今江克隆のルアーニュースクラブR「ワームの高速巻き最強時代に突入!? 初公開『グライドハンガー式爆速シヴァーリグ』」の巻 第1159回
さて、お盆休みの今週は、先週予告した本邦初公開な「爆速シヴァーリグ」を紹介しよう。
この「爆速シヴァーリグ」とは、実に18年前、DVD黒帯Ⅷの収録時、「ジャバロン140&160」で爆発的な釣果をだした「ジャバロン」の速巻き、当時SHIVER ACTION(シヴァー=痙攣)とDVDで語っている「ジャバテキ」を、現代風にさらにスピードアップ&最適化した最新のリグだ。
「ジャバテキ」誕生の経緯に関してもっと知りたい方は、懐かしい以下の記事を読んでみてほしい。
ジャバロンは姿勢が大切
まず最初に知っておいてほしいのは、ジャバロン兄弟たちには、一つ、大きな使い方のルールがある。
それは「ジャバロンは姿勢が大切」ってことだ。
「ジャバロン」にはリップがないが、実は第二ブロック最初の角面が抵抗板として大きな意味を持っている。
「ジャバロン」は、この第二ブロック角面に真っすぐ水を当てるようにリグ姿勢を決めることで最大のウネリ~シヴァーアクション効果を発生させることができる。
そしてその動きの特徴は、「(オリジナル)ジャバロン」ほどパワフルでスローに強く、約16年前に発売した派生型「ジャバロンスーパーリアル(SR)」は、タイト&ナチュラル設計になっている。
超大雑把に説明してしまうと、「(オリジナル)ジャバロン」は「アベンタクローラー」、「ジャバロンSR」は、まさに「アベンタ(クローラー)バゼル」のような使い分けなのだ。
ゆえに「ジャバロンSR」は、フィネスなスイミングワーム的な使い方にも対応しているが、その特徴はむしろハイスピードリトリーブ、高速で逃げる小魚の痙攣したような動きを模すことにおいて発揮されるものなのだ。
だが、正直なところ「ジャバロンSR」がリリースされた16年前は、まだワームの「速(早)巻き」という概念が全く浸透しておらず、古くは「フルーク」の棒引きがマニアの間で密かに使われていたぐらいで、高速シヴァーアクションが本当に理解されるのは池原ダムでの「バラム300」の登場と、その衝撃的な高速巻き釣法が起爆剤になったと思う。
「最遅」と「最速」を極める!
では、なぜ今、再び「ジャバロンSR155」なのか?
実は、これまた「ジャバロン200」と同様に「ジャバロンSR155」は、時代的にその大きさから不遇の名作となってしまったワームの代表なのだ。
155mm以下のサイズの「ジャバロンSR」が、最近までリピート生産されていたにもかかわらず、155サイズはやはり使い方が浸透せず、同じサイズなら「ジャバロン160」(実際にSR155と同サイズ)の圧倒的人気に忘れられた存在になっていた。
そして2023年春、「(オリジナル)ジャバロン」の大復活とともに、密かに気になっていた「ジャバロンSR155」を3DR化し、現代風にアップデートした使い方がないか、試行錯誤を繰り返していた。
まさにデッドスローの「アベンタ(クローラー)RS」とハイスピードの「アベンタバゼル」のように、「ジャバロン」での「最遅」と「ジャバロンSR」での「最速」を極められる可能性があると思ったからだ。
爆速リグ
そして、その再度の試行錯誤の末に一つの「爆速リグ」が誕生した。
それが、ジグヘッドとネイルシンカーの組合せで水平スイミング姿勢をとったリグだ。
ヘッドとネイルの重さと位置の重心バランスがプラグのように絶妙でなければならないが、この変則ジグヘッドリグは爆速巻きから中速巻き、さらにはフォーリングでも素晴らしい威力をいきなり発揮した。
取材の合間に使ったが、あまりに簡単に釣れすぎて、ものの1時間でテストを中止したほどだった。
このリグを撮影で見ていた河野(正彦プロ)も「めちゃヤバいですね…」と興味津々(「ジャバロンSR155」の発売当時七歳だった河野は、その存在すら知らなかった…)。
そして初めて使った早明浦湖でのロケでは、ものの1時間で50cmUPを含む3本を、風の当たるバンク沿いの高速巻きで釣ってしまった。
時代の必須テク
ド晴天の真昼間、スーパークリアにもかかわらず、爆速で駆け抜ける「ジャバロンSR155」の姿は、人間の目にもパニックになった小魚の必死の逃走ソックリに見える。
何かに追われている小魚のパニックな姿がバスの競争心理に働くのか、はたまた捕食者の本能を刺激するのか、スイッチを入れて喰い上げさせる威力は目を見張るものがあった。
同時に、その釣りを一見しただけで速攻で自分のものとし、アッサリ釣ってしまう河野を見て、「速巻き」は、もはや「時代の必須テク」になっていることを実感させられた。
ジグヘッドセッティングの欠陥
ただ、残念ながらこのジグヘッド式爆速シヴァーリグには致命的な欠陥がまだあった。
それはまずカバー際、カバーコンタクトでは使えないこと、ボトムでの根掛りが多いこと、最も致命的なのはジグヘッドでサイズ的にフィットするものがなく、何とか使用できたノガレスの「ローリングフラッシュジグヘッド#4/0」ですら、ゲイブが小さく細いため、強いベイトロッドで使うとジャンプバレが多発することだった。
「爆速シヴァーリグ」の最終形態、グライドハンガー式を紹介!