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今江克隆のルアーニュースクラブR「現代カーボンロッド技術の集大成!水陸両用ハイパワースピン『スパイダースピン611MH-TG40X』登場」の巻 第1165回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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さて今週は、実に2年以上も待ちに待った要注目なエバーグリーンのバスロッド「カレイド」2023年新作ロッドの11月初旬リリースがついに確定した。

今江的に歴代コンバットスティックの中でも銘竿中の銘竿といっても過言ではない、超々攻撃型パワースピニングロッド「スパイダースピン611MH-TG40X」の最終詳細情報をフライング公開しよう。

来月リリースが確定した「スパイダースピン」は、30年以上にわたるコンバットスティックの歴史の中でも銘竿中の銘竿、現時点で終点のハイパワーフィネスロッドだ

最終形態、終着点の攻撃型スピニングロッド

このロッドを簡潔に説明すると、元祖パワーフィネススピン「スピンコブラ」を原点とした、ベイトロッドにも勝るとも劣らないカバー攻略用超々攻撃型スピニングロッドだが、恐らく劇的な素材革命でも起きない限りその最終形態、終着点のロッドとなる銘竿だと確信しており、常時ボートから降ろすことのないスピニングロッドだ。

デカバス写真があり過ぎて逆に困るぐらい釣りマクった「スパイダースピン」&「MCハンガージグ」。このクラスをカバーからアッサリブッコ抜き

このロッドは、スピニングという表現が良いのか悪いのか分からないほど、戦闘力はベイトフィネスはもとより、並のMHベイトロッド+高性能ベイトリールを、様々な局面での対応力、軽量ルアーの操作性、ピッチング能力、リフティングパワーで凌駕する。

45cm1kgクラスなら問答無用で余裕のブッコ抜き。パワーはベイトフィネスの比ではない。PEは無音PEである「モアザン12ブレイド(UVF モアザンセンサー 12ブレイドEX+Si)」の1.5号を溺愛

単にカーボンコンストラクション的に見ても、すでに業界最先端の熟練度を誇る高強度高弾性カーボン「T1100G」ナノアロイカーボンをメインシャフト全体にフル装備しただけでなく、2023年時点で最軽量・最高強度・最高弾性の事実上最高峰であるTORAY「 M40X」ナノアロイカーボンを筋肉の鎧のようにセンターベリー~バット部にコンバートした、現代カーボンロッド技術の集大成ともいえる構成で作成されている。

余談だが「T1100G」の特性ともいえる「実際に使うと高弾性とは思えないほど柔らかく感じるのに十分掛かっている」という意外性は、スパインの影響でフッキング時にティップが踊りやすいベイトロッド以上にパワースピニングには特に相性がよいと自分は常々感じている。

スピンニングロッドは、ガイドが「下向き」であるがゆえ、「T1100G」や「M40X」のような「撓(しな)る高弾性」の特性が、素直にロスなく活かせるからだ。

「MCハンガージグ」の「BKK」製極太フックを完璧に最も硬い上アゴ正中線に貫通させる打突(だとつ)能力は、さすが混じりっ気なしの「T1100G」&「M40X」ロングブランクスだ

水陸両用性

だが、このスピニングロッドを語るうえで、構造上のメリットよりもはるかに実用性が高い部分が「水陸両用性(ボート&オカッパリ両用性)」を意識して製作されたことだ。

「スパイダースピン」は、その名の通り「昔、提灯、今、吊るし」と呼ぶほどメジャーになったカバーでの「吊るし」に投・打・掛・全局面で性能の高さを発揮するスピニングロッドだ。

木の上から無音、無気配でアプローチする「吊るし」。スパイダースピンの使用イメージはまさに天から垂れ下がった蜘蛛の赤い糸だ

ルアーニュースクラブRをずっと読んでいる方はすでに知っていると思うが、もともと「スパイダースピン」は、ボート用の5フィート11インチショートパワーフィネススピンとして七色ダムでロクマルを瞬殺できるほどの完成度に仕上がっていた。

そのロッドをお蔵入りにしてまで、このロッドを優先したのには訳がある。

それはこのショートパワースピンが、オカッパリでの取材や釣りでは全くといっていいほど出番がなかったことに起因する。

それは、バスに限界まで近づけるボートでは非常に有効なテクニックだが、オカッパリではほとんど出番のなくなる「ベイトフィネスロッド」と同じ対応局面の狭さを、取材やテスト釣行を通じて痛感したからに他ならない。

繊細と豪快の二極化の末に

今の時代は、フィネスとパワーの乖離が極めて顕著な時代だ。

すなわち、高度なフィネスに徹するとベイトフィネスではすでにカバーできないほど高難易度キャスト、超軽量超繊細な操作が必要な時代になり、同時にバス用高性能PEラインの定着化により、今やスピニングギアの実質パワーはベイトフィネス、下手をすれば並のカバー打ちタックルすら超えるほどに向上している。

一方でビッグベイトテクニックの完全なる定着化により「繊細と豪快の二極化」が確実に進んでいるのだ。

ライトリグで楽しく数釣れた30~35cmサイズが激減し、スレてはいるが平均40cmをゆうに超える個体の大型化が明確に進んでいる現在のフィールドでは、繊細であっても大型を確実に狙って獲れる「強くて繊細なこともできるタックル」が、ボート(水)、オカッパリ(陸)を問わず、常に「常備不可欠」な存在となり始めているのだ。

あえて言い切ってしまえば、今や30cmのバス1匹を釣るのも、45cmのバスを1匹釣るのも、その難しさや確率はもはやさほど変わらないというのが現実だ。

釣れれば40cmUP、ハイシーズンでもチビも釣れない、ボーズが珍しくない、そんなフィールドが今や大半になった。

ならば、やっと掛けた1匹を確実に獲るためにも、応急的バーサタイル性能を持ち合わせるハイパワースピニングと、応急的ヘビーバーサタイル性能を持つビッグベイトタックルの両極のタックルを常備しておくのが、今や水陸問わず必要不可欠な時代になったと、自分は感じている。

TOP50小野湖戦の練習でも「スパイダースピン」で50cmUPを何本か釣っていたが、もう一つの対極、ビッグベイトサイトにこだわって大敗戦。徹底してパワーフィネスをやる切るべきだったと後悔した

こうしたフィールドの変化と時代の流れを肌身で感じていたがゆえ、その必要不可欠さを強く感じたがゆえに、あえて汎用性の低いショートパワーフィネスの開発を一旦中止し、あえてオカッパリアングラーの意見も広く取り入れたうえで、応急汎用性を残した水陸両用、剛繊両用を意識したハイパワーフィネススピニングへと一から見直すことにした。

その結果、さらに2年の月日が掛かったが、水陸両用ハイパワースピンとしての「スパイダースピン611MH-TG40X」が完成した。

「緊急汎用性を残す」という点において、「スパイダースピン」は、かなりの重量がある高比重ワームや抵抗の大きい「ジレンマ60スーパースティープ」などのスピンクランキングにも活躍してくれる

オカッパリアングラーの意見を形に!

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