを改善するのは秋雨前線となる。8月末になって秋雨前線は日本海から北陸、東北まで南下している状況で、9月初旬には琵琶湖付近まで南下するだろう。問題は前線の滞留時間がどの程度になるか? という点である。ある程度の雨量となり、プラス水位に転じるぐらいに降れば、放流量が100㌧以上となり、南湖の水質は一気に回復するだろう。

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