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今江克隆のルアーニュースクラブR「19年間、スレきらずに釣れ続けるワーム!その理由とは?〜『ジャバロン』シリーズの核心に迫る〜」の巻 第1163回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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ここ2年、19年前に発売した「ジャバロン」のトーナメントでの活躍が目覚ましい。

今週は「ジャバロン」が、なぜデビューから19年もの月日を経て、再び大活躍しはじめたのか?その明確な理由を解説しよう。

「ジャバロン」の始まり

「ジャバロン」は元々、今から20年前、イマカツ設立前、インスパイアカスタムルアーズ時代から試行錯誤を重ねていた、当時世界で他に類を見なかった「ウィードレス・ジョイントスイムベイト」だった。

当時、いわゆるビッグベイト(プラグ)が大流行しはじめた時代で、その威力をカバーやウィードでも使えないかと考えたのがはじまりだ。

ゆえに当時の実釣テストの写真を掘り返してみると、「ジャバロン」は多関節プロトと同時に二節プロト、すなわちS字アクションのモデルも存在した。

だが、何度も実戦テストしているうちに、二節だと動きは大きく派手だが、多関節に比べどうしても口腔内に収まりにくく、フッキングが悪く、同時にどうしても派手に「動かしたい」という気持ちになってしまうことで釣果がイマイチ奮わなかった。

一方、多関節の「ジャバロン」はうねるような艶めかしいアクションに魅了されがちだが、実はあまり動かさない、すなわち放置に近いデッドスロー、ドリフト、普通のズル引きでやたらと釣れたのである。

人間から見ればウネウネ動く様子が実に釣れそうなのだが、実際は多関節ビッグベイトとは真逆の「人間の意思とは無関係に勝手に動く」ことが「ジャバロン」が釣れる最大のキモだということに気付くことになる。

イマカツ設立当時にテストを繰り返し、19年前にデビューした「ジャバロン」シリーズ。「ジャバロン」シリーズには「デッドスロー」と「ハイスピード」、2つの対極の使い方がある

約20年近く前にテストしていた「ジャバロン」達。右奥にある二節ジョイントの「S字系ジャバロン」も存在したがテストの結果、多節型に釣果で遠く及ばなかった

「ジャバロン」復活のキッカケ

実は「ジャバロン」が大復活するキッカケとなった2022年のオールスター(バサーオールスタークラシック)で、自分が「ジャバロン」を試した大きな理由の一つが「カバースキャット」のボトムジャークの大流行だった。

猫もシャクシも「カバスキャボトムジャーク」をする中で、なんとなく「ジャバロン」で同様の放置プレーからのズル引きならジャークしないでも勝手に釣れるんじゃないか? 大きさ的にも使用法的にも「ジャバロン140」で代用したらどうかな?と思って霞ケ浦で試したところ、これが予想以上の大当たりだった。

ラインをしっかり沈めることで、激浅い霞ヶ浦水系でボトムを小突かず、すれすれをヨロヨロと弱った小魚がはいまわっているイメージを演出できそうだと思ったのがキッカケだ。

2022年、バサーオールスター戦でのライブ配信で劇的な復活を印象づけた「ジャバロン140」。動くか動かないかギリギリのスローさ、かつ一定速度でボトムやカバーにたまに触れる程度に巻くのが基本だ

スレ切らない理由

ゆえに自分的なイメージで「ジャバロン」とは、ウネウネとキレイに動く必要はさほどなく、むしろデッドスローで、一定速度で巻いて勝手にユラユラフラフラ、自発的に予測不能に泳いでくれている時が一番釣れると確信している。

放置に近い遅さでも、「ジャバロン」は多関節すべてで水を掴み、変形自由度が極めて高いので、何かしら勝手に生き物のように動く。

たまにハードボトムに当たれば勝手に予測不能に変形する。

それが19年もの長きにわたって「ジャバロン」にバスがスレ切らない最大のキモなのだと思う。

フリーリグ

そして「ジャバロン」は、ある決定的な現代的リグのおかげでさらに水を得た魚のごとく、再び最新ルアー並みの威力を発揮することになる。

それが19年前にはなかった「フリーリグ」だ。

「ジャバロン」がフリーリグと超相性がよいことは、ココでも詳しく書いたので割愛するが、フラフラ巻きに最強の「ジャバロン140」に対し、フリーリグでは「ジャバロン160」、「ジャバロンモンスター200」といったビッグサイズがさらに相性がいい。

特に「ジャバロン160」は、フリーリグで低水温期にあきらかに効果を発揮することを強く感じている。

これは恐らくイメージ的には低水温期でもよく動く「ビッグダディ(ポーク)」と似た効果を「ジャバロン160」が発揮するからだと感じている。

ゆえにアクションも「ビッグダディ」のフリーリグ的なアクションをイメージするとよいだろう。

過去最大の販売量を誇る最大人気作「ジャバロン160」。昨冬のテストではフリーリグで強烈な威力を発揮した。低水温で動きが硬くならない「ジャバロン」は、「ビッグダディ」と似た効果が期待できる

200と65

先月、専用フック付きで復刻出荷された「ジャバロンモンスター200」も同様の効果が期待できるが、「ジャバロン」は、大型化するほどスイムベイトとしての能力が強化されていく。

かつて不遇の焼却処分となった「ジャバロンモンスター200」。時代が追いついたことで、ついに先月復活を遂げたシリーズ最大のカバーの中を攻略できるスイムベイト

「ジャバロンモンスター200」は、当時ドン引きされたその圧倒的存在感から、本来のスローに巻くスイムベイト能力も存分に発揮するモデルだ。

オープンウォーター表層ならアシストフックを付けるとフッキングは抜群になるが、自分はオフセットこそが「ジャバロンモンスター200」の真骨頂だと確信している。

さすがに巨大な「ジャバロンモンスター200」だが、それだけに喰ってくるバスは例外なくデカい。来春のMAXクラスママ狙いには絶対に持っていて損のない「ジャバロン」だ

また、その「ジャバロンモンスター200」とは真逆の「ジャバロンフライ65」も遅ればせながら今月末に新たにデビューする。

今月、半年遅れでリリースされる歴代シリーズ最小の「ジャバロンフライ65」。ゴリやハゼ系ベイトにマッチザサイズの小ささだが、能力はオリジナルを全て踏襲している

こちらは本来、コロナ禍がなければ23年2月には登場していたもので、特にプリスポーン~スポーン期にはダウンショットで凶器的な存在になる最終兵器だ。

過去最少サイズだが、その特徴はオリジナル「ジャバロン」を全て踏襲している。

ダウンショット(リグ)、キャロ(ライナリグ)との相性が抜群な「ジャバロンフライ」。ある意味、春前に売らなくてよかったと思うほど「ジャバロンモンスター200」以上に凶器的な破壊力を持つマジでヤバいヤツだ

さらに続く、「ジャバロン」シリーズの復権と進化!

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