リールひとつで、「ベイトタックルシーバス」がこんなにも変わる…。
ベイトリールの世界観が、確実に変わる。そんな感覚を強烈に印象付けられる一日となった。
ダイワ・フィールドテスターの藤田知洋さんが振り抜く、操る、掛ける。ご覧の通りのナイスなシーバス。
藤田 知洋(Tomohiro Fujita) プロフィール
ベイトシーバス × ソルティスト
その手にはSALTIST(ソルティスト)。コイツはヤバい。今回はシーバス。だが、のみならず。SWゲームのベイトゲームをもっと広く、もっと快適に変革してしまうかもしれない。
まずは駆け足で「ソルティスト」シリーズのご紹介を。ソルティストは、SWゲームをベイトタックルで味わい尽くすためのシリーズ。
アイテムとしては、ロッドに同名の「ソルティスト」が全5機種、そしてリールには「ソルティスト TW PE SPECIAL」が3番手(各右ハンドル・左ハンドルあり)がラインナップされる。
ソルティスト TW PE SPECIAL
さて、その中から今回は冒頭でもご紹介した通り、リール。「ソルティスト TW PE SPECIAL」をピックアップしたい。
ダイワ公式ソルティストTW PEスペシャル詳細ページはこちら
制御ではなく、もっとスムーズな放出へ
何がこれまでのベイトシーバスを変えるのかというと、「ベイトでも気を遣わなくて済む」という点だ。
具体的に言うならば、ブレーキ設定にシビアになり過ぎずにベイトタックルのメリットを享受できる。
スピニングリールと異なり、ベイトリールは、その構造上ローターを介さずにスプールに直接糸を巻き取る。感度としてもよりダイレクト。タフで、大物にも強く、ベールを返して投げるという作業も必要ない。手返しよくアキュラシー高くピンスポットに撃つことも可能なのだ。
そうしたメリット多数のベイトリールだが、問題なのはトラブルだ。
スプールに直接ラインが巻かれ、ワインダー付きなら放出口も限定されるだけに、ライン放出量とスプールの回転数が適切でないとトラブルになる。ざっくりいえば出るライン量と回転するスプール量で渋滞が起きる。だからバックラッシュが起こる。
だからブレーキ設定が大事になってくる。飛距離がより出るように、だけどトラブルが起きないように。ギリギリの線を調整する。
それが、変わる。
そうしたシビアなブレーキ設定ができ、それによってスピニングと近い飛距離が出せ、かつそれがトラブルなく…というのがSWゲームで求められるベイトリールの要素のひとつ。また感度や遠投性能、強さを求めると、特にSWではPEの使用を前提に、そうしたベイトリールが求められてきた。そして実際、ここ近年はメチャクチャ進化してきたベイトリール。とはいえ、そうした微調整はどこか「難しそう」というイメージを払拭できないでいた。
「ソルティスト TW PE SPECIAL」は、それとは異なるアンチテーゼな提案を体現してくれるリールだといえる。
だったらライン抵抗を極限まで抵抗なく放出できればイイじゃないか。それならもっと楽しくもっとベイトタックルの世界が広がるじゃないか…。そんな世界観を感じさせるリールなのだ。
ブレーキ設定によるPEのトラブル抑制ではなく、最大限トラブルなくPEラインの放出性を高める…というのがソルティスト TW PE SPECIAL。
トラブルなく飛ばすためのテクノロジー
ソルティスト TW PE SPECIALは、そのためにいくつかのテクノロジーを搭載している。
まずは「ハイスピードレベルワインド」の搭載。文字通り、従来以上にハイスピードなレベルワインド。
ハイスピードレベルワインドの搭載で、ラインが程よく確度がついて巻き取れるようになる。クロスラップ気味に巻き取ることで細糸のPE(細糸)でも上糸が下糸に落ちる(巻き込む)ことを大幅に抑制。キャスト時のタカ切れのリスクも大幅減少。
そして「ソルティスト TW PE SPECIAL」ではPEの使用に絞った「PE専用スプール」を採用。
何が違うかというと、スプール底面と側面の角度が垂直に近くなった。底面と側面の角度があると、スプールの端で巻き取ったPEラインの段差ができ、それが上記のようなPEライン同士の食い込みを起こす原因のひとつ。それを解消したわけだ。
つまり、PEライン(特にライトライン)をキャストする前の段階で、いわば「準備は整った」状態でスタンバイできる。
そして、いざキャストする時はダイワのテクノロジー「TWS」。もうすでに認知度も高いテクノロジーだが、改めて簡単に説明するとTWSとはTウィングシステムを意味する。これが優れモノでキャスト時(クラッチオフ)にはレベルワインドが開く、リトリーブ時には狭まる。開けば当然ライン放出時の摩擦抵抗は少なくなるし、巻き取り時に狭まることでスプールへの収納もラインの偏りなく整頓される。
ハイスピードレベルワインド、PE専用設計スプール、TWS。これらの相乗効果で、限りなくPEラインを最適な状態で巻き取り、最高にトラブルなくライン放出してくれるのが「ソルティスト TW PE SPECIAL」だ。
ドラグクリッカーの搭載
また、ラインが引き出されドラグが作動するとクリック音。このドラグクリッカーが、非常に便利なのだと藤田さん。
遠投した先で、あるいは視野が限られるナイトゲームで、どれくらい出されたかが分かることで、ファイトで遅れを取らない。例えば橋脚際などでのファイトでも、音で判断することで、これ以上出してよいか?ある程度強引に寄せるべきか?といった判断をしやすいという。
特に細番手のPEラインを使用した釣りでは、かなり実践的な機能。また、実際、この音が鳴ると…テンションも上がること間違いナシ(笑)。
3機種に味付けあり
さて、先にも述べた通りソルティスト TW PE SPECIALには3種がラインナップ。
Model | 標準自重(g) | 巻き取り長さ(cm/ハンドル1回転) | ギア比 | 標準巻糸量PE(号ーm) | ハンドルアーム長(mm) | ベアリング(ボール/ローラー) | 最大ドラグ力(kg) | スプール寸法(径mm) | ハンドルノブ仕様 | メーカー希望本体価格(円) |
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23SALTIST TW 80XH | 185 | 81 | 8.1 | 0.8-150 1-120 |
85 | 7/1 | 4.5 | 32 | ハイグリップI型ライトノブ(S) | 33,200 |
23SALTIST TW 80XHL | 185 | 81 | 8.1 | 0.8-150 1-120 |
85 | 7/1 | 4.5 | 32 | ハイグリップI型ライトノブ(S) | 33,200 |
23SALTIST TW 100XH | 200 | 86 | 8.1 | 1-200 1.5-150 2-100 |
100 | 7/1 | 5.5 | 34 | パワーラウンドEVAノブ(S) | 35,500 |
23SALTIST TW 100XHL | 200 | 86 | 8.1 | 1-200 1.5-150 2-100 |
100 | 7/1 | 5.5 | 34 | パワーラウンドEVAノブ(S) | 35,500 |
23SALTIST TW 300XH | 300 | 109 | 8.1 | 3-200 4-150 5-120 |
110 | 7/1 | 8.0 | 43 | パワーラウンドEVAノブ(S) | 46,500 |
23SALTIST TW 300XHL | 300 | 109 | 8.1 | 3-200 4-150 5-120 |
110 | 7/1 | 8.0 | 43 | パワーラウンドEVAノブ(S) | 46,500 |
上記の通り80・100・300の3種だ。
80(XHおよびXHL)はSVコンセプト。SVとはスーパーバーサタイルの略。「近・中・遠距離のあらゆるディスタンスに対応して、軽・中・重量級すべてのルアーをトラブルレスに扱うことのできる超汎用ブレーキコンセプト」だ。これはシーバスなら小型ルアー(シーバスの中では比較的軽量ルアー)をしっかりと距離を稼ぎながら攻められる設計。
ちなみに、SVコンセプト機であるが、実はインダクトローターをあえて絶妙に薄く設計。何を狙ったかというと、マグネットブレーキが過剰に効き過ぎないこと。このあたりも制御ではなく解放という志向がうかがえる。
是非皆さんに見ていただきたい!
拡散して頂けると嬉しいです☆●左がソルティストSVTW
●右がアルファスSVTWマグネットブレーキが過剰に効きすぎないようインダクトローターが薄く設計されています。
これにより、従来のSV機以上の伸び感、飛距離を体感する事ができます。 pic.twitter.com/I0IZEw8Wad— 藤田知洋 (@DAIWA_BAITMAN) July 25, 2023
一方、100と300に関しては、マグフォースV/Z。
マグフォースVと同Zに関しては、基本的なコンセプトは同様。遠心ブレーキ制動が掛かるのだが、ザックリ言うと、スプールに遠心力が掛かれば、ブレーキも初速の僅かな瞬間に効き、その後は緩やかになるというもの。ブレーキが利く秒数、回転数の制動に違いはあるものの、初速時のトラブルを防ぎ後半の伸びをアシストするもの。
細かな仕様は割愛するが、ごく簡単にいうと100には軽・中量級ルアーのロングキャストからショートキャストに適するマグフォースVが、300にはビッグベイトなど重量級ルアーのロングキャストにも適するマグブーストZが採用されている。
まとめるなら、80・100・300それぞれに最適解なテクノロジーが搭載されている。
ちなみに、80にはUTD(アルティメットトーナメントドラグ)が、100と300にはATD(オートマチックドラグシステム)が採用されている。
さらには「ハイパードライブデザイン」コンセプト機種であること。すっかり浸透しているハイパードライブデザインですが、最も短距離で伝えるなら高性能が長続きするリール。
ハイパードライブデザインを冠するには、必須のハイパードライブデジギアなど、いくつかのテクノロジーがある。とにも書くにも精密でタフなリール、その初期性能が長続きするというもの。
シーバスはもちろん、SWゲームを代表するベイトになる
さてさて、結論としては何が言いたいか。あまり難しいことは考えなくてOKです。
いうならば、「ベイトタックルのSWゲームを怖がらずにこのリールならできるよ!」というリールだと思う。もちろん今回ご協力頂いた、ベイトフェチな藤田知洋さんのような腕達者なら、これまで以上の快適なフィーリングを感じるしメリットもメチャクチャ大きくなった。けれど、これまで「実はベイトタックルやってみたかったけれど…なんか難しそう」と思っていた方にこそ、快適でチャレンジングな提案をしてくれたソルティスト TW PE SPECIALを使ってほしいのだ。
もちろん今回のシーバスだけではなく、SWゲーム全般で…。
ダイワ公式「ソルティスト TW PE SPECIAL」詳細ページはこちら