今、最もアツい「マジックジャーク」
進化が止まらないエリアトラウトの世界。その中で近年、最もホットなタクティクスの1つが「マジックジャーク(※)」だ。
フローティングタイプのロングビルミノーを潜行させ、ポーズからの浮上で食わせるというテクニックとなる。下方向からいきなり視界に入ってくるミノーを、トラウトは無視することができないのだ。
エリアトーナメントの世界を席巻したマジックジャークの威力はほどなく広く知られることとなり、現在では一般アングラーの間でも必須のテクニックとなっているのは言うまでもない。
※「マジックジャーク」はアンデッドファクトリー社の登録商標です。スミスでは、アンデッドファクトリー社の了承の下、マジックジャークという名称を使用しています。
マジックジャーク向きのミノーとは?
マジックジャークが普及し始めた当初、当時発売されていた小型ロングビルミノー自体がまだ数少なく、選択肢は限られていた。その中でも当時のパイオニアに支持を得られていたミノーの1つがスミスの「スティル」だった。スティルは元々エリアトラウト専用の製品というわけではなかったが、バーブレスシングルフックに換装することによってエリアトラウトでも高い効果があることが知られていた。
スミスでは、マジックジャークの第一人者でエリアマイスターの称号を獲得するほどの活躍を見せていた水間博氏(現アンデッドファクトリー社代表)の協力の下、マジックジャーク専用の「スティルエリアチューン」を開発。いよいよマジックジャークの専用ミノーが発売されると共に、マジックジャークのテクニック自体も更に細分化が進んでいくこととなる。
進化するマジックジャーク
マジックジャークの普及が進むと共に、より幅広い状況下に対応するためテクニック自体も進化していった。多くのアングラーがマジックジャークを多用することになり、その中で抜きん出た結果を出すための試行錯誤が進んでいったのである。それに伴い、ミノーに求められる性能も一辺倒ではなくなってきた。その中で「より高浮力」であることによりミノーの浮上スピードを上げ、トラウトの捕食スイッチを刺激しながら釣っていく、という方向性が出現した。
5cm足らずの小型ミノーの浮力を上げるというのは限界がある。元々内蔵されているウェイトボールも小さいものだからだ。結果、ミノーからは目玉シールやベリー部のエイトカンまでもが取り外されることになった。ここまで徹底した軽量化が図られたジャンルのルアーはエリアトラウトくらいのものだろう。スミスからは2022年にスティルエリアの高浮力版「スティルエリアT2」が発売された。
新色となるBT=ブラックテール
ここで11月発売となったスティルエリアT2の新色を紹介しよう。いずれもBT(ブラックテール)仕様であることに注目して欲しい。シルエットの効いたブラックテールであることによりバイトマーカー効果が生まれ、フックを黒背景で隠すことも相まって、そこに向けて効率的にアタックを集中させることができるのだ。
スペック
全長:40mm
自重:1.1g
タイプ:フローティング
フック:ヴァンフックSP-11F#10 スプリットリング#00 2個付け
標準小売価格¥1,300+税
次回、礒野寛之さんに直撃!
今秋、スミスからはマジックジャークに関連するロッドやミノーの新製品リリースが続いている。次回は、それらの製品開発担当者でありエリアトラウトのエキスパートアングラーでもある礒野寛之さんに新製品を紹介していただく予定。
スミス公式「スティルエリアT2」詳細ページはこちら