ごめんなさい。
…正直、否定的でした。ハイドアップの吉田さんから直々にお話を伺うまでは。
何がって、今回新しく出る「コイケ13mm」のこと。
コイケシリーズ
コイケシリーズと言えば、説明不要の大ヒットアイテム。
シリーズ(シュリンプなどの亜種を除く)で言うと、定番の「旧コイケ」「コイケR」「コイケF」に、モリケンリグで大バズリ中の「コイケ17mm」、”さよなら高比重”でこちらも大バズリ中、シリーズ最大の「コイケフルキャスト」の5種類がラインナップ。
…で、13mmです。
そう、既にラインナップされているコイケ17mmとはわずか4mmしか変わらない。それで、失礼を承知で「いるの?」となった次第。
たかが4mm、されど4mm
では、なぜ13mmが必要だったのか。吉田さんの思惑はこう。
2022年で10周年を迎えたハイドアップ。それまではあくまで“ボートありき”での釣りが軸となった商品展開。もちろん、その中にもボート・オカッパリ問わず名作・定番と呼ばれるラインナップもあることは周知の事実。
そして11年目以降は「今までにやったいないことをやっていく」をスローガンに、使ってみたい試したいと思えるような、ずっとバス釣りをしてきたベテラン勢が「どうやって使うんだ?」とワクワクできるような、モノ作りにシフト。その一環がオカッパリも視野に入れた商品の開発。
いわく、ボートとオカッパリの最大の差は「持ち込めるタックルの数」。そこで、少ないタックルでも対応できるように、サイズ展開する必要があった。…これがそもそもの理由。
たかが4mm、されど4mm。その実、既存アイテムと一緒に並べてみるとその差はけっこうある。
左から13mm、17mm、そして最大サイズのフルキャスト。
わかりますでしょうか?中心の球体のサイズ、けっこう違う。これが一番のキモで、フックサイズをひと回り小さくできるという。
17mmといえば2/0クラスのフックがマスト。そしてそのサイズのフックでバスの口元を貫こうとすれば、タックルはやはりベイトタックル。でも、飛距離が必要なオカッパリではやや投げづらい。もっと言えばスピニングを使うにしてもやや重い。
1/0クラスのフックに対応できる13mmなら、パワーフィネスのタックルで使い切れる。…それこそが小さいようで大きい4mmの差だったんです。
もう一つ。さらに今回の13mmは毛は長く、根本~先までなるべく細く…がテーマ。
既存の17mmやフルキャストは根本を太くして、ピンと張りのあるシルエットでしたが、今回の13mmは毛が長く、細くなることでピンと張るのではなくダラっとなります。※あくまでパッケージの状態での話で、水の中では異なります
ちなみに毛で言うと…
コイケフルキャストは24本
コイケ17mmは25本
コイケ13mmは27本
真ん中の球体は小さくなったのに毛が増えているのが今回の「コイケ 13mm」。簡単に言うと、毛が増えたんです! もともとコイケというのは濃い毛から。でも出来上がったのは毛が薄いコイケ…。コイケシリーズの軌跡は技術の軌跡とも呼べて、今まで技術の壁で実現できなかったコイケが技術の進歩とともに生み出されているというわけ。
スピニングでパワーフィネスでも使えるし、ベイトでも当然のように使える。…それがコイケ13mmだと。
タックルボックスに入ることができるルアーを
吉田さんとコイケ13mmの話をしていて、印象的だったのがこんな話。
世の中にはルアーが溢れかえっていて、アングラーさんのタックルボックスってもうパンパンでしょう?新しいルアーを作ってもそこに入る余地がないんです。
終息したように思えますけど、まだまだコロナの影響でモノが入らないし納期が読めなかったりして、厳しい部分もあるんです…だからこそ、今までにないジャンルのルアーを作っていきたいんですね。タックルボックスに新たなジャンルとして迎え入れてもらえるワクワクするルアーを。
これまでのコイケシリーズ同様に「コイケ13mm」もルアーパワーは半端ないモノがあります。何を通しても食わなかったバスが寄ってきて嘘みたいに口を使うのを何回も見てますし。スピニングのパワーフィネスでオカッパリ対応…としてますが、ルアーパワーを考えると絶対にそれだけじゃないはず。固定概念にとらわれず、あれこれ遊んでほしいですね。
…と言いつつ、フルキャストよりもさらに大きなサイズ「コイケ スープレックス」というルアーも構想にはあるんですと笑う吉田さん。
恐るべしハイドアップ、この先まだまだおもしろくなりそうな予感しかない。
ハイドアップ(HIDEUP )