【トップを2本にするという発想】遂にイカメタルとボートアジング両使いを実現!家邊克己が語るサーティフォー「CER−60b」の開発秘話
最近、ボートアジングが大分盛んになってきました。
ボートアジングといってもバーチカルだけでなく、ジグ単のアジングもできるボートも増えてきたので陸っぱりと同じ感覚で釣りができることで、増えてきている部分もありますが、バーチカルで乗れる船も増えてきているのも事実です。そして夏場のイカメタル船でアジングで便乗しておられる隠れアジンガーも多くおられ、イカメタルとアジング両方をちゃっかり楽しんでおられる方も。
家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール
イカメタル&ボートアジング両方楽しめるロッド
「Remarkable CER-60b」の開発秘話
そのような方からの要望で両方に使えるロッドはできないか? と一昨年から「Remarkable CER-60b」の開発に色々と試行錯誤を繰り返し、イカメタル船も昨年は3日に1回のペースで乗り、おかげでイカメタルのスキルがカナリ上達(笑)。
サーティフォー公式「Remarkable CER-60b」詳細ページはこちら
私達のボートアジングは「S タッチ」を使った“ARメソッド”で行うので、シンカーはそれほど重い物は基本使わず、大体重くても20号位まで。バチコンメソッドでやられる人も30号位までなので、それ以上の重さに耐えられるトップは必要ないのですが、イカメタルの場合は水深も100m位はザラにあり、潮も速い場所もあるので40号位まで使用できないと釣れる範囲が広がらない。
サーティフォー公式「S タッチ」詳細ページはこちら
基本ボートアジングとイカメタルは仕掛けは違いますが、釣り方は似ている部分も多く、僕のスキルが上がったのもアジングの応用で十分に対応できたからです。ですから、アジングロッドとイカメタルロッドで共有はできますが、イカメタルロッドには感度が必要ないと考えられます。イカのアタリは全て目で取る目感度だけで十分と考えられているからですが、アジングの場合、ティップにでないアタリも結構あって手感度が必要に。モチロン陸っぱりのアジングの場合は、100%手でアタリを感じますので、ボートアジングロッドも同様の感度を有しており、そのロッドでイカメタルをやり込んでいくとティップに出ないアタリもあることが分かりました。しかし問題は、イカメタルの場合錘の使用範囲が広いことで、1本のロッドで全てを賄うことが感度まで考えると難しく、どうしても2機種必要に。
トップを2本にするという発想
そこで考えたのがトップを2本にしたらどうか?でした。
ツートップにすることで、元々ボートアジングロッドもイカメタルロッドもバットは強く作らないといけないため、バットがトップに干渉することはなく、共有することが可能だと考え製作に入りました。1本のトップはシンカー20号までとして、もう1本は40号まで使用できることを目標に作り出しましたが、20号までのトップは今までの経験によってか? 割と簡単でしたが、40号まで支えて繊細なアジのアタリも表現させるティップを作るのが難しく、そこからカナリ試行錯誤が始まりました。
重いシンカーを使うと言うことは、水圧や潮の流れの抵抗が大きいので単に40号のシンカーを支えるだけではダメで、支えて尚且まだアタリを表現させる余力を残すためにF-tunedソリッドを何パターンも作り試したのですが、ティップだけで支えることは難しく、ベリーとシンカー負担をどれだけ分担させ、一番負担のかかるその繋ぎ目をどうするかに一番時間を取られました。短い夏の間しかテストできないイカメタルなので、一回にサンプルを幾つも作り、時間短縮を図りましたが、夏の間だけでは答えが出ないので秋から冬までケンサキイカが釣れる三重まで通い、やっとこれなら大丈夫とでき上がったのが昨年12月でした。
今回のロッドはアジングとイカメタル両方に使えることがテーマだったので、様々な人が使いやすい様に、しかも重いシンカーを使った際にやり取りが楽な様にエンドグリップが5cm伸び縮みして背の低い人から高い人まで脇に挟めるようにしてあります。1本で2本分楽しめて、アジングにもイカメタルにも使えるボートロッドぜひ一度使ってみてください。
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